「共同参画」2008年 7月号

「共同参画」2008年 7月号

連載/その3  DVに対する取組事例1

横浜市におけるDV被害者のための自助グループ支援 内閣府男女共同参画局推進課

配偶者から暴力を受けた被害者の心身の回復には、配偶者からの暴力という体験を有する被害者同士が、体験や感情を共有し、情報を交換し合う自助のためのグループに参加することが有効と言われています。

横浜市では、男女共同参画推進の拠点施設として、市内に3館(男女共同参画センター横浜、男女共同参画センター横浜南、男女共同参画センター横浜北)の男女共同参画センターを整備していますが、このうちセンター横浜とセンター横浜北(以下「センター」という。)では、DV被害者を含め、様々な自助グループを支援しています。

センター自助グループ支援事業

「自助グループ」とは、同じ悩みを抱える仲間が対等な立場でミーティングなどを行い、経験を分かち合いながら問題解決に向けて支え合うための自主的な活動を継続的に行うグループのことです。

センターでは、女性・男性が直面する心とからだと生き方の問題解決に役立つ自助グループの自主的な活動を支援することを通して、市民が本来持つ「生きる力」の回復に資することを目的とし、自助グループ支援事業を実施しています。

具体的な支援内容は、

(1)グループのミーティング等活動のために、施設・設備を無料で定期的に提供する。(1グループにつき週1回まで等の条件あり)

(2)必要に応じてグループの活動に資する資料や情報を提供し、活動に関する相談に応じる。また、グループに関する研修や学び合いの機会を提供する。

(3)センターの広報媒体を通じて広報を行う。

(4)センターの主催事業に準じた一時保育事業の利用を認める。

等です。

DV被害者のグループなど、活動日時非公開で行うグループについては、センターが市民からの問い合わせを受け、簡単なスクリーニングを行い、グループにつなげるなどの支援を行っています。

支援するグループの選定等

センターでミーティングを希望するグループを毎年1回募集し、外部の専門家を含む審査委員会において、支援の適否を審査します。審査の基準は、(1)市の条例に抵触しないこと、(2)女性・男性が直面する心とからだと生き方の問題解決に役立つこと、(3)自主的なグループ活動であること、(4)参加者は同じ悩みをもつ当事者で、対等であること、(5)新しい参加者に開かれていること等となっています。

審査委員会で支援を決定したグループに対しては、オリエンテーションを実施し、支援内容や条件を確認するとともに、活動の日程、内容等の調整を図ります。支援内容や条件に関しては、グループと協定書を締結しています。

平成20年度は、センター横浜ではDV、アルコール依存症、国際結婚等をテーマにした16グループ、センター横浜北ではステップファミリーや障がい児の養育等をテーマにした8グループに対する支援が決まりました。センターでは、各グループ同士の交流の機会を年2回程度設けているほか、年度末には、各グループと担当者が活動を振り返る時間を持っています。

グループはあくまでも自発的な活動なので、行政からの支配介入にならないよう注意を払い、支援を行っています。

  • グループがミーティングを行う部屋
    グループがミーティングを行う部屋
  • 男女共同参画センター横浜
    男女共同参画センター横浜
  • 男女共同参画センター横浜北
    男女共同参画センター横浜北

男女共同参画センター横浜
所在地:神奈川県横浜市戸塚区上倉田町435-1
電話:045-862-5050 http://www.women.city.yokohama.jp/

男女共同参画センター横浜北
所在地:神奈川県横浜市青葉区あざみ野南1-17-3
電話:045-910-5700
http://www.women.city.yokohama.jp/