「共同参画」2010年 10月号

「共同参画」2010年 10月号

連載 その2

こんにちは!厚生労働省です。
~雇用の分野における男女共同参画の取組をご紹介します~
パートタイム労働者の均衡待遇の確保の推進について

厚生労働省

パートタイム労働者は、平成21年には1431万人と雇用者総数の約4分の1にも達しており、職務内容についても、基幹的役割を担うパートタイム労働者も増加しています。一方、パートタイム労働者の待遇がその働き・貢献に見合ったものになっていない場合もあり、働き・貢献に見合った公正な待遇を確保することが課題となっています。

そのため、厚生労働省においては、賃金等の待遇に関し、正社員と同視すべきパートタイム労働者については、差別的取扱いを禁止する改正パートタイム労働法に基づき、事業主に対して行政指導を実施するとともに、専門家による相談・援助や事業主に対する助成措置を充実するなど、通常の労働者と均衡のとれた待遇の確保、正社員転換の実現のための取組を推進しています。

○パートタイム労働法の施行状況

平成21年度のパートタイム労働に関する相談件数は5,222件であり、その内訳は、事業主からの相談が57.0%(2,978件)、パートタイム労働者からの相談が24.3%(1,270件)を占めています。相談内容では、「通常の労働者への転換推進措置」、「労働条件の文書交付等」、「差別的取扱いの禁止」に関するものが多くなっています。

都道府県労働局雇用均等室における指導については、平成21年度は、13,992事業所に対し報告徴収(注1)を実施し、このうち何らかのパートタイム労働法違反が確認された12,172事業所に対し、25,928件の是正指導を行いました。是正指導の内容としては、「通常の労働者への転換推進措置」、「労働条件の文書交付等」に関するものが多くなっています。

 (注1)報告徴収=事業所への現地実情調査等を行うことのほか、法の施行に関し必要な事項につき事業主から報告を求めることをいいます。

○短時間正社員制度の導入・定着

短時間正社員とは、就業時間(日数)が短いながら正社員として働いている人たちのことです。短時間正社員制度は、育児や介護との両立、傷病からの復帰、自己啓発活動への参加など個々人のライフスタイルやライフステージに応じた多様な働き方を実現する制度として、また企業にとっては、人材の確保・定着、組織の活性化等に効果が見込める人事制度として、その普及や定着が期待されています。

厚生労働省では、短時間正社員制度の導入・運用に取り組む企業を支援するため、短時間正社員制度の導入マニュアルの作成、制度を導入した企業の事例等の情報発信を行うホームページ「短時間正社員制度導入支援ナビ」の運営、人事労務担当者を対象としたシンポジウムやセミナ-、簡易コンサルティング等を行っています。詳しくは「短時間正社員制度導入支援ナビ」(http://tanjikan.mhlw.go.jp/)をご覧下さい。

短時間正社員制度のキャラクター「ハーモ」と「モニー」です
短時間正社員制度のキャラクター「ハーモ」と「モニー」です

○短時間労働者均衡待遇推進等助成金の拡充等

企業におけるパートタイム労働者の均衡待遇や短時間正社員制度の導入を促進するための助成金も支給しています。パートタイム労働者と正社員の共通の評価・資格制度やパートタイム労働者の正社員への転換制度等を導入した事業主は、短時間労働者均衡待遇推進等助成金を受けることができます。また、平成22年度からは、短時間正社員制度の導入促進に対する助成金について、支給額を増額するなど、その活用の促進を図っているところです。詳しくは、(財)21世紀職業財団ホームページ(http://www.jiwe.or.jp/part/index.html)をご覧下さい。