第30回 苦情処理・監視専門調査会 議事要旨

(開催要領)

  • 日時:平成15年6月27日(金)10:00~12:00
  • 場所:内閣府3階特別会議室

(出席者)

古橋
会長
庄司
会長代理
伊藤(る)
委員
鹿島
委員
神田
委員
佐藤
委員
田中
委員
広岡
委員
深尾
委員
山口
委員

(議事次第)

  1. 開会
  2. 平成14年度監視「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」に掲げる施策の進め方について
  3. 平成14年度監視「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」に掲げる施策有識者からのヒアリング
      ( 国際協力事業団国際協力専門員、苦情処理・監視専門調査会委員 田中由美子氏)
  4. 平成14年度監視「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」に掲げる施策の実施状況について
  5. その他
  6. 閉会

(概要)

平成14年度監視「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」に掲げる施策について、施策の進め方について議論した 後、田中委員より「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」に掲げる施策について説明があり、その後、事務局より平 成14年度監視「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」に掲げる施策の実施状況について説明し、これらについて意 見交換が行われた。審議の概要は以下のとおり。

<1>平成14年度監視「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」に掲げる施策の進め方について

伊藤(る)委員
「女性の平和への貢献」は、アフガニスタンが中心になっているということだが、東チモールの状況等もっと広範にみた方 がよい。
田中委員
コソボ、スリランカについてもお願いしたい。

<2>田中由美子委員からのヒアリングについて

伊藤(る)委員
DACの審査報告書で言及された、ODA改革懇談会にジェンダーの専門家がいないという点については、日本からは反応 はあったのか。
田中委員
第2次ODA改革懇談会の中では、ジェンダー専門家を1名か2名登用するらしい。JICAでは、ジェンダー主流化のため の課題別指針を作成している。
伊藤(る)委員
報告書を書いているDACはどのような効果を狙っているのか。
田中委員
報告書に拘束力はないため、先進国の援助担当者同士で互いに勉強するという意味合いが強い。
伊藤(る)委員
過去においても、このような審査報告書が出たことで改善がみられたのか。
田中委員
ジェンダーについて、これだけ詳細に報告されたのは初めてである。
神田委員
報告書に「事業効果を分析するのに結果重視の評価方法に変えていく」とあるが、これまでの評価方法はそうではなかっ たのか。また、具体的に評価方法の検討が進んでいるのか。
田中委員
今までは、何人登用したか、いくらお金を使ったかというアウトプットで評価することが多かったが、実際のプロジェクトの社 会に与えるインパクトまで視野を広げることはなかった。最近は、事前評価表をつくったり、DACでつくっている評価5項目 に基づいて評価するなど進んできている。
深尾委員
最近は、青年海外協力隊は半数以上が女性と聞いているが、その背景について伺いたい。
田中委員
現在、日本の女性は、国内で就職する機会が限られているため、海外に目を向けるようになったことや、村落開発普及と いう職種では、専門的技術が必要ではなく、文科系のバックグラウンドでも活動できるということがその背景と考えられる。 しかし、女性の専門家は1割くらいしかいないので、そのアンバランスが問題である。
山口委員
草の根無償援助が非常に増えているようだが、1件あたりの最小援助額はどのくらいか。
田中委員
300万円くらいだと思う。1000万円以下だと比較的早く外務省から承認されるが、それを超えると財務省と協議して決める ことになっている。
山口委員
援助の効果については調査しているのか。
田中委員
昨年、ラオスに関して評価が行われた。全体的に草の根無償援助は、小額で小規模だが効果が大きいということで評判 がよい。
山口委員
技術協力において、研修員の受け入れは、行政官が多いのか。NGOも受け入れているのか。
 また、言語については、英語を話せるものに限定しているのか。
田中委員
NGOも増えてきている。また、英語以外についてもフランス語やスペイン語で行っている研修もある。
古橋会長
この調査会では、国際協力について、男女共同参画の理念をどのように入れていくべきかについて大いに議論したい。今 後はODA予算も減少していくだろうから、男女共同参画の理念で国際協力を行い、国民のコンセンサスを得れば、国民参 加型の国際協力ができると思う。
 JICAから、大規模援助中心から草の根技術協力中心へと援助形態を変えていくよう外務省や各省に提言できないのか。
田中委員
JICAの立場としては、他省庁にものを言うことはできない。内閣府が他省庁に対して、ODA政策の中で、どのようなジェン ダー政策をとっているかについてヒアリングし、審査するような仕組みをつくることが重要である。
佐藤委員
日本の援助の内容が、テーマによって偏っているということは分かるのか。
田中委員
カナダや北欧は、援助の重点項目にジェンダーを出している。日本はジェンダー関係の案件を出してもあまり援助しない ので、そういう偏りはずっとある。
庄司会長代理
シニア海外ボランティアは、以前に経験者に話を聞くと、インフラ等が遅れているため、ジェンダー以前の問題だという印 象を受けたが、男性が多いのか。
田中委員
全体では、男性が7割程度と考えられる。青年海外協力隊については、派遣前にジェンダーに関する講義を受けてもらっ ているが、シニア海外ボランティアはそうなっていないので、問題かもしれない。

<3>平成14年度監視「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」に掲げる施策の実施状況について

田中委員
国連機関に関する女性関連の基金が減少しているのは問題である。拠出額は日本のODA全体からみれば非常に少ない が、拠出先からみれば大きい。一律にODAを減らすのではなく、大規模無償援助を1件なくして女性関連基金への拠出を 捻出する等の工夫をすべき。
鹿島委員
やはり、外務省から詳しく話をきくべきだと思う。
古橋会長
経済協力全体に男女共同参画の視点を入れるとともに、その中で、技術協力の割合を増やすとともに、技術協力の中で も男女共同参画の視点が一層反映されるようにしてもらうことが必要と思う。
田中委員
国際協力に関する専門調査会を設置することも検討してもらいたい。監視報告の提言にいれてほしい。

(以上)