「共同参画」2009年 2月号

「共同参画」2009年 2月号

連載/その3  DVに対する取組事例7

さんかくナビの「被害者支援の取組」について 内閣府男女共同参画局推進課

男女共同参画社会の実現、特に女性の自立支援を目的として、平成16年6月、岡山県にNPO法人さんかくナビが発足しました。

さんかくナビには、女性の自立支援、住みよい街づくり、子どもの健全育成支援などを経験してきた人など、様々なメンバーが集まり、少子高齢化の急速な進展による課題や、DV、児童虐待などの社会問題に取り組んでいます。

現在は、DV被害者の支援に重点を置き、民間シェルターの運営、裁判所・警察署等関係機関への付添い、一時保育・家事援助、自助グループの開催などDV被害者へのサポート活動、岡山県からの委託によるDV休日電話相談、DV防止・DV被害者支援のための啓発活動など、幅広い活動を行っています。

岡山県初の民間シェルターを運営

 「DV被害者の女性にとって、最も大切なことは、暴力の被害から逃れた後の自立である」との考えのもと、さんかくナビでは被害者の自立支援を目的とする民間シェルターを平成17年1月に開設しました。

シェルターではDV被害当事者支援のコーディネーターが個々の当事者の相談にのり、それぞれ異なる状況に応じ、関係機関と連携を取りながら必要な支援を行っています。日常的な生活支援は会のスタッフが担い、法的なアドバイスや支援は理解ある弁護士につなぎ、サポーターが同行・援助を行います。当事者に必要な物資や運営資金は、多くの市民や市民グループ、助成団体からの提供を募っています。開設当初は、一部屋からスタートし、現在は同伴の子どもと一緒に住むことができる家族用の住居も含め、6軒を運営しています。さんかくナビでは、シェルターは基本的に緊急避難所ではありますが、「シェルターを経済的な自立へのステップとなる新たな生活の場にしてほしい」と考えており、自立に向けた出発点になることを目指しています。

「デートDV防止プロジェクト・おかやま」の事務局として

「デートDV防止プロジェクト・おかやま」は、平成17年10月に設立され、デートDV防止への取組を行っています。

このプロジェクトは、さんかくナビが交際中の男女間の暴力に係る事案の被害者を支援したことがきっかけになっています。まだ、デートDVについて社会的認識がない中で、被害者の女性に対し「交際したあなたが悪い」、「DVではない、ただの痴話げんかだ」などと理解のない言葉が浴びせられ、被害者が更に傷ついてしまったことから、デートDV防止のためのプログラム作りやDVに対する社会的認識を広げるためにプロジェクトを立ち上げました。

プロジェクトには、DV被害者の支援に携わる弁護士・医療関係者、市民グループ、相談員等の幅広いメンバーが参加し、アンケート実施、啓発用パンフレットの配布、出前講座など、その防止に向けた取組を行っています。

また、平成18年10月には、インターネットによる掲示板「恋する2人のまじめな相談~あなたの悩みを教えて~」を開設し、若い人たちへのデートDVについての啓発と共に安心して相談できる場を提供しています。掲示板には多くの若者から相談が寄せられていますが、基本的には掲示板上で若者間での解決を見守りながら運営しています。

さんかくナビは、プロジェクトの事務局として、スタッフが掲示板の管理運営も務めるなど、若者間の暴力の問題にも積極的に取り組んでいます。

全国共通DVホットライン 0120-956-080

(月~土 10:00 ~ 15:00)

「デートDV防止プロジェクト・おかやま」が運営する相談掲示板「恋する2人のまじめな相談」
「デートDV防止プロジェクト・おかやま」が運営する
相談掲示板「恋する2人のまじめな相談」
http://www.love-ok.jp

(問い合わせ先)NPO 法人さんかくナビ
電話:(086)801-5073