「共同参画」2011年 2月号
巻頭言 家庭科を大学入試の受験科目にしたらどうか
家庭科を大学入試の受験科目にしたらどうかと思っている。
突拍子もないことを、と思うだろうが、どうしてなかなか家庭科はふところの深い教科なのである。子育て介護から、衣食住や環境問題まで、生活現場で人間や社会について考えさせる教科である。だから自分でテーマをみつけて調査したり仮説を立てて検証したりする材料がふんだんにある。
発達心理学的な実験もできる。社会調査の方法でいろいろな調査ができる。心理学や環境学やNPO論や、今日的な学問分野に直結している。ほかにこんな教科があるだろうか。
ところが、である。いま全国の進学校で家庭科の履修単位数が減らされている。残念だ。
何かできないかと思い、昨年、高等学校の家庭科教科書を読んでもらい、その感想を尋ねるという調査をおこなった。結局、約350人の成人男女に聞くことができた。
結果は予想通り。多くの人が、思っていたよりずっと大切なことが書いてあると感じ、家庭科の授業時間数削減に反対だった。わが意を得たり、の思いを強くした。
家庭科が大切にされるには大学受験科目になるのがいちばんだ。そう思って同僚教授たちに話をするが、だれも賛同してくれない。これまた、はなはだ残念である。
中央大学法学部教授
広岡 守穂
主な予定
2月22日~3月4日 | 第55回国連婦人の地位委員会(CSW)・(ニューヨーク) |
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3月8日 | 国際女性の日 |
3月10日 | 農山漁村女性の日(主唱:農林水産省) |