「共同参画」2011年 12月号

「共同参画」2011年 12月号

連載 その2

平成24年度概算要求 新規事業
「男女共同参画社会の実現の加速に向けた学習機会充実事業」について

文部科学省

1.はじめに

平成24年度の予算編成については、以下のホームページに掲載されているとおり、文部科学省においても概算要求事項をとりまとめたところです。

http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h24/1311666.htm

今回は、文部科学省の平成24年度概算要求において、男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実のための新たな事業として計上している「男女共同参画社会の実現の加速に向けた学習機会充実事業」について、その検討の背景や内容をご紹介します。

2.検討の背景

男女共同参画社会の実現の加速に向けて、第3次男女共同参画基本計画においては、(1)女性の活躍による経済社会の活性化、(2)男性、子どもにとっての男女共同参画、(3)地域における身近な男女共同参画の推進があらためて強調されています。

また、現代社会においては、人口減少と労働力人口の減少による人材の多様化と潜在的な女性・高齢者等の労働力への期待の高まり、非正規雇用や収入カットによる経済力の低下等による生涯非婚率の上昇、地域コミュニティの共同性が崩れたことにより、地域社会が成り立たなくなっているという状況があります。現に、東日本大震災により、人々のつながりと支えあいが見直され、復興への提言においてもこれまで地域に居場所を見出せなかった若者や、孤立しがちな高齢者・障害者、声を上げにくかった女性などが、震災を契機に地域づくりに主体的に参加することが重要であるとされ、とりわけ、男女共同参画の視点は忘れてはならないとされたところです。

そこで、文部科学省の平成24年度概算要求では、このような状況を踏まえ、東日本大震災を教訓に地域づくりの意思決定を行うレベルにおいても自らの力を発揮できるような女性人材の育成や男性を対象とした男女共同参画の学習機会の充実を図る本事業を新たに要求することとしました。

3.本事業の内容

(1)地域づくりに参画する女性人材の育成のための学習機会の充実

「地域づくりに参画する女性人材の育成のための学習モデル」検討委員会(仮称)を設置し、東日本大震災の教訓を踏まえ、男女共同参画の視点を地域づくりに反映できるような女性人材の育成を図るための学習プログラム等の検討を行います。また、この検討に当たって、意思決定のレベルに参画する女性の人材育成について好事例を収集するとともに、女性の人材が不足している地域活動の課題等の分析を行うための調査を実施します。

(2)男性を対象とした男女共同参画についての学習機会の充実

「男子学生を対象とした男女共同参画ワークショップ」実施委員会(仮称)を設置し、男子学生を対象としたワーク・ライフ・バランス、キャリアプランニング、ライフプランニング等について学ぶためのワークショップの手法・内容について企画します。また、その企画を基に、大学等との連携の下、男子学生を対象としたワークショップを全国で実施するとともに、その結果を検証・分析します。