「共同参画」2009年 4月号

「共同参画」2009年 4月号

取組事例ファイル/企業編

株式会社太陽商工 「きつい・汚い・危険」から「期待・希望・輝き」の3Kへ

弊社は昭和42年の設立ですが、当初より男性中心の建設業界にあって、早くから女性の活用に力を入れてきました。工場での作業をはじめ、現場監督まで女性社員を登用しました。後にはCAD(コンピューターを用いた設計支援システム)による図面作成も女性スタッフで固めました。

しかし、バブル期には仕事が豊富にあり、決算期には夜遅くまでの勤務が恒常化しておりました。その様な状況下、先代社長は「きつい・汚い・危険」の3Kから脱却し、「期待・希望・輝き」の3Kを目指し、平成4年に業界に先んじて週休2日制を導入しました。社員の資格取得支援や福利厚生の充実など、男女を問わず働きやすい環境づくりに努めたことで、社員の定着率は同業他社に比べて高く、現業現場を敬遠しがちな若手社員の採用も順調に進みました。

たとえ高給ではなくても、社員から支持される経営はある

その後、世の中はバブル景気がはじけて、景気は下り坂となり、中小企業では高賃金で社員に報いることは厳しい状況が続きました。そこで、社員の資格取得支援を更に充実させ、制服の洗濯の費用を会社が負担するなど就業規則の見直しを含め、社員が少しでも働きやすい職場環境の整備に努めてきました。最近では配偶者の出産に際し、父親の慶弔休暇を従来の2日から5日に増やしました。大型連休(連続8日間)を年3回制定し、フレックスホリデーとしました。社員の都合で前後自由に休日を設定出来ます。かつて資格取得を支援した社員が取得後間もなく退社し、同業他社で活躍するという事もありましたが、業界の向上に役立っていると思えば、それもまた良しと考えています。

また、建設関係の業界では、どうしても残業が多くなりがちです。業務の簡素化を図っている折、社員から1人1台のパソコンをとの声がありました。社員の業務の効率化が実現出来、残業時間の短縮も可能となるならとの思いで2年前に導入しました。長期的に見れば、業務の効率化と共に社員のモチベーションが上がり、一時の投資も必ず会社にとってプラスとなります。様々な支援についても同様に考えています。

互いにサポートし合う企業風土が大切

親の介護や小中学校に通学する子供を持つ女性社員が授業参観、進路相談等の学校行事に参加するため、数時間職場を抜ける際も、周囲の社員は抵抗なく受け入れています。社員の間で「困った時はお互い様」の気持ちで、抜けた社員の仕事を皆で補うといった職場風土が定着しております。

今後は、親の介護が大きな問題なると思います。就業規則には法定通りの規定が設けられていますが、該当者が出た場合には、規定に捉われず、社員個々の必要とする支援について、柔軟性を持って対処していきたいと考えております。

中小企業における福利厚生制度の充実は、社長の覚悟一つだと思っています。社員との距離が近いからこそ、社員がその時々で困っていることを身近で感じ、社員にとって良いことは即断即決で行うことができます。

株式会社太陽商工 株式会社太陽商工

会社概要/株式会社太陽商工 ●設立:昭和42年4月●従業員数:52名●事業内容:給排水・衛生設備工事及空調設備工事、建築工事、リフォーム工事●所在地:さいたま市緑区上野田574-3●URL:http://taiyo-syoko.jp/