「共同参画」2009年 4月号

「共同参画」2009年 4月号

行政施策トピックス 4

第53回国連婦人の地位委員会(CSW)の開催 内閣府男女共同参画局総務課

第53回国連婦人の地位委員会(CSW)が平成21年3月2日から3月13日まで国連本部(ニューヨーク)で開催され、我が国政府代表団として、目黒依子日本代表(上智大学教授)ほか計16名が出席しました。

 会合では、我が国も含む各国代表や国連機関、NGO代表等によるステートメントの発表、「HIV/AIDSのケア提供を含む男女間の平等な責任分担」をテーマとしたハイレベル円卓会合及び対話型専門家パネル、「あらゆるレベルの意思決定過程における女性と男性の平等な参画」(第50回国連婦人の地位委員会合意結論)の実施進捗状況の評価に関する対話型専門家パネル、「新たな問題:金融危機におけるジェンダーの視点」をテーマにした対話型専門家パネル、合意結論及び決議等についての討議等が行われました。

 目黒日本代表は3月6日にステートメントを発表しました。ステートメントでは、少子・高齢化問題の対応の観点からも、男女間の平等な責任分担は不可欠であること、我が国では2007年末に「仕事と生活の調和憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を策定し官民一体となって取組を進めていること、HIV/AIDSに関して国内での取組に加え、国際協力分野にも力を注いでいること、金融危機からの脱却及び社会回復においてジェンダー平等の視点が重要であること等について述べました。

 会議の主な成果として、「HIV/AIDSのケア提供を含む男女間の平等な責任分担に関する合意結論」、「INSTRAW(国際婦人調査訓練研修所)の強化決議」、「パレスチナ女性の状況及びその支援決議」、「第54回国連婦人の地位委員会への準備決議」、「今後の作業機構と方法決議」、「通報作業部会の今後の活動決議」、「女性、女児とHIV/AIDS決議」が採択されました。

 合意結論では、各国政府等に、育児・介護等における男女間の平等な責任分担を推進するため、男女の産休・育休等の休暇へのアクセスの確保、ケア提供における男性の参画を増やすための措置等を取るよう要請しています。

 今次CSWでは、我が国のNGO(国際婦人年連絡会、国連NGO国内婦人委員会、日本女性監視機構)が、「日本と国際社会におけるジェンダー平等とケア」というテーマでサイドイベントを開催しました。高齢者のケアやケアに関する国際協力について、日本のNGO等からの発表後、インドネシアやフィリピンからの看護士・介護福祉士の日本への受け入れや高齢者福祉に関わる国の制度等について発表者及び参加者との間で活発な議論が行われました。

 また、3月5日に行われた、国際女性の日記念行事のサイドイベントでは、女性に対する暴力に関するデータベースが公開されました(http://www.un.org/esa/vawdatabase)。データベースの構築は、昨年のCSWで潘国連事務総長が始めた、“UNiTE to End Violence against Women”キャンペーンの成果の一つであり、国連加盟国の法的枠組み、施策・戦略、組織的枠組み、予防策、研修、調査・研究、統計データ等の情報が含まれています。

第53回国連婦人の地位委員会HP:

<http://www.un.org/womenwatch/daw/csw/53sess.htm>

  • ステートメントを読み上げる、目黒日本政府代表
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  • 国際女性の日を祝う、潘国連事務総長
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