「共同参画」2009年 5月号

「共同参画」2009年 5月号

取組事例ファイル/企業編

株式会社北陸銀行 北陸銀行とワーク・ライフ・バランス

北陸銀行では、全行員の約3分の1が女性行員であり、各部門で活躍しています。そのような中で、出産・育児という人生の重要な出来事に際しても、安心して仕事との両立を図ることができる職場なのだと行員に感じてもらうために、ワーク・ライフ・バランス推進策の検討を開始しました。

検討に際して念頭に置いたのは、行員のニーズに合わない、「使いにくい・使いたくない」ものにはしたくないということでした。また、ワーク・ライフ・バランスへの取り組み状況の一指標として、育児休業取得率が用いられることがありますが、家庭の中に祖母等、育児をサポートできる家族がいるケースが少なくないこともあって、北陸銀行では、産後休暇の後、育児休業は取得せずに復職される方が多数おり、「高・復職率」「低・育児休業取得率」の状況にありました。しかし、行員自身の考え方や、環境を踏まえた「選択」を重視するべきと考え、「育児休業取得率」を高めること自体は目標とせず、育児・出産に際して行員が取りうる「選択肢」を拡充することに徹するとのスタンスを明確にし、検討の軸がぶれないようにしました。

「ワーク・ライフ・バランス検討委員会」の立上げ

「使いやすい・使いたい」制度とするために、一般的に考えられる選択肢も参考にしましたが、あくまでも「北陸銀行の行員のニーズ」を踏まえることが重要でした。そのために、北陸銀行職員組合と銀行間で、「ワーク・ライフ・バランス検討委員会」を新しく設立し、議論を重ねました。これにより、行員の生の声・ニーズを、幅広く吸収することができたと同時に、委員会開催の都度、議論の内容をタイムリーに全行員に周知したことで、ワーク・ライフ・バランスに対する北陸銀行の取り組み姿勢を、早い段階から行員に感じてもらうことができたと考えています。

「北陸銀行Better Work, Better Life宣言」

H19.7.1に、北陸銀行のワーク・ライフ・バランス推進に向けた考え方と諸施策を、「北陸銀行Better Work, Better Life宣言」としてまとめ、全行員に公開しました。

具体的な内容としては、「育児休業の一部を有給化」「短時間勤務制度を新設」「看護休暇を中学校就学まで有給化」「制度休暇を年間9日から11日へ拡充」などであり、従来制度に較べて踏み込んだ内容としましたが、それに加え、銀行のワーク・ライフ・バランス推進に向けた考え方を明確にし、「宣言」の形で示したことで、行員の共感がより強く得られたと考えています。また、同宣言はニュースリリースやホームページへの掲載により銀行外へも発信しましたが、特に入行志望者から大きな反響がありました。

制度の新設は出発点に過ぎず、制度を活用し易い職場風土の確立が重要です。現在、管理職へのワーク・ライフ・バランスに関する研修の実施や、ワーク・ライフ・バランス検討委員会での制度活用状況・追加施策に関する議論を継続的に行なっており、「北陸銀行Better Work, Better Life宣言」の組織への浸透・定着を図っているところです。

女性行員懇談会 「北陸銀行Better Work, Better Life宣言」マスコットキャラクター

会社概要 株式会社北陸銀行 本店所在地:富山県富山市 創業:明治10年持株会社である、株式会社ほくほくフィナンシャルグループの子会社 従業員数(2009年3月末現在):2,568名(内訳:男性1,694名・女性874名)ネットワーク(2009年3月末現在):国内186・海外3