「共同参画」2011年 9月号

「共同参画」2011年 9月号

行政施策トピックス

男女共同参画推進連携会議の今年度活動について
内閣府男女共同参画局総務課

【第29回男女共同参画推進連携会議全体会議】

平成23年8月5日(金)、総理大臣官邸において、第29回男女共同参画推進連携会議全体会議が開催され、枝野幸男内閣官房長官、与謝野馨内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)、男女共同参画を担当する林久美子文部科学大臣政務官が出席しました。

会議冒頭に、枝野官房長官から、「東日本大震災を踏まえて、防災や復興においても、男女共同参画の視点を大きな要素として取り入れ、しっかり取り組んでいかなければならない」、与謝野大臣から、「優秀な女性が、政治・社会・経済・スポーツ・文化等の面であらゆる障壁を乗り越えて更に活躍してほしい。復旧・復興においても、政府としてしっかり取り組んでいきたい」旨の挨拶がありました。

会議では前回の全体会議で決定・設置された3つの小委員会における活動経過と、今年度に計画している「国・地方連携会議ネットワークを活用した男女共同参画推進事業」の一部の実施予定内容について、共催者の日本BPW連合会、日本ヒーブ協議会、ガールスカウト日本連盟より、発表がありました。

その後、男女共同参画関連施策に係わる最近の動きとして、男女共同参画の視点からの防災対応、女子差別撤廃委員会最終見解フォローアップ項目、男女共同参画白書の特集(ポジティブ・アクション)について、内閣府から説明がありました。

<男女共同参画推進連携会議における小委員会活動>

平成23年2月14日の男女共同参画推進連携会議全体会議において、男女共同参画推進の課題である「女性の経済活動」、「ポジティブ・アクション」、「女性に対する暴力をなくすための啓発」に関して、3つの小委員会を設置し、実践的な活動を行っていくことが決定されました。その後、有識者議員と団体推薦議員が自主的に参加し、小委員会活動がスタートしました。小委員会は、3月下旬にそれぞれ第1回会合が開催され、委員長・副委員長の決定及び今後の小委員会の位置付け・活動の方向性等が話し合われました。また第2回会合では各団体の取組等が発表され、今後の活動内容等について情報・意見交換がなされました。各小委員会は活動期間を1年程度として、四半期に一回程度開催する予定です。それぞれの小委員会の活動内容などについては次のとおりです。

「女性の経済活動小委員会」は、國井委員長、高橋副委員長をはじめ、有識者議員7名と団体推薦委員13名から構成されています。活動内容は(1)女性の活躍の推進として国内への啓発、国内ネットワークの構築、ポジティブ・アクションの推進、(2)2010APEC女性リーダーズネットワーク(WLN)日本委員会発起人会と連携して、意見交換を行ったり、2011 APEC WESの報告会やシンポジウムの共催を行うことなどを予定しています。

「ポジティブ・アクション小委員会」は、黒田委員長、河野副委員長をはじめ有識者議員5名と団体推薦委員11名から構成されています。活動内容は、(1)「2020年30%」に向けての推進施策の周知として、各種シンポジウム等のイベントにおけるパンフレット配布・周知、連携会議構成団体や関係団体へのパンフレット配布・周知の働きかけ、(2)各団体の取組の奨励と、実績報告等として団体役員、団体傘下・加盟企業、関係団体における女性の積極的登用の働きかけ、連携会議構成団体の取組の取りまとめと報告などが予定されています。

「女性に対する暴力をなくすための啓発小委員会」は、大日向委員長、南副委員長をはじめ、有識者議員6名と団体推薦委員18名で構成されています。活動内容は(1)女性に対する暴力をなくすための啓発活動の推進として、各種イベント等における啓発用パンフレット・リーフレットの配布・周知、(2)各団体の取組奨励と実績報告として、連携会議構成団体の取組を取りまとめ、情報共有、連携について検討、若年層に対する予防啓発活動の推進、「女性に対する暴力をなくす運動」における各団体の取組、連携会議構成団体における啓発活動が予定されています。

【23年度 国・地方連携会議ネットワークを活用した男女共同参画推進事業】

 内閣府では、男女共同参画の課題に関連したセミナー、シンポジウム、これらに類する研修会・学習会・出前授業等の開催や、これらの会合用の普及・啓発用の教材等を公開することにより、男女共同参画推進連携会議の構成団体だけでなく、一般の人々が、男女共同参画の推進課題の理解を深めることが重要であると考えています。19年からスタートした、内閣府と男女共同参画推進連携会議の構成団体等との共催事業として(年度によって事業名は異なる)、今年度は、小委員会の活動に合わせて、以下の3つのテーマを取り上げました。

「女性の経済活動」は、我が国にとって非常に重要な課題であり、第3次計画においても、「女性の活躍による経済社会の活性化」を改めて強調しており、WLN会合では、(1)女性のキャリア構築、(2)女性による起業、(3)女性のための新たな経済機会の創出を柱とした女性と経済活動に関する提言が採択され、APEC首脳宣言、成長戦略、閣僚共同声明に反映されました。

「ポジティブ・アクション」については、第3次計画において、「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標の達成に向けて、取組の強化・加速が不可欠であり、分野や実施主体の特性に応じて、実効性のある積極的改善措置(ポジティブ・アクション)を推進することとしています。同計画には、各重点分野で期限と達成目標を掲げた成果目標を設定しています。

「女性に対する暴力をなくすための啓発」については、男女共同参画社会を形成していく上で克服すべき重要な課題である「女性に対する暴力」を根絶するために、社会的認識の徹底等根絶のための基盤整備を行うとともに、配偶者からの暴力、性犯罪等、暴力の形態に応じた幅広い取組を総合的に推進することが必要である旨、第3次計画で改めて強調しています。

これらの動向を踏まえて、上記3つのテーマのいずれかに関連したセミナー等を開催する団体を募集・審査した結果、10団体10件(「女性の経済活動」5件、「ポジティブ・アクション」3件、「女性に対する暴力をなくすための啓発」2件)と共催することになりました。

共催事業(セミナー等)については、10月以降に順次実施します。

  • 会議冒頭で挨拶する枝野官房長官
    会議冒頭で挨拶する枝野官房長官
  • 挨拶する与謝野大臣
    挨拶する与謝野大臣
  • 挨拶する林大臣政務官
    挨拶する林大臣政務官
  • 報告する國井委員長(女性の経済活動小委員会)
    報告する國井委員長(女性の経済活動小委員会)
  • 報告する黒田委員長(ポジティブ・アクション小委員会)
    報告する黒田委員長(ポジティブ・アクション小委員会)
  • 報告する大日向委員長(女性に対する暴力をなくすための啓発小委員会)
    報告する大日向委員長(女性に対する暴力をなくすための啓発小委員会)
  • 説明する松原議員(日本BPW連合会)
    説明する松原議員(日本BPW連合会)
  • 説明する高野議員(日本ヒーブ協議会)
    説明する高野議員(日本ヒーブ協議会)
  • 説明する浅野議員(ガールスカウト日本連盟)
    説明する浅野議員(ガールスカウト日本連盟)
  • 熱心に耳を傾ける議員
    熱心に耳を傾ける議員