「共同参画」2012年 2月号

「共同参画」2012年 2月号

取組事例ファイル/団体編

日本女医会

活動、男女共同参画に関する取組について

現在の会員数は1,595名(全国81支部)、役員は会長、副会長(3名)、理事20名、監事2名であり、女性医師支援委員会、子育て支援委員会、長寿社会福祉委員会、National

Coordinatorを組織して諸事業を行ってまいりました。主な活動は吉岡彌生賞・荻野吟子賞による表彰、学術研究助成、「十代の性と健康」指導者養成講座(2001年)、女子医学生のための夏期セミナー(2002年)、男女共同参画の取り組みや管理職部門の女性医師割合および女性医師の専門医取得率などの調査、卒後11~15年目の男女医師を対象とした労働実態に関する調査(2003年)、第26回国際女医会議開催(東京、2004年)、小児救急マニュアル本:どうしよう子供の救急を作成(2006年)、痰の吸引を安全に実施するための教育講習事業(2006年)、医学を志す女性のためのキャリアデザインセミナーおよびシンポジウム(2007年~毎年開催)、十代の性の健康ネットワーク(ゆいネット)(2008年~2010年)、在宅高齢者の栄養管理事業(2008年~2009年)、日本・アラブ女性交流公開フォーラム開催(掛川、東京、2008年)、ワーク・ライフ・バランスのとれる労働環境の整備・保育環境の整備・男女平等な教育の提供に関する要望書提出(2009年)、2010APEC女性リーダーズネットワーク会合参加(2010年)、東日本大震災寄付(2011年)等です。さらに、世界88カ国10万人が参加している国際女医会に所属して活動し、国際女医会会長を2名輩出しています。対外的には男女共同参画推進連携会議、国際婦人年連絡会、国連NGO国内婦人委員会等に所属し、情報交換・親睦を図っています。

厚生労働省調査によると、2010年12月31日現在の全国届出医師数は29万5,049人であり、男性23万9,152人(総数の81.1%)、女性5万5,897人(同18.9%)となっています。このような現状において、男女医師の働く環境を整備し、医師自らも健康でキャリアを積み、国民の皆様に良い医療を提供することが私達の使命と考えています。「医学を志す女性のためのキャリア・シンポジウム」においては、全国各地の女性医師支援に関する情報提供、先輩医師たちによるメンターシップを行い、若い女性医師および医学生がそのモチベーションを高め、21世紀の医療の担い手として大きく羽ばたいて活躍して頂けることを願っています。十代の性の健康ネットワーク(ゆいネット)活動として2011年11月には男女共同参画推進連携会議からの助成をいただき、講演会「女性への性暴力を防ぐ」を開催することができました。

これらの活動に加え、女性や子供の医療を中心に、最新の治療や医療上のトピックスをホームページ上で解説する「新しい治療とトピックス」は、研修医・専門分野外の医師や一般人の皆様に最新の医療の理解と促進を図ることを目的としています。また、学術研究助成受賞者の「学術研究助成受賞者の軌跡」を掲載することを通して、若手女性医師の研究支援も行っております。

日本女医会は男女共同参画社会の実現と医療の向上を目指し、様々な分野の方と協力して参りたいと願っています。今後ともご指導、ご支援をお願い申し上げます。

 日本女医会は女性医師相互の研鑽・親睦および地位の向上を目的として、当時全国で医術開業試験に合格した前田園子、吉岡彌生ら約100名の女医により1902年(明治35)に創設されました。1913年(大正2)に「日本女医会雑誌」を創刊し、1969年には社団法人の認可を受けて現在に至っています。21世紀の日本の医療を担う女性医師、女子医学生に創設時の高い志を継承し、共に社会的使命の遂行、福祉の増進ならびに地域医療等の社会活動、国際交流・親善等を目的として活動したいと考えています。