「共同参画」2012年 8月号

「共同参画」2012年 8月号

特集2

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、女性のチャレンジ賞、男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰
内閣府男女共同参画局総務課

6月22日、総理大臣官邸において、中川男女共同参画担当大臣の出席のもと、「男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、女性のチャレンジ賞、男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰」の表彰式が行われました。本年度の受賞者は以下の皆様です。(50音順・敬称略)

<男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰>

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰は、多年にわたり男女共同参画社会に向けた気運の醸成等に功績のあった方や、各分野において実践的な活動を積み重ね、男女共同参画の推進に貢献してきた方などを内閣総理大臣から表彰するものです。

相見 壽子

元鳥取県男女共同参画をすすめるネットワーク会長(鳥取県)

鳥取県のネットワーク団体の長として、県内の男女共同参画を進める団体の相互連携・協調を図るとともに、男女共同参画社会の実現に向けての意識改革、女性の地位向上に尽力された。また、「第2次鳥取県男女共同参画計画」の策定に当たっては、意見書を提出する等積極的に取り組まれた。また、鳥取県男女共同参画センターの設立に尽力され、開設後、初代所長に就任し、同センターの礎を創られた。

上杉 孝實

兵庫県立男女共同参画センター運営委員会委員長(兵庫県)

兵庫県男女共同参画審議会会長として、「兵庫県男女共同参画計画-ひょうご男女共同参画プラン21-後期実施計画」の策定に当たって同審議会の意見集約にとどまらず、骨子づくりから具体的な施策提案に関わるなど尽力された。また神戸市、宝塚市、川西市、西宮市の基本計画の策定や兵庫県立女性センター(現兵庫県立男女共同参画センター)の運営に様々な助言や提案を行うなど、男女共同参画の推進に大きく貢献されている。

喜多 悦子

日本赤十字九州国際看護大学学長(福岡県)

1988年、パキスタンペシャワールでのアフガン難民支援への派遣以来、20年以上の永きにわたり、女性の参画がほとんど無かった紛争地や紛争後国を中心とする開発途上国での保健医療活動に積極的に参画された。また、日本赤十字九州国際看護大学学長として、世界に通用するわが国の看護人材の育成のみならず、途上国からの保健専門家の受け入れを通じて、内外の女性の能力開発・能力発揮の支援に貢献された。こうした先駆的な活動は医療分野に従事する女性のみならず、広く女性のロールモデルとなっている。

小関 八重子

元山形県女性校長・教頭会会長(山形県)

1988年、パキスタンペシャワールでのアフガン難民支援への派遣以来、20年以上の永きにわたり、女性の参画がほとんど無かった紛争地や紛争後国を中心とする開発途上国での保健医療活動に積極的に参画された。また、日本赤十字九州国際看護大学学長として、世界に通用するわが国の看護人材の育成のみならず、途上国からの保健専門家の受け入れを通じて、内外の女性の能力開発・能力発揮の支援に貢献された。こうした先駆的な活動は医療分野に従事する女性のみならず、広く女性のロールモデルとなっている。

進藤 斗志代

全国人権擁護委員連合会男女共同参画社会推進委員会委員(大阪府)

全国人権擁護委員連合会男女共同参画社会推進委員会委員長として、配偶者からの暴力、セクシャルハラスメント、ストーカー行為等に代表される女性をめぐる人権問題の解決を図るための人権相談の充実・強化に尽力された。また、電話相談マニュアルの作成に中心的な役割を果たすなど人権の視点からの男女共同参画社会の実現に尽力されている。さらに、大阪府人権擁護委員連合会においても、性別の固定的役割意識の払拭に係る啓発活動や青少年向けデートDV防止に向けたリーフレットを作成・配布するなど積極的に活動されている。

都河 明子

国際女性技術者・科学者ネットワーク日本会長(東京都)

国内外の女性研究者の現況・施策を調査研究し、女性研究者の能力発揮のための政策提言を行うとともに、理工系女子育成のため、理科実験教室の開催、理系職紹介のDVD作成、講演や本の出版など、科学技術分野での理解増進を深める活動に永年にわたり尽力されている。こうした活動により科学技術分野における優秀な女性研究者の人材の確保や支援に貢献された。

堂本 暁子

男女共同参画と災害・復興ネットワーク代表(千葉県)

全国知事会男女共同参画特別委員会委員長として防災と男女共同参画に関する全国調査を行うなど、従来から女性や高齢者、障害のある人などの視点を踏まえた防災施策の推進について取り組まれ、特に、東日本大震災の発災後は「災害・復興と男女共同参画」6.11シンポジウム実行委員会委員長を務め、今後の防災政策の充実及び災害リスク軽減のために必要な男女共同参画の視点から政策提言された。また、全国各地及び海外に向けて災害・復興と男女共同参画に関する講演や情報発信など様々な活動を行い、男女共同参画社会づくりに貢献された。

細谷 英二

株式会社りそなホールディングス取締役兼執行役会長(東京都)

りそな銀行会長として、企業トップ自ら、女性が長く働き続けられる職場環境の整備や女性が自ら活躍できる企業風土づくりが不可欠であることを社内外に表明。経営直轄の諮問機関「りそなウーマンズカウンシル」を設置し、女性社員の意見を経営に反映して、働きやすい職場環境の整備の推進に尽力された。また、女性の職域拡大、女性管理職の登用等に関する5か年計画を策定するなどし、従来女性が少なかった分野への配慮や管理職への登用を積極的に行うなど、企業活動を通じて女性の自立と活躍できる社会づくりに大きく貢献された。

宮崎 恭子

元和歌山市男女共生推進懇話会会長(和歌山県)

和歌山市女性センターの設立に携わるとともに、永年にわたり和歌山市女性問題懇話会委員を務められ、「和歌山市男女共生推進行動計画」の策定に貢献されるとともに、平成16年からは和歌山市男女共生推進懇話会会長として、「第2次和歌山市男女共生推進行動計画」の策定に尽力された。また、和歌山市教育委員を永年務められ、教育分野における男女共生意識の促進に貢献された。

持谷 靖子

群馬県男女共同参画推進委員会会長(群馬県)

「群馬県男女共同参画推進条例」に規定されている「群馬県男女共同参画推進委員会」の初代会長に就任。平成18年度から始まる第2次、平成23年度から始まる第3次群馬県男女共同参画基本計画の策定に尽力するとともに、男女共同参画活動の拠点となる「ぐんま男女共同参画センター」の設置にあたって意見の集約を行う等、男女共同参画社会づくりに大きく貢献された。また、女性として4人目となる群馬県教育委員長を務めるなど、その活躍が女性の政策・方針決定の場への参画の気運の醸成に大きく貢献された。

山口 みつ子

国際婦人年連絡会世話人(東京都)

内閣府男女共同参画会議議員及び同基本問題調査会、同男女共同参画基本計画に関する専門調査会委員として、男女共同参画社会実現のための基本計画、女性のチャレンジ支援策などについて調査審議に参画。また、苦情処理・監視専門調査会及び監視・影響専門調査会委員として、社会システムへの男女共同参画の視点を反映させる観点から参画し、各種報告の取りまとめに貢献された。また、国際婦人年連絡会事務局長及び世話人として、民間の広範な全国組織の女性団体の連携に尽力する等男女共同参画社会の実現に向けて大きく貢献された。

山崎 捷子

前福島県女性団体連絡協議会会長(福島県)

福島県内の女性団体24団体で構成する福島県女性団体連絡協議会の副会長、会長として県の各種審議会等において男女共同参画の視点で積極的に発言を行うとともに、男女共同参画基本計画の策定について未策定の町村に働きかけを行い、「福島県男女共生のつどい」の開催等、男女共同参画への理解促進に尽力された。また、社団法人国際女性教育振興会会長、同福島支部会長として、女性教育の推進や地域の女性リーダーの育成にも尽力された。さらに、東日本大震災では、各地避難所を回り女性のニーズにあった物資を提供する等女性の視点に立った支援活動を展開された。

<女性のチャレンジ賞>

女性のチャレンジ賞は、起業、NPO法人での活動、地域活動等にチャレンジすることで輝いている女性個人、女性団体・グループ及びそのようなチャレンジを支援する団体・グループを男女共同参画担当大臣から顕彰し、チャレンジの身近なモデルを示すこと等によって男女共同参画社会の実現のための気運を高めることを目的として、平成16年度から実施しています。

(1)女性のチャレンジ賞 3件

岩岡 ひとみ

特定非営利活動法人全国福祉理美容師養成協会事務局長(愛知県)

仕事と育児を両立しながら、特定非営利活動法人全国福祉理美容師養成協会の事務局長として事業の企画・調整等に携わるとともに、1児の母として自身の経験を活かし、出産・育児・介護等の諸事情により、理美容室の就労形態に合わず離職を余儀なくされていた有資格者に対し、ワーク・ライフ・バランスを考慮した新たな就労形態による「訪問理美容師」としての雇用の場を提供。女性が働き続けられる環境を整え、介護・福祉の技術や知識を独自のプログラムにより伝達するなど、女性の就業支援にもつながる事業を積極的に展開している。

岩井 万祐子

株式会社ホト・アグリ代表取締役(静岡県)

技術者として優れた技術開発を成功させただけでなく、自ら起業し新産業を創設。子育て中でありながら、大学院に通い、仕事でも第一線で活躍。優れた研究成果を導き出し、また理論だけでなく実際に商品開発、農業現場への普及を実現。女性の手で回せる農業を目指し、食の安全に敏感な主婦の厳しい視点が必要という方針のもと、スタッフは全員子育て中の女性を採用。一般的に厳しいといわれる農業の現場で、時間制約のある女性にも働きやすい午前中だけの作業としたり、腰を曲げない作業を可能とするなど女性が働きやすい環境を整えている。

奥野 美代子

福岡県認定農業者女性部会会長(福岡県)

男女共同参画社会の実現を目指して女性農業者による「元気な筑豊を目指す農業女性の会」を発足させ、地元市やJA等各機関に農業委員等への女性登用を働きかける等の活動を行いつつ、地域で女性の経営参画を推進し、県認定農業者女性部会を設立し会長となる等、ネットワークの構築に尽力している。さらに女性農業者の活動を促進させるため、JA女性部加工部に女性起業を働きかけ、弁当屋「旬菜ほなみ」を開業、売上げを順調に伸ばすなど、女性農業者の活躍の場を拡げただけでなく、地域の活性化にもつなげている。

(2)女性のチャレンジ支援賞 1件

特定非営利活動法人やまがた育児サークルランド(代表:野口比呂美)(山形県)

東日本大震災発生後、山形県には全国で最も多くの方が避難されているが、当該団体は、福島県からの避難者に母子世帯が多い現状に着目。こうした親子の孤立を防ぎ、避難先でも健全な子育てができるよう、交流の場としての「親子サロン」の開設、避難している母親らの育児サークルの立ち上げ・運営支援を県内各地で行うなど、避難している母親らの視点に立った迅速・的確な支援を行った。避難者の女性が自ら主体的に支え合い、活動・発信できる仕組みづくりを展開し、災害弱者となりがちな女性の声を避難者支援策に反映させることに貢献している。

(3)女性のチャレンジ賞 特別部門賞「防災・復興」 4件

井上 いほり

本荘まちづくり協議会会長(岐阜県)

地域防災・減災の活動を進める「本荘まちづくり協議会」の結成に尽力。さらに、自治会組織の会長は全国的にも男性が多い中、岐阜市50地域の自治会連合会長として初めての女性会長となり、女性ならではの視点を生かした自治会活動やまちづくり活動、また高齢者や障害者等への支援及び地域防災体制づくりを精力的に展開。特に、東日本大震災を機に、地域住民の見守りを重点課題とし、災害時の敏速な安否確認システムの構築と災害時要援護者支援マップを作成するなど、女性の感性を十二分に生かしたきめ細やかな活動を推進している。

佐野 ハツノ

いいたてカーネーションの会代表(福島県)

震災後、全村避難を余儀なくされた飯館村において、自ら被災者として苦境に立つ中で、これまで「商品」として認識されていなかった古着を利用した「までい着」や半纏などを製造、販売することで、放射能汚染により農業が継続できなくなった女性たちに、自ら質の高い商品を作ることができる担い手であることを気づかせ、自らの力で収入が得られるということを実証し、女性の経済的自立支援に貢献した。仮設住宅で避難生活を送る高齢女性の意欲と元気を取り戻すためのこうした取組は、県内外における復興活動のモデルにもなっている。

みやぎジョネット(代表:草野祐子)(仙台市)

東日本大震災後、女性たちへのエンパワメントを重視し、全国からの支援物資を、被災地の女性のニーズにあわせて確実に届けるなどの、被災地の一人ひとりの女性たちの心身の立ち直りへの支援に加えて、編み物等の技術を生かした物品の製品化や、津波で被害を受けた海産物販売の再開・起業支援、資格取得を目指す講座の実施など、被災地の女性の自立・復興を総合的に支援する活動を展開。さらに被災地の現状を全国に発信し、行政等への提言活動にも熱心に取り組むなど、他の女性支援の活動を牽引する役割を担っており、被災地における女性の復興に大きく貢献している。

特定非営利活動法人参画プランニング・いわて(代表:平賀圭子)(岩手県)

災害時に見過ごされがちな女性被災者のニーズに配慮した物資を届けたほか、阪神大震災や中越地震の経験から、被災地でDVや子育て不安などの悩みが増えることを想定し、女性専用のホットラインや大型スーパーでの女性専用窓口をいち早く開設した。また、被災女性を雇用し、仮設住宅で暮らす高齢者などを対象とした買い物代行を行いながら、商品を届ける際に被災者の安否や健康状態を確認するとともに悩み相談等にも対応する事業を展開するなど、行政支援が行き届かない部分を補う形で、民間団体ならではのきめ細かな対応を行っている。

<男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰>

海部 奏(東京都)

「男女共同参画による日本再生」をテーマとしたキャッチフレーズを募集し、応募総数2,921点の中から、審査の結果、海部奏さんの作品「あなたがいる わたしがいる 未来がある」を最優秀賞として、中川大臣から表彰した。

<男女共同参画に関する懇談会>

6月22日、男女共同参画に関する懇談会を総理大臣官邸において開催しました。野田内閣総理大臣、滝法務大臣、小宮山厚生労働大臣も出席し、表彰受賞者、男女共同参画に深い見識を持つ方々や各界で活躍する女性等約190名にお集まりいただき、意見交換を行いました。中川男女共同参画担当大臣は、「さらに女性が活躍をしていくという前提がなければ、この国は成り立っていかない。その危機感と男性が変わることが必要。」と挨拶しました。