「共同参画」2012年 4・5月号

「共同参画」2012年 4・5月号

行政施策トピックス3

APEC横浜フォーラム:女性とリーダーシップ
経済産業省 アジア太平洋経済協力推進室

2010年、横浜にAPEC首脳が集い、アジア太平洋地域の経済に、女性の潜在力を更に活かすべきであることを公式に認識してから2年。同じ横浜の地で、国際女性デーにあたる3月8日(木)及び翌9日(金)、日本のイニシアチブにより、「APEC横浜フォーラム:女性とリーダーシップ」が開催されました。

昨年9月、米国・サンフランシスコで開催された官民連携の閣僚級会合「APEC女性と経済サミット」で採択された「サンフランシスコ宣言」に対する具体的な取組の記念すべき第一歩として、APECの枠組みでは初めて開催された国際会議です。経済を牽引する女性の活躍への期待を胸に、APEC19カ国・地域から、政府代表、女性ビジネスリーダー・起業家、研究者、アジア太平洋地域の次世代を担う学生など、300名の参加者が集まりました。

オープンシンポジウムでは、冒頭、中根康浩経済産業大臣政務官より、女性のリーダーシップは、組織と個人の意識を変え、組織的な障壁を変え、ワークライフバランスの課題を解決することで強化することができ、こうした課題の解決に向け、アジア太平洋の枠を越えて取り組むことを期待するメッセージが寄せられました。また、キンバリー・デイビスJPモルガン・チェース財団理事長及び林文子横浜市長の基調講演では、21世紀に求められるシニアリーダーシップのあり方やイノベーションの源泉としての女性のリーダーシップの可能性が語られました。さらに、パネルディスカッション「トップへの道のり」では、アジア太平洋地域の女性ビジネスリーダー4名から、トップの醍醐味やこれまでのキャリア人生が率直に語られ、会場に集まった女性たちに多様なロールモデルを提示する絶好の機会となりました。引き続き開催されたネットワーキング・レセプションでは、メラニー・バービア米国大使(国際女性問題担当)からのビデオメッセージのほか、アジア太平洋の各地から集まった参加者が、お互いの活動を紹介したりするなど、会場は熱気に包まれました。

2日間の議論の結果、より多くの女性がリーダーとして活躍できる社会を創るため、APECとして、以下を含む取組を進めることの重要性が広く確認されました。

●多様な価値観が広く存在することが、新しい発想の源泉となり、経済成長を勢いづけるための鍵となることの認識の共有。

●女性のリーダーシップ発揮に向けたAPEC各エコノミーでの成功事例、調査研究結果の共有。

●企業・組織や国境の枠を越えたネットワーキング。

今回の会合の成果は、6月にロシア・サンクトペテルブルグで開催される官民連携の閣僚級会合「APEC女性と経済フォーラム」に報告されるとともに、9月のウラジオストクAPEC首脳・閣僚会議でも議論される予定です。

林文子横浜市長による基調講演
林文子横浜市長による基調講演

女性ビジネスリーダーによるパネルディスカッション
女性ビジネスリーダーによるパネルディスカッション

300名が参加したオープン・シンポジウム
300名が参加したオープン・シンポジウム

APEC参加国・地域の政府代表による政策討論セッション
APEC参加国・地域の政府代表による政策討論セッション