「共同参画」2011年 10月号

「共同参画」2011年 10月号

行政施策トピックス

宮城復興・女性シンポジウム~女性の視点で具体的な復興を!~

平成23年8月24日(水)、宮城県仙台市せんだいメディアテークオープンスクエアにおいて「宮城復興・女性シンポジウム」を開催しました。

東日本大震災に関して、女性の視点を反映した復興策や女性の就業や起業支援を進めるため、被災地の女性団体代表者や女性起業家等が、女性の活躍についての意見を表明し、東北・宮城から女性のパワーを発信することを目的に開催し、270名余りが参加しました。

冒頭、末松義規 内閣府副大臣(宮城現地復興対策本部長)(当時)、三浦秀一 宮城県副知事、奥山恵美子 仙台市長の挨拶の後、なでしこジャパンからのビデオメッセージを紹介しました。続いて、藤沢久美 シンクタンク・ソフィアバンク副代表をコーディネーターとして、「女性の視点でこれからの復興を考える」というテーマで討論会を行いました。末松副大臣、奥山仙台市長、宗片惠美子 NPO法人イコールネット仙台代表理事、山田昌弘 中央大学教授、横山英子 仙台経済同友会幹事が、それぞれの立場から、震災以降これまでの5か月半の取組と今後の経済活動を含めてどんなことが必要なのか等、復興への考え方について女性の視点から討論しました。

  • 挨拶する末松副大臣(当時)
    挨拶する末松副大臣(当時)
  • 挨拶する三浦副知事
    挨拶する三浦副知事
  • 挨拶する奥山市長
    挨拶する奥山市長
  • 討論会の様子
    討論会の様子

末松副大臣からは、国の取組と、起業をはじめ女性が地域で雇用を創出するための支援について、奥山市長からは、子育て支援をしっかり行うことが、今後の復旧・復興において働く女性、男性を応援することになるとの話がありました。宗片代表理事からは、女性たちが復興の担い手として活躍できる仕組みづくりの大切さと仮設住宅の中にコンビニエンスストアや美容院などができれば雇用の場をつくることにもなるとの話がありました。山田教授は、女性のつながる力と再チャレンジが生活の再建のモデルになっていくと発言しました。横山幹事は企業の支援の事例と被災企業再開支援活動を紹介しました。

次いで行われた意見発表会の1部では、「女性の起業支援」として、東園絵 ジャパンポートLLP代表、浦沢みよこ 株式会社インターサポート代表取締役、平賀ノブ 宮城県商工会議所女性会連合会会長、横田響子 株式会社コラボラボ代表取締役の4人の起業家の女性が意見を発表しました。

意見発表会(1部)の様子
意見発表会(1部)の様子

2部は「女性による支援&復興」として、木村律子 JAみやぎ亘理女性部部長、鈴木玲子 気仙沼市婦人会会長、中里佐智代 宮城県看護協会第二副会長、中村敦子 仙台青年会議所JC運動発信委員会委員長、萩原なつ子 立教大学教授/日本NPOセンター常務理事(元宮城県環境生活部次長)、樋渡奈奈子 宮城県女医会理事の6人の女性が、復興についてそれぞれ意見発表を行いました。

意見発表会(2部)の様子
意見発表会(2部)の様子

その後、会場からも、「政府の職員は被災地の現実を見てほしい」「ICTによる在宅ワーク」等、国に対する意見や自身のアイデアが出されました。

全体を通じて、女性をはじめとする被災地の方々が置かれた多様な状況・ニーズを把握することの重要性、地域の内外を通じた「つながり」を創り出す力に優れた女性が復興において大きな役割を果たし得ること、そのためには、女性の起業活動等の取組の支援や子育てのバックアップ等により、女性が十分に力を発揮できるよう条件整備を図ることが不可欠であることなどが指摘されました。

最後は、会場に駆け付けられた岡崎トミ子 元内閣府男女共同参画担当大臣の音頭で、参加者全員が一体となってエール交換し、会場は熱く閉会となりました。