「共同参画」2012年 12月号

「共同参画」2012年 12月号

行政施策トピックス2

最近の国連関係の動向について
内閣府男女共同参画局総務課

女子差別撤廃委員会の最終見解に対するフォローアップ報告の提出について

女子差別撤廃委員会から追加的情報を求められた、民法改正法案の採択について講じた措置等に関する我が国の動向及び政府の取組について、本年11月、政府は国連に報告を行いましたので、その概要を紹介します。

<民法及び戸籍法の改正>

・政府部内及び国民の間に様々な意見があり、法律案の提出に至っていない。

<男女共同参画会議における取組>

・江田五月法務大臣が、2010年の通常国会において法律案の提出ができなかったことについて発言。また、男女共同参画会議監視専門調査会(以下「監視専門調査会」)鹿嶋敬会長が、政治のリーダーシップを発揮して民法改正の問題に取り組むべきことを強く要請。

・監視専門調査会は、政府に対し、民法改正等について、引き続き、第3次男女共同参画基本計画に沿って検討を進めることを求める意見を公表。

・滝実法務大臣が、法務省として民法改正に向けて努力したい旨を表明。

<国会における取組>

・衆議院本会議において、野田佳彦内閣総理大臣が、民法改正について、引き続き、政府及び与党間において議論していきたい旨答弁。

<国民に対する広報>

・法務省は、選択的夫婦別氏制度の意義についてホームページを通じた広報等を継続して実施。また、1996年に法制審議会が答申した民法改正案要綱及び2010年に準備した民法及び戸籍法の一部を改正する法律案の資料をホームページで継続して公表。

 詳細は、内閣府男女共同参画局HPをご参照ください。
http://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/index.html

人権理事会UPR(普遍的・定期的レビュー)日本政府第2回審査

UPRは、国連加盟国の人権状況を普遍的に審査する制度です。4年半で全ての加盟国が審査されます。審査基準は、被審査国が締結している人権条約や適用されうる人権法等です。

国連人権理事会作業部会における審査では、国連加盟国全てが議論に参加します。また、「トロイカ」と呼ばれる人権理事会理事国3か国がチームとなり、被審査国の報告者国となります。

2012年10月31日に日本のUPR第2回審査が実施されました(第1回審査は2008年5月実施)。

審査の流れ

トロイカは、バングラデシュ、リビア、ペルーの3か国が務めました。

審査では、冒頭に上田外務省人権人道大使のステートメント等があり、その後、79か国から質問や評価等の発言と勧告が行われました。

日本の人権状況への言及

各国から死刑制度、人身取引、移住労働者の権利、女性の権利への取組等について発言がありました。中でも、第3次男女共同参画基本計画の策定やそれに基づく施策の実施、とりわけ女性に対する暴力への取組への歓迎・評価が数多く表明されました。これらに対し、日本政府代表団(内閣府)から、引き続き政府を挙げて男女共同参画社会の実現に取り組んでいく旨を述べました。

勧告の内容

勧告は、日本の人権状況について幅広い範囲に及びました。このうち、男女共同参画社会の形成促進に関しては、総合的な推進に加え、直接差別・間接差別の禁止、DV・女性に対する暴力被害者支援、政策方針決定過程への参画促進、女子差別撤廃条約選択議定書の批准、民法改正等の勧告が行われました。

報告書案の採択

11月2日に、日本審査報告書案が採択されました。報告書は、2013年2~3月の人権理事会本会合で採択される予定です。

詳細は、外務省HPをご参照ください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken_r/upr_gai.html