「共同参画」2012年 6月号

「共同参画」2012年 6月号

取組事例ファイル/自治体編

滋賀県

一人ひとりが個性や能力を発揮できる男女共同参画社会に向けて

滋賀県では、平成23年に滋賀県男女共同参画推進条例制定10周年、県立男女共同参画センター開所25周年の節目の年を迎えるとともに、新たな県男女共同参画計画「新パートナーしがプラン」をスタートさせました。

この年に、新規に取り組みました二つの事業を紹介します。

ファザーリング全国フォーラム in しが

昨今のイクメンブームを単なるブームに終わらせることなく、固定的性別役割分担意識の変革や仕事と生活の調和推進の気運につなげていくため、NPO法人ファザーリング・ジャパンや滋賀県などの主催による全国初の「ファザーリング全国フォーラム」を本年2月17日~19日に滋賀県大津市で開催しました。「琵琶湖から発信!父親の笑顔、母親の笑顔、子どもの笑顔が社会を変える!」をテーマに、18のプログラムなどを男女共同参画の視点で実施し、イクメンや自治体、企業、学校、NPOの関係者など全国から延べ5,300人あまりの参加がありました。

最終日の「パパ首長サミット」では、育児休業取得経験のある男性首長8名が、男性の育児休業取得に向けた課題などを話し合い、男性の子育て参画やワーク・ライフ・バランスの推進を盛り込んだ「パパ首長サミット宣言」が採択されました。

本県では、このフォーラムの成果をしっかりと受け継ぎながら、男女共同参画社会の実現に向け、男性の家事・育児・介護参画を推進することとしています。

滋賀マザーズジョブステーション

働きたい、社会参画したいという意欲を持つ女性に対し、きめ細かな支援を行うため、昨年10月に滋賀マザーズジョブステーションを県立男女共同参画センター内に開設しました。

滋賀マザーズジョブステーションでは無料の託児室を用意し、出産や子育てにより離職した女性の再就職や仕事と子育ての両立に向けたアドバイス、就職活動時の一時保育、求人情報の提供や職業紹介などの就労支援をワンストップで実施しています。また、母子家庭等就業・自立支援センターを併設し、ひとり親の方には家庭の状況や適性、経験等に応じた就労支援を行うとともに、滋賀労働局により「ハローワークマザーズコーナー」が設置されています。

さらに、起業したい、コミュニティビジネスを始めたいという方には、社会的起業に向けての講座や実際にカフェやショップ経営などが実践できるチャレンジショップを実施して女性の自己実現に結びつくよう応援しています。また、継続して働きたい、キャリアアップしたいという方には、研修会やロールモデルの育成、働く女性のネットワークづくりなどの支援も実施しています。

市町との連携をはじめ、就職に関わる機関等とも関係を密にして女性の就労や多様な生き方を応援し、女性の意欲と能力が最大限に発揮され活躍できる場をひろげることにつなげたいと考えています。

(滋賀県総合政策部男女共同参画課)

ファザーリング全国フォーラム in しが「パパ首長サミット宣言」の様子
ファザーリング全国フォーラム in しが「パパ首長サミット宣言」の様子

滋賀マザーズジョブステーション開設式の様子
滋賀マザーズジョブステーション開設式の様子

滋賀マザーズジョブステーション全景(イメージ図)
滋賀マザーズジョブステーション全景(イメージ図)

滋賀県は日本のほぼ中央にあり、県の面積の約1/6を占める日本最大の湖「琵琶湖」の恵みや周辺の森林などの豊かな自然環境を有しています。また、内陸工業県として産業が集積しているとともに、歴史資源や文化・芸術環境にも恵まれています。美しい自然や景観、文化を地域が守ってきた伝統と知恵があり、「売り手よし、買い手よし、世間によし」という近江商人の「三方よし」の思想も現在に引き継がれています。