「共同参画」2009年 10月号

「共同参画」2009年 10月号

取組事例ファイル/企業編

中部電力株式会社 「女性活躍推進室」発進

当社は、多様な人材がそれぞれの個性を尊重しあい、能力を十分に発揮して働くことは企業の持続的成長のために必要不可欠だと考えています。

特に、「女性活躍推進」を経営上の重点課題と位置づけ、「女性をはじめ個人の能力が十分に発揮できる企業風土の醸成及び組織の活性化を図る。」こととし、平成19年7月に「女性活躍推進室」を設置し、取り組んでいます。

取組を始めて3年目。この2年間は、当社が女性活躍推進を進める意義の理解浸透に重点を置いた施策を展開してきました。

いきいきと働くことを考える

まず取り組んだことは、女性活躍推進をみなさんに理解してもらうことです。そのために、「いきいき働くことをみんなで考えよう」をテーマに「女性活躍推進に向けた全社セミナー」を実施しました。対象者は、女性社員とその直属の上司。女性社員は1,300人(約8割)、直属の上司は830人が参加しました。ディスカッションでは、活発に意見交換がなされ、取組に対する理解とこのテーマに対して考え、行動する良い機会になったと思います。

余談ですが、女性比率が高い営業所では、「女性が職場からいなくなる日」となり、改めて女性の存在感を実感する日にもなったようです。

制度面では、昨年と今年に育児休職制度等が見直され、働き方について選択の幅が広がるなど、より柔軟性の高いものになりました。その中で、育児休職の一部有給化(ライフ・サポート休暇の充当)もあり、これまでに、男性の育児休職取得者が11人誕生しています。

その他、「女性の職域拡大とキャリア形成」をテーマにした検討ワーキングや円滑な職場復帰を目的とした「職場復帰支援セミナー」等を実施しています。

中部地域の企業が連携して推進

中部ダイバーシティNetは、平成19年1月に、中部地域の企業が連携し情報や各社の取組事例を共有することによって、人材の多様性を認め尊重する企業風土を醸成することを目的として発足しました。現在、幹事企業4社(INAX、デンソー、豊田通商、当社)を中心に、?中部産業・地域活性化センターの支援も得ながら活動しています。内容は、勉強会、フォーラム、異業種合同研修、経営者向けの講演会等です。

自社だけでは、得ることができないような情報や課題を解決するヒントを得ることができるなど、大変、有意義な活動となっています。

次のステージに向けて

今年度は、意識調査等により3年間の活動の振り返り(評価)を行う予定です。今後は、意識改革と並行して個々の行動に繋がるような施策を検討、実施したいと考えています。キーワードの1つは、「自律と選択」。女性に限らず、自分のキャリアや働き方について、自分の軸をしっかり持ち、主体的に行動すること、そして、自分で選択していくことが大切だと考えています。

(人事部女性活躍推進室)

  • 女性活躍推進室の取組3つの柱
  • 「女性活躍推進に向けた全社セミナー」の風景
  • 女性活躍推進室のホームページ「@C-Walker」

会社概要/中部電力株式会社

●1951年5月1日設立 ●本店所在地:愛知県名古屋市 ●主な事業内容:電気事業およびその付帯事業、ガス供給事業、蓄熱受託事業、分散型エネルギー事業、海外コンサルティング・投資事業、不動産管理事業、IT事業など ●従業員数:(平成21年3月末時点)16,266名(男性14,624名・女性1,642名)