「共同参画」2014年 9月号

「共同参画」2014年 9月号

特集1

輝く女性応援会議 ─官邸から全国へ。ムーブメントの創出─
内閣官房女性が輝く社会づくりチーム/内閣府男女共同参画局総務課

輝く女性会議 in 山形


「輝く女性応援会議」を中心としたムーブメントの進捗状況をご紹介します。

ムーブメントの創出

本年3月に首相官邸でキックオフした「輝く女性応援会議」は、総理が成長戦略の中核と位置づける、すべての女性が輝く社会づくりを目指す活動のひとつです。

人口の半分の女性たちの能力が、それぞれが望む形で、社会で発揮されるようになれば、日本はもっともっと強く豊かになれるはず。その実現のために、政府が取り組むさまざまな活動の一部をご紹介します。

全国各地においても、各界リーダーの主導により女性の活躍推進を応援するネットワークを作り、ムーブメントを創出することを目指して7月から各地域で地域版「輝く女性応援会議」を開催しています。


働く女性応援会議


働く女性応援会議in高知の様子


働く女性応援会議in山形


男性リーダーの会

平成26年6月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」が「行動宣言」を策定・発表しました。この宣言は、女性の活躍推進に積極的に取り組んできた9名の男性経営者の皆様の強い想いを取りまとめたものです。(特集2

男性リーダーの会の行動宣言


さまざまな情報発信

ムーブメント加速のため、政府では上記の取組を進めると同時に広く情報を発信しています。

6月の「男女共同参画社会づくりに向けた全国会議」では、「女性と男性で輝く社会へ〜紅一点じゃ、足りない。×家事場のパパヂカラ〜」をテーマにフォーラムを開催し、約800名の来場者とメディアを通じて広く情報を発信しました。

7月からスタートした『SHINE!(シャイン!)』(輝く女性応援会議オフィシャルブログ)は、輝く女性の日常や、応援する男性からのメッセージ等を「もっと輝きたい女性」へ向けて発信中です。

http://ameblo.jp/kagayaku-josei-blog/

「キラリ!花咲く 物語」は、これから何かにチャレンジしようとする女性に向けた小冊子です。(News1

http://www.gender.go.jp/public/pamphlet_leaflet/kirari.html

男女共同参画社会づくりに向けた全国会議ポスター


『SHINE!(シャイン!)』(輝く女性応援会議オフィシャルブログ)


「キラリ!花咲く 物語」表紙


輝く女性応援会議 in 高知

7月24日(木)、全国に先駆けて「地域版 輝く女性応援会議」がこうち男女共同参画センター「ソーレ」(高知市)で開催されました。

尾﨑正直知事の開会挨拶に続き、森まさこ大臣からは「女性が輝く社会を目指して」と題し、政府の取組や成果、また今後の施策などが紹介されました。

森大臣 尾﨑知事


輝く女性の活動

輝く女性の皆さんから「今取り組んでいること」「より輝くためには何が必要か」について発表がありました。

鈴木佐知代さんは、土佐和紙の伝統に新しい技術を加えた製品を開発しています。とくに「りぐる」というブランドは、女性により美しく輝いてほしいと願って作ったもので平成25年度の「高知家いいもの・おいしい物発見コンクール」で大賞を受賞しました。

鈴木佐知代氏


小林美輪さんは、高知県立大学2年生で、イケあい地域災害学生ボランティアセンターの代表を務めています。昨年のぼうさい甲子園でぼうさい大賞を受賞した「未災地ツアー」は、まだ被災していない地域という意味の「未災地」を見学するものです。高知県を身近に感じてもらい、信頼関係を築くこと等を目的にしています。

小林美輪氏


安岡しずかさんは、医療依存度の高い療養者さんを支援する訪問看護サービスや、中山間地域へのサービス提供の仕組みづくりに力を入れています。看護は病院施設の中だけでなく地域の中で展開するべきものと改めて確信したと話します。

安岡しずか氏


上田知子さんは、農家民宿「いちょうの樹」農家レストラン「くさぶき」を経営しています。愛媛県との県境梼原町には現在8軒の農家民宿があり、県内外の交流人口を増やそうと頑張っています。野菜作りや星空を見る体験等を通して田舎のない人の田舎になりたいと語っていただきました。

上田知子氏


井上真由美さんは、「泣いても騒いでもOK」をコンセプトに「0歳からの音楽コンサート」を立ち上げました。歌のお姉さんや変装したママ達と一緒に楽しめる活動で、ママとパパ、子供たちだけでなくおじいちゃんおばあちゃん、地域の人までもが楽しめる活動になったということです。

井上真由美氏


応援するリーダーの取組

続いて「輝く女性を応援する各界リーダー」から女性活躍を推進する取組について伺いました。

南裕子さんは、高知県立大学の学長として学生達を支援しています。災害看護の分野では、女性の視点が大切であるにもかかわらず行政になかなか届かない。その間をうまくつないでいけるような看護士を育てていきたいと語ってくださいました。

南裕子氏


青木章泰氏は、高知商工会議所の会頭を務めています。研修メニュー最後のリーダーシップ研修の段階で女性の参加者が極端に少なくなってしまうことを改善すべく、企業と協力しているとのこと。また、女性ならではの新しい成果目標の設定は、職場の活性化、業績の向上に繋がるとの考えを披露してくださいました。

青木章泰氏


池田知勢さんは、福祉職場で女性が安心して長く勤められるよう、「抱え上げない、持ち上げないケア=ノーリフト」の取組を進めています。介護は重労働の割に給料が安いというネガティブなイメージを払拭し、労働者の状況にあった柔軟な働き方ができる業界として多くの女性、若者に入って欲しいと語ってくださいました。

池田知勢氏


松田高政さんは、娘が1歳のころ「高知パパ学会」を立ち上げました。家ではできないことを、みんなの力と知恵を出し合って、楽しい思い出を作りたいと考えています。「誕生日に子供からもらったメッセージが勲章」と紹介してくださいました。

松田高政氏


武樋泰臣さんは、不動産会社を経営しています。出産を控えた女性社員が自主的に作った「出産のスケジュール表」で、いつごろどの程度休み、いつ復帰したいかを同僚に伝え、仲間はどうやってその間会社を支えていくかについて話し合う。男性や会社もみんなで育てる気概で支援したいと考えていると言います。女性が持っている力、視点などを発揮できるような企業風土を作っていきたいと語ってくださいました。

武樋泰臣氏


各登壇者の発表を受けて、尾﨑知事は、「本日参加の輝く女性を始め、リーダーとしての女性の活躍は盛んになってきていると思います。一方、会社など大きな組織の中でより輝いていただくにはどうしたらいいか?についても考えなければならない。県の取組はまだ第1歩。毎年毎年バージョンアップしていきたい。」と述べられました。

森大臣からは、「いずれも素晴らしい活動で感動して聞かせていただきました。高知県の取組を全国に紹介して広めたいと思います。」とのコメントに加え、幼児教育の無償化について紹介。「経済的な不安感を少なくして女性も男性も活躍してもらいたいと思います。」と述べられました。

第二部ではパネルディスカッションを行い、「家族や周囲の応援は絶対に必要。」「両親のほかにも叔父叔母等、違う世代との交流は良い刺激となる。」等の意見が出ました。

また、「リーダーとはあまり肩に力を入れずに、自然に周囲に担がれて役割を果たすものと考えれば良い」「女性らしいリーダーシップのありかたは男性とは違う。女性は、会社や仲間への愛情、組織への安心感等に加えて役に立ちたい、必要とされているという気持ちがあると自ずと能動的な動きになる」などの発言がありました。

おしまいに「高知家の唄」が流れ、『高知家の女性活躍応援宣言』を発表して盛況のうちに会議は終了しました。

輝く女性会議 in 高知
輝く女性会議 in 高知

  • 『高知家の女性活躍応援宣言』
  • 〇輝く女性の宣言
    • 私たちは、それぞれの地域で、それぞれの分野で、これからも皆さんの応援を得ながら、より輝けるよう活動していきます。
  • 〇応援する各界リーダーの宣言
    • 私たちは、高知県の女性が、本来持っている力を、伸び伸びと発揮できるよう、それぞれの立場で応援していきます。
  • 〇知事の宣言
    • 高知県の女性が活躍することは高知県全体が活性化することにつながります。
      「日本一女性が輝く県」を目指し、頑張っている女性を全力で応援します。

輝く女性応援会議 in 山形

7月30日(水)、「輝く女性応援会議in 山形」がパレスグランデール(山形市)で開催されました。

吉村美栄子知事の開会ご挨拶では、47都道府県のうち女性知事は今や2人になってしまったが、県民との触れ合いの場で「将来は私も知事になりたい」と言った女の子が居るという話をご披露、この会議の登壇者も含め山形にはロールモデルとなる女性が居る、大いに参考にしてほしい、と応援のメッセージがありました。

岡田広内閣府副大臣からは、安倍内閣が目指す、全ての女性が輝く社会へむけては、全国的なムーブメントの創出が不可欠。本日の会合が意義あるものになることを願う、というご挨拶に続き、基調講演『女性が輝く社会を目指して』として政府の取組をご紹介いただきました。

岡田副大臣 吉村知事


活動の紹介

第1部では県内の輝く女性5名、応援するリーダー2名によるそれぞれの活動事例が紹介されました。

高橋菜穂子さんは、20代30代の女性5人で女性らしさをキーワードに「山形ガールズ農場」を運営しています。付加価値の高い商品、ライフスタイルの提案にも繋がる商品などにこだわっていること、女性が長く働き続けられる農業を目指していること等を発表いただきました。

高橋菜穂子氏


山形ガールズ農場製品


野口比呂美さんは、育児サークルを立ち上げたことから、当事者の目線での事業展開にまで活躍の場が広がったこと、とくに育児付き勉強会や人材開発に力を入れて活動していること等をご紹介いただきました。

野口比呂美氏


武田靖子さんは、二人のお子さんの子育てと、結婚式場の常務として経営に携わるという、仕事と育児の両立を実践中です。女性が活躍できるようになるまでには、上司との良い出会いや女性自身の自覚が大切であることなどの経験談をご披露いただきました。

武田靖子氏


佐藤洋詩恵さんは、旅館の女将として、やまがた女将会の会長として活躍中です。嫁いできてから旅館の改革を次々に実践し、山形の風土・風味・風景を伝え続けて高い評価を維持しておられます。経営者として再雇用制度等にも取り組んでおられることなどをお話しいただきました。

佐藤洋詩恵氏


八鍬とも子さんは、「ままちゃん工房おおくら」の代表を務めています。女性メンバー7人それぞれが本業を持ちながら地元の特産品を生かしたお土産品の開発等地域おこしに情熱をもって取り組んでおられる様子をご紹介いただきました。

八鍬とも子氏


そばクッキーおおくら君


女性の活躍を応援するリーダーとして登場した大沼一彦氏は、食品製造業を営んでおられ、育児休業制度をいち早く取り入れました。復帰に際しての手厚いプログラムや、出産でいったん退職した場合でも10年以内なら元の処遇で復帰できる制度等従業員の生活に寄り添った会社経営をご紹介いただきました。

大沼一彦氏


齋藤士郎氏は、首都圏の超高層ビルなど高度で精密な仕事を手掛ける建築設計会社でありながら赤ちゃん連れで仕事ができる環境づくりや社員旅行にも家族を連れて来る等社長と従業員との距離感が近いユニークな社風をご紹介いただきました。

齋藤士郎氏


もっと女性が輝くためには

第2部のパネルディスカッションでは岡田副大臣、吉村知事も加わって「もっと女性が輝くためには」というテーマで濃い議論が展開されました。女性自身がチャレンジする気概、考えて努力することがいかに大切か、ロールモデルの存在や支えてくれる家族、同僚の力を感謝して受け止めることの重要さが再確認されました。また輝く女性のために周囲はチャンスを与え、サポートしながら、社会をお互いに底上げして行こうと結ばれました。

パネルディスカッション


会議の終わりには知事が『山形県  輝く女性応援宣言』を披露。

300名を超える来場者を迎え、充実したプログラムを盛況のうちに終えました。

輝く女性会議 in 山形
輝く女性会議 in 山形

『山形県 輝く女性応援宣言』

山形県ではこれまでも、ワーク・ライフ・バランスの推進、仕事と子育ての両立支援、再就職支援など、県民一人ひとりがいきいきと暮らしていける環境づくりに努めてまいりました。本日の「輝く女性の応援会議 in 山形」の開催を受けて、山形県民は一丸となって、さらに力強く、女性も男性も共に働き、共に育むことのできる社会、一人ひとりが社会においても家庭においても幸せを感じることのできる社会を目指し、女性が輝く社会の実現につなげていくことを、ここに宣言いたします。