「共同参画」2010年 4・5月号

「共同参画」2010年 4・5月号

取組事例ファイル/団体編

地域に人を残す、豊かな地域づくりに向けた企業づくり
中小企業家同友会 全国協議会

中小企業家同友会全国協議会(以下、中同協)は、中小企業家が自主的に参加する中小企業家同友会(47都道府県)の協議体です。今年4月の全国会員数は41,169名(うち女性約10%)となり、最高会員数を更新しました。

地域ごとの月例会や、経営指針(経営理念、方針、計画)、共同求人・社員教育活動、セルフアセスメントツールなどで、企業の社会的責任を経営者が自覚し、社員をパートナーとして、全社一丸経営に向けた企業づくりを行っていること。地域崩壊の危機感から「同友会で学び、地域の雇用を守る企業を多く作っていこう」と、積極的に会員自身が会員を増やしていることが主な要因です。

また、「中小企業憲章」や「中小企業振興基本条例」制定を推進。会内のグループウエアを立ち上げ(会員経営者30,534名が登録)、情報を共有しています。

これらの活動のひとつが女性部活動です。女性経営者、経営者夫人、女性幹部社員で構成され、2009年は34都道府県2,631名が参加。生活者の視点での企業づくりや地域づくりの報告に学ぶ場をつくっています。

中同協ではこれら女性部の経験交流を図る「女性部連絡会」を設置。年2回の会合や「女性経営者全国交流会」(隔年開催、参加規模400~800名)を開催しています。

「ワーク・ライフ・バランス」を企業の「働かせ方」の問題としてとらえ、同友会がめざす企業づくりの実践が「ワーク・ライフ・バランス」の取り組みであるとして、2007年3月の連絡会会合で学習。それ以来、毎年これをテーマに、中小企業として取り組む意義や会員企業の実践事例に学ぶ場(3回のべ162名参加)を持ちました。これを契機に地域ごと(10同友会)にも本テーマを冠した学習会や経験交流が広がっています。

また、「女性経営者全国交流会」は、男性経営者の参加が増え、昨年6月に青森で開いた第13回交流会(36都道府県443名参加)は30%を超えました。

「女性の生活者の視点で、これから商品やサービスを提供することが大事だと感じた」「女性が働く環境を整え、人材育成と社員を大切にすることで『仕事も取れる』ことが分かった」などの感想も寄せられ、男女共同参画に寄与し、積極的に評価されています。

2008年2月には内閣府の「ワーク・ライフ・バランスシンポジウム」(東京)で、分科会を担当。08年1月は鹿児島、09年2月は広島で、内閣府との共催企画を実施。今年のAPEC女性リーダーズネットワーク会合では、分科会を担当し、生活者の視点で仕事をつくり、雇用を支える女性経営者の国際的なネットワークづくりに貢献したいと考えています。

都道府県ごとの中小企業家同友会でも、都と共催のワーク・ライフ・バランスシンポジウム(東京)や県の「女性チャレンジ支援事業」(埼玉)を実施、「仕事と家庭の両立支援企業」(広島)や「子育て応援宣言企業」(福岡)の登録を促進する、県の男女共同参画委員を推薦するなど、さまざまな取り組みを行っています。

  • WLB推進フォーラム・広島
    WLB推進フォーラム・広島
  • 第13回女性経営者全国交流会
    第13回女性経営者全国交流会
  • 中同協女性部連絡会会合
    中同協女性部連絡会会合

中小企業家同友会全国協議会(中同協)/

47都道府県の中小企業家同友会による協議体。1957年4月26日に日本中小企業家同友会(現東京中小企業家同友会)として東京で創立。全国協議会は1969年11月17日に5同友会、会員数700名弱で結成。2010年4月現在の全国会員数は41,169名。「よい会社をつくろう、よい経営者になろう、よい経営環境をつくろう」という3つの目的と「自主・民主・連帯」の精神のもと、国民や地域と共に歩む中小企業づくりを大事にしている。