男性にとっての男女共同参画コラム 「イクメンになるのは大変なのか」

今回は、平成24年2月17~19日に開催された「ファザーリング全国フォーラム in しが」の中で行った「張り紙アンケート」の概要をご紹介します。

張り紙アンケートの質問はこのようなものです。

あなたはどう思う?

「イクメンになるのは大変(大変そう)だ」

Yes・・・大変(大変そう)です!  NO・・・そうでもありません!

回答は、模造紙の「YES」または「NO」の欄に大きめの付箋紙を貼っていただきました(男性は青、女性は黄色の付箋)。また、付箋紙にはその理由を書いていただきました。

結果、こんな感じになりました。

回答総数 44名

男性:全体で23名 うち、Yes(大変/大変そう)14名 No(そうでもない)9名

女性:全体で21名 うち、Yes(大変/大変そう)6名 No(そうでもない)15名

この数字をどうご覧になるでしょうか。ファザーリングフォーラムに出席される方だけに、多くの方はイクメンについて前向きにとらえている、という面もあるかもしれませんね。

とはいえ興味深かったのが、そのような方の集まりの中でも、男女で回答に差が出ている点だと思います。「そうでもありません」と回答した方は女性が多く、「大変(大変そうです)」と回答した方は男性が多い、という結果になりました。

「回答の理由」の中から、主なものを見ていきたいと思います。

〇「大変(大変そう)」と答えた男性(14名)

  • やはり、「仕事との両立」が大変だという意見が目立ちました
    • 「自分たちがなりたくても、職場の理解が無ければ難しい」
    • 「会社の理解や育児に協力的な風土がないと難しい」
  • 「大変」と言いつつ前向き、という回答も
    • 「今現在かなり大変ですが楽しいです」「僕もイクメンになるぞ!」
  • 一方、ライフスタイルやご夫婦の関係で、課題を感じる方もいるようです
    • 「自分のライフスタイルを大きく変える必要がある気がする」
    • 「夫婦関係と直結する話だけにムズカシイ!」
  • 最後に、「妻の目」を気にするご意見もあったことをご紹介します
    • 「自分なりのイクメンになるのは難しくない。でも、妻に認められるイクメンになるのは・・・もっと頑張ります」
    • 「なってからが大変。妻に突き上げられるから。」

〇「大変(大変そう)」と答えた女性(6名)

  • 大変と言いつつ前向きな回答がありました
    • 「大変そう・・・な印象ですがとってもあこがれます!制度が整ってきてることはとってもヨイコトと感じました。」
  • 前向きながら世の男性に対してチクリ、でしょうか こんなご意見もありました
    • 「育児を全くせずに仕事だけしていれば良い男性よりは大変です。育児力は確実に仕事に活かされます。」
  • 社会制度や組織風土についての問題を投げかける回答もありました
    • 「会社・職場の理解が無い。育児=女の仕事という認識を変えていきたい。」
    • 「社会(職場)の制度が整わないと難しいのでは(短期間ならなんとかなりそうですが・・)」

〇「そうでもありません」と答えた男性(9名)

  • 「大変だけどやった方がいい」という意見が、ここでも結構ありました
    • 「ハードルを上げられるのも、可能性あってこそ。己を鍛えるのに最適です。イクメンは。」
    • 「夫婦げんかの時にイクメンのくせにといじめられますが、それ以上に楽しい世界が広がっています。」
  • 自然体、でしょうか、「イクメン」であることを特段意識してないように見える意見も
    • 「気が付いたらイクメンになっていました。」「やってみたら意外と何とかなりました。」
    • 「自分のできること、やれることをすればいいと思います。誰でもイクメンになれますよ!」

〇「そうでもありません」と答えた女性(15名)

  • 楽観的な回答が目立ちました
    • 「大丈夫です。うちのダンナも育メンです。おかげで娘はパパ大好き、パパの作ったごはん大好きです。」「ママのサポート=自然とイクメン」
  • やればできる、気の持ちよう、という意見も多かったようです
    • 「育児は今しかできません。『楽しい♪』と思えば子供も楽しい気持ちに。それだけではないでしょうか。」「大変なのは一時。あとの楽しみは想定外!」
  • その人なりにやればよい、という優しい意見も
    • 「やり方は人それぞれ」
      「やれる範囲で相談しながらやればいいのでは!!子供の成長がしっかり感じられます。」
  • 最後に、イクメンは男性としても魅力的、という意見もありました
    •  「イクメンが増えてますよ!イクメン、カッコイイ」「イクメンこそSexyだと思いますよ。」

皆様は、どうお考えでしょうか。

やはり、まずは男性自身が育児に足を踏み出すことが第一歩、ということのようです。そのために、職場風土や制度改善が必要という声もありました。

一方、女性が感じる以上に、男性は育児に対してハードルを感じていることも窺えます。男性の育児参加が一般的とは言えなかった中、育児に不慣れな男性が足を踏み入れる最初の段階では、周囲や家族の理解が大事なのかもしれませんね。

いずれにしても、男性も女性も共に育児をすること・できることが当たり前になり、「イクメン」という言葉も死語になって、初めて男女共同参画社会の実現に近づくのではないかと思います。