(開催要領)
- 日時:平成16年3月1日(月)10:00~12:00
- 場所:内閣府 5階特別会議室
(出席者)
- 古橋
- 会長
- 伊藤
- 委員
- 神田
- 委員
- 佐藤
- 委員
- 田中
- 委員
- 広岡
- 委員
- 深尾
- 委員
- 横田
- 委員
(議事次第)
- 開会
- 平成14年度監視「地球社会の「平等・開発・平和」への貢献」に掲げる施策
- 調査検討結果の取りまとめに向けた議論
- 閉会
(概要)
地球社会の「平等・開発・平和」への貢献」(政府開発援助関係)に関する調査検討結果について、議論が行われた。審議の概要は以下のとおり。
<1>「政府開発援助における男女共同参画の視点の重要性」について
- 伊藤委員
- 「人間の安全保障」について、国家の安全保障が個人の安全保障に必ずしもつながらないケースが多いので、実質的な安全保障を行うための視点に立って、「人間の安全保障」 の定義を考えるべき。
- 古橋会長
- 個人に着目した安全保障を考える必要があるため、このような概念が登場した。したがって、伝統的な国家の安全保障の考え方と「人間の安全保障」は車の両輪の関係である。
- 田中委員
- 有償資金協力には、女性を含む貧困層などの最終受益者に直接資金が渡る形態としてツーステップ・ローンというものがあり、これを拡充していくべきである。
- 神田委員
- 「持続可能な開発」の説明として、「環境保全と開発の両立」という考え方を入れておくべき。また、「参加型開発」は、男女共同参画の観点から「参画型開発」とする方が望ましい のではないか。
<2>「男女共同参画の視点から見た関係施策の現状及び問題点」について
- 田中委員
- 「有償資金協力の現状及び問題点」においては、大型インフラ案件については、男女共同参画の視点から影響調査を実施し、開発の効果を公平なものとするよう提言すべき。ま た、ツーステップ・ローンにおいて、直接的に多くの貧困女性に裨益するようなマイクロファイナンスなどの融資案件の選定を増やしていくことが必要である。
- 古橋会長
- 男女共同参画に関する研修については、研修の成果が実際の業務に反映されていないというだけでなく、研修の内容も十分ではないということも指摘すべきである。
- 田中委員
- 国際協力に携わる専門家の育成について、専門家が不足しているのは、諸外国に比べて国内の大学や研究機関においてジェンダーと開発にかかわる講座の設置や研究体制 などの取組の遅れや、援助実施機関などにおいて養成した「ジェンダーと開発」分野の専門家が持続的にキャリアを形成していける体制の未整備によるところが大きいという点、 各府省や援助実施機関がコンサルタントなどを含む外部機関に発注する調査・業務内容等の中に、ジェンダーと開発分野の調査・業務が含まれていないため、受注する側に 「ジェンダーと開発」分野の専門性をもつ人材を育成しようとするインセンティブが低くなり、結果として諸外国に比べそのような専門性をもつ人材を養成する体制が後れているとい う点を指摘したい。
- 古橋会長
- 「JBIC」の部分には、「JBIC内にWID/ジェンダーに関する十分な知識がないこと、男女共同参画の視点を組み込む手法及びアプローチが十分に確立されていないこと」に、「男女共同参画の視点から案件の審査及び評価を行う体制がないこと等が問題である」と加えたい。
<3>「今後採るべき対応策」について
- 古橋会長
-
総合的対応策として、国別援助計画、海外経済協力業務実施方針等の内容を早急に見直し、男女共同参画を基本方針で重点課題として位置付けることを被援助国との間で積 極的に協議することが必要であるという提言すべき。
「実績の把握」は、「実績の把握及び公表」とし、その際に男女共同参画の視点からの政府開発援助の総合的実績を定期的に、かつ定量的のみならず定性的な実績に基づき公 表することが必要である。 - 横田委員
- 国際機関等への女性等の参画の拡大については、男女共同参画に関連のある国際機関の責任ある地位に」と限定するのは問題であり、「男女共同参画に関連ある部署」以外 にも女性が進出していくことが望ましい。したがって、「国際機関の責任ある地位に」とすべき。
(以上)