男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成22年6月7日(月) 15:00~17:00
  • 場所: 永田町合同庁舎共用第1会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
    会長代理
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    委員
    石川 哲也 神戸大学名誉教授
    伊藤 公雄 京都大学大学院教授
    岩井 宜子 専修大学大学院教授
    大熊 由紀子 国際医療福祉大学大学院教授
    岡本 直美 日本労働組合総連合会会長代行
    勝間 和代 経済評論家・公認会計士
    加藤 さゆり 前全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
    河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
    五條 満義 東京農業大学准教授
    坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
    桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
    辻村 みよ子 東北大学大学院教授
    林 陽子 弁護士
    松井 忠三 株式会社良品計画代表取締役会長(兼)執行役員
    山田 昌弘 中央大学教授

(議事次第)

  1. 起草ワーキンググループからの報告
  2. 自由討議

(配布資料)

資料1
第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(案) [PDF形式:548KB]別ウインドウで開きます
資料2
基本問題・計画専門調査 第55回第56回第57回議事録(案)
羽入会長
皆様、こんにちは。お忙しいところをおいでいただきまして、誠にありがとうございます。ただいまから61回「基本問題・計画専門調査会」を始めます。
 本日の会議は、前回の調査会で議論いただきましたものに関して、まず起草WGの主査でいらっしゃいます鹿嶋先生から御報告をいただいて、そこを確認するということにしたいと思います。
 鹿嶋先生、お願いします。
鹿嶋会長代理
資料1を中心に話をいたします。
 まず、全体の話ですが、修正がわかるように朱書、赤字で書いてありますので、ごらんいただければと思います。
 前回の調査会の議論の結果、更には政務三役、関係府省の意見などを踏まえて、現在の案文としております。関係府省との調整はほぼできているのですが、まだ個別に調整する部分もあります。担当大臣もまだ未定ですので、新たな体制の中で、政務三役の意見を伺うということもあり得るだろうし、関係府省との関係でも、更に修正があり得るということを前提の上で、今日は議論をしたいと思います。
 全体を通じての修正点ですが、パブコメの意見の中で片仮名語が多過ぎるという指摘がありました。例えば13ページの「ガイドライン」を「指針」と言い換えていますが、御意見があれば是非伺いたいと思います。
 国際的な概念について、リプロとかエンパワーメント、更には第2次基本計画で使われているような用語は修正していません。多少片仮名が多くてもそのままでいきますので、御了解ください。
 関係府省との調整箇所というのは、書きぶりの修正等々がありますが、これについてはいちいち説明はしません。
 では、「はじめに」を見てください。「はじめに」は1~2ページですけれども、これは福島前大臣の中間整理に寄せてという文を「はじめに」として、かなり書き換えたものですが、全体的に簡潔にしようということで、特に2ページですけれども、男女共同参画を「私のことと思ってもらう」といったような平たい表現を削ってありますが、これについて皆さんはどうお考えか、御意見をいただきたいと思っています。
 「基本的な考え方」です。3ページのⅠの[4]に「男女共同参画に関して、国際的な評価を得られる社会」というのが目指すべき社会の中に1つ加わっています。
 Ⅱの「1 少子・高齢化の進展と人口減少社会の到来」の中に「世界的にみても極めて低い出生率と高齢化により」という文言を書き加えました。
 次は6ページの中の「様々な困難を抱える人々」という表現を「様々な困難な状況に置かれている人々」と直しております。
 同じく6ページで「女性も男性も誰もが出番と居場所のある地域社会を形成していくことが重要である」という指摘、これは桜井委員からでしたが、だれもが出番と居場所があるという言葉でここに書き加えました。
 次に第1分野にいきます。12ページの[7]。「また、地方公共団体における審議会等委員についての国の法令に基づく職務指定について検討し、必要な見直しを行うとともに」という文章ですが、これは前回専門調査会で職務指定についての意見がありましたので、それを反映し、このように反映させております。
 13ページの(4)の[3]の支援の在り方ですが、「優遇措置」を「支援の在り方(税制等を含む)」と直しています。
 第2分野は修正はありません。
 次に第3分野ですが、17ページ、Ⅰの2の(1)の認識がないというところを認識が低いと直しています。また企業もあるというところに「職場」を入れています。
 第4分野、第5分野については、大きな直しはありません。
 続きまして、第6分野、31ページの[2]。「経営管理能力の向上や技術修得等に向け」という表現を入れています。第6分野はそのくらいです。
 第7分野については、まず33ページ、Ⅰの2ですけれども、「これまで女性の貧困等は見えにくい問題であり、経済社会が変化する中での対策が十分ではなかった」というところを、問題が見えにくかったのではなくて、社会的に認識されにくい問題ではなかったのではないかという指摘がありましたので、加除修正しました。
 36ページにつきましては、これも関係府省の意見を踏まえて、キャリア教育部分の記述を充実しました。この辺も後で皆さんから御意見をいただきたいと思います。
 36ページの被害者への支援とニート、引きこもりなどの若者に対する支援に関する記述を書いたところを、両者の性格の違いを踏まえて、[2]と[3]と書き分けてありますので、これもごらんになってください。第8分野ですが、38ページの(2)[2]のところには「世代間で公平であり、かつ」という文言を加えてあります。
 40ページは、(2)の[2]ですけれども、「女性であることで複合的に困難な状況に置かれている人々等について、男女共同参画の視点に立って」という表現に直してあります。
 第9分野は、現時点では大きな変更はありませんが、ただし、46ページをごらんください。表現の自由に配慮しつつということで、書き加えたのですが、果たしてこれでいいのかといった指摘があったりしましたので「P」としてあります。ペンディングです。ここは今後どういうふうにするか、これについては皆さんから御意見をいただければと思っております。
 第10分野、48ページは、これまでの施策の効果と、十分に進まなかった理由のところですけれども、文言を少し整理しました。と同時に、不妊治療のカウンセリング体制の普及については、第2次基本計画の目標を達成したことから、進展したと評価することにしました。
 49ページのⅢの(1)については、現在推進されている学校における性教育の実態に即して、「家庭・地域と連携し」という言葉を付け加えております。
 50ページの[5]の記述については、「発達段階に応じた」という表現に修文してあります。
 51ページの5の(1)及び(2)の[1]は、薬剤師について追加してあります。
 11分野については、54~55ページですけれども、ミレニアム開発目標の基準につきまして、正確を期す修正をしてあります。
 55ページの(2)の[6]ですが、「地縁団体の活動」を追加しています。
 12分野、59ページをごらんください。(2)の[1]で「研究機関における男女共同参画の取組状況を把握」の記述を追加しております。
 13分野は大きな修正はございません。
 14分野も大きな修正はありません。
 15分野、69ページ、2の(2)の[5]でUNIFEM基金についての記述を修正してあります。
 最後に推進体制、73ページの指定管理者につきまして、地方公共団体が期待する施策の事務能力を「地方公共団体の男女共同参画施策を踏まえた事業実施能力」と修正しました。変更点は以上です。
羽入会長
ありがとうございます。皆様からいただきました御意見を検討して、ワーキンググループの主査に一任をしておきましたところの修正箇所の御報告でした。今、主査から御発言のありました3か所、「はじめに」の部分と、36ページのキャリア教育の部分、46ページの表現の自由の辺りの問題について、もし御意見がありましたら、おっしゃってください。
 どうぞ。
伊藤委員
言葉の訂正なんですけれども、直されたからややこしくなっていると思うんですが、3ページの赤字になっているⅡの1ですけれども、「世界的にみても極めて低い出生率と高齢化により」と書いてありますが、高齢化の前に一言「急激な」とかつけたらいかがでしょう。「低い」が高齢化にかかっているように見えてしまうと誤解を招くと思います。言葉の問題です。
羽入会長
ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。
勝間委員
46ページ、47ページ目の部分が、実は前回の計画が発表された翌日もほとんどメディアはここの報道になっていまして気になっていたんです。このままこれを公開しますと、また同じことが起こるのではないかという懸念をしておりまして、本来のほかの趣旨が全部吹っ飛んでしまったんです。男女共同参画会議の方で、どうもメディア規制をするらしいぞの一色だったんです。それを少し心配しておりまして、ここの取り扱いをどうするかというのを慎重に検討した方がいいと思います。
 何が一番いけなかったかというと、自主規制みたいな表現をしたところ、メディアは過敏に反応しましたし、同じように実際にゲームをつくったりネットをやっている人たちが、国がそこまで口を出すのかみたいな過敏な反応をしてしまったんです。ですので、例えば明らかに法的におかしなものという表現にするのか、あるいはどういう基準をつくるのかといったような形で、国が何かパブリケーションを規制するのではないということがはっきりわかるような文章にする必要があると思います。
鹿嶋会長代理
どこが一番問題ですか。どの辺の部分が気になっていますか。
勝間委員
例えば性・暴力表現の規制を含めた在り方に対して、自主的取組の促進みたいな形で、業界団体が自主的に何かマークでも何でもいいですけれども、付けてくれみたいな雰囲気になってしまっているところに対して、検閲的なにおいをどうも感じ取ったようで、ここが集中的に前回攻撃されていました。
鹿嶋会長代理
ただ、自主的取組としか言いようがなくて、これは「官」が出張っていって取組を規制するわけにはいかないので、メディアの規制については自主的に促すしかないんです。第2次基本計画も基本的にそのような考え方でしたし、今回もその路線なんです。これを引っ込めてしまうと、こういう問題への取組というのは行き詰まってしまうのではないですか。
勝間委員
指摘は是非すべきだと思うんですけれども、書き方として自主的取組というと、まさしくそういうものを促しているみたいな表現にとられかねないので、私はここは専門でないから今一つどういう書き方がいいのかわからないんですけれども、なるべくメディアや一般市民から、それを報道したときにこの計画がこの話で終わってしまうんです。それが非常にもったいないので、そこをやわらげないかなという発想です。
羽入会長
ありがとうございます。今の勝間委員の御意見は、この委員会でずっと考えてきたことで、それが誤解されるようなことのないように表現を慎重に選ぶべきだと受け取らせていただいてよろしいでしょうか。
 どうぞ。
鹿嶋会長代理
市民団体とか、そういう人たちのグループによるメディアチェックというのはあり得るんです。だから、そういうことも入れた方がいいですかね。要するに、メディア規制というのは、極論すれば自主的取組と市民団体の監視と2つしかないと思うんです。あとは官が出張っていく、すなわち規制という方法があるわけですが、どうしても表現の自由に抵触するわけです。要するに、そこは非常にデリケートな問題なのです。ただし、自主的取組を除いてしまうと、性暴力のあからさまな表現は野放しになる可能性があるので、自主的取組と市民団体、たとえばNPOなどによるチェックというのはやはり必要だろうと思うんです。その辺、ほかにいい知恵があればお聞きしたいと思います。勝間委員どうですか。
勝間委員
何とかここを目立たさないようにできないかしらというのが私の考え方なんですけれども、いい方法があるのかどうか。今まで児童ポルノのときも散々同じように攻撃がありまして、すごくここには過敏に反応する印象があります。
羽入会長
どうぞ。
岡本委員
私はむしろ例えば47ページの[4]のところの最後、「暴力表現の規制を含めた対策の在り方」というところに、メディア側としては注視してきているのかなと実は感じていまして、今回も例えば放送法改正の提案がされて、いろいろ言われましたけれども、そこでメディア側が言うのは、自分たちに任せてくれということです。自主的に自分たちが自律、自らを律するということをしない限りは、世の中からは受け入れられないというのは多くのメディアが思っているんだろうと思うんです。
 ですから、鹿嶋先生がおっしゃるように、市民からのチェック、ともかく何かあったらどんどん言ってくださいということと、メディア側の自主的な取組、インターネットメディアの場合、どこまでできるのかという大きな問題はあるんですけれども、既存のメディアで言えば、ある程度やってきている。それをもっとやってください、特に出版などではもう少し具体的にやってくださいというのがあると思います。
 あとは、メディアリテラシー教育をどれだけきちんとできるかという、この3点だろうと思うので、私は先ほど冒頭に鹿嶋先生が表現の自由に配慮しつつというところをどうするかとおっしゃったので、むしろこれを除けということなのか、逆にそういうふうに思ったのですが、これはやはり入れておくべきだろうと思います。
勝間委員
そういう意味で言いますと、恐らく皆さんが過敏に反応しているのは、47ページの[4]にある「規制を含めた対策の在り方」というこの一言だと思います。なので、そこはおっしゃるとおりに自主的な取組の方を多分強調するような文章に変えるということが1つの解決策になり得ると思います。
羽入会長
どうぞ。
岩井委員
従来、ポルノ画像規制は、わいせつ文書の取締りという形で問題とされてきた訳ですが、それらは文字とか映画が媒体であったわけです。それが今はインターネットという表現方法が出てきて、非常にそこのところ媒体は変わってきているわけです。ですから、アップすると直ちに広がってしまうこういう性・暴力表現は、人権侵害が多大で修復することも困難です。そういうところに対する対応を何も政府がやらないのかということに対して、かなり国際的な批判が来ているわけです。
 ですから、ここのところですべて法的に禁止すべきだという形で言っているわけではなくて、そこのところをうまく規制するにはどうすればいいかという、有効な対策の在り方について検討する必要があるわけで、これから有効な対策というものを検討するんだということを掲げただけで、なぜそういうふうな反論が起こるのかということが私には解せません。
羽入会長
ありがとうございます。ほかに御意見はいかがでしょう。
 今の御意見を踏まえて、言葉の表現の仕方は十分に注意する必要があるだろうと思いますのと、今、何人かの方がおっしゃってくださったその意図を踏まえた表現を工夫するということで、あずからせていただいてよろしいですか。
 どうぞ。
辻村委員
起草WGでも、この規制という言葉が強すぎるのではないかということで議論がありました。46ページの8の(1)のところから、実は規制という言葉が消えているのです。「対策を講じる」ということで、しかもどういうものかというと、男女共同参画社会の形成を大きく阻害するものについて対策を講じるということなのですけれども、47ページの④のところでは、規制という言葉がそのまま残ってしまったため、「方向性」のところに「規制」の語が入っていなくて、取組のところに「規制」ということを入れたものですから、少しアンバランスが残ったのかなという印象を持っております。
 したがって、もし修正するとすれば、47ページの[4]のところでメディア産業の性・暴力表現のうち、男女共同参画社会の形成を阻害するものについて、とするなど、上のところで限定をかけたのに対して、[4]のところでは限定がかかっていなくて規制という言葉が2か所残っているということにもし問題があるとすれば、そこについて少し工夫をしたらいいかと思いました。
 以上です。
羽入会長
ありがとうございます。具体的な取組というところに初めて規制というのが出てくると、規制をするんだということになりかねないので、そこを注視すべきだということですね。あと、限定をして対策を考えるということですね。ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。そういたしましたら、今、主査から御指摘のありました3点以外のところで、もし特に御意見がありましたら伺います。
 どうぞ。
辻村委員
第10分野、48ページの注釈、脚注の一番下のところに「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の定義があります。実はこれは前回まで気がつかなくて申し訳ないことをいたしましたけれども、この定義は、リプロダクティブ・ライツとは、リプロダクティブ・ヘルスを得る権利だと明記してあるのですが、これはカイロ宣言の内容についての事実に反すると思います。要するに、カイロ宣言では、「リプロダクティブ・ライツとは、自分たちの子どもの数、出産間隔、ならびに出産する時を、責任を持って自由に決定でき、そのための情報と手段を得ることができるという基本的権利、ならびにリプロダクティブ・ヘルスを得る権利」と書いてありまして、一応権利の内容は2つあるのです。
 片方はリプロダクティブ・ヘルスを得る権利でこのままでいいのですが、もう一つ、リプロダクションについての自ら決定する自己決定権のことなんですけれども、自ら決定する、自ら自由かつ責任ある決定を行う権利という、北京綱領の95パラグラフにも出ている言葉がここでは落ちています。これは事実に反するのではないかと思いますので、調べていただいて、国際文書の文言に合わせてリプロダクティブ・ヘルスを得る権利と、リプロダクションに関して自ら決定する権利というものも入るということについて、最終的な扱いはお任せいたしますけれども、よろしく対処をお願いしたいと思います。
羽入会長
ありがとうございます。そのようにさせていただきます。ほかにはいかがでしょうか。
鹿嶋会長代理
リプロダクションのところは、母体保護法との関連で、整合性が必要になります。母体保護法は、人工妊娠中絶にあたっては、本人と配偶者の同意が必要だと規定しています。つまり、中絶に関する女性の自己決定権とは相容れない問題が残っているわけです。というわけで、リプロダクションの権利として入れてしまっていいのかどうか。中絶の問題との絡みで、その辺りの整合性をとるために、もう少し考える時間が必要になってくるのではないですか。
辻村委員
ただ、ここはどのように定義されているか、まさに国際的な用法を客観的に記すということですね。それについては紛れがないといいますか、これは北京綱領やカイロ宣言では、このように書かれているということですので、客観的事実の問題として書くしかないのではないでしょうか。女性差別撤廃条約にも子どもの数とか出産の間隔を決める権利について、男性と同等の権利を持つという言葉が出てきています。そういった権利の総称であり、ヘルスを得る権利だけではないことは事実だと思いますので、ここは確認していただいてどういう言葉で記載するのがいいか、検討をよろしくお願いしたいと思います。
羽入会長
ありがとうございます。今の辻村委員のおっしゃっていたことは、用語の解説として国際的に通用するものを書くべきだということと、49ページには本文にこのことの記載がありますので、どういう方向にこれを持っていくかということも政策展開の関係で書かれておりますので、そこも併せて検討させていただいてよろしいでしょうか。
辻村委員
はい。お願いします。
羽入会長
ありがとうございます。
 どうぞ。
勝間委員
一番後ろに、74ページ目の[4]が女性と仕事の未来館の取組の話になっているんです。この女性と仕事の未来館と女性労働協会でしたか、仕分けの後半にこれは引っかかった記憶があるんですが、これはこのままの文言でも普通に通るのでしょうか。
羽入会長
事務局、お答えいただいてよろしいですか。
岡本委員
先に言わせて下さい。これは是非このまま残してほしいと思います。もともと仕分け結果を受けた文章は、すごい訳がわからない文言になっているんです。支援事業の政策目的は重要であるが、事業内容を見直しをしなければいけないので、とりあえず廃止みたいな。実は私たち組合でも取組をしているところなんですけれども、よくわからない。ただ、このままでいけば、事業内容ではなく、会館も廃止になりかねない状況にあると聞いています。私は、むしろ未来館をもう少し充実をさせていく。ここで合意があるのであれば、女性の未来館の存続と、事業内容をもっと充実させていくような取組というものがあるべきだろうと思っているのですが、書きぶりとしては、ここはもうこのままでいいかなと思います。
 または、今、個人に対しては余り言われていないんですけれども、立地条件も非常にいいところなので、国がやるだけあって、あそこのセミナーは非常に安いんです。本当はもう個人にもそういうセミナーをやってほしいぐらいのところを、逆に言うともう書き込んでほしいぐらいの気持ちですが、修正は私はしなくてもいいかなと思っています。
羽入会長
局長の方から何かありますか。
 どうぞ。
岡島局長
仕分けの結果を踏まえてどうしようかということは、実は私どもも考えたんですけれども、男女共同参画の推進という観点からいきますと、この未来館での取組というのは非常に重要だと思っています。
 ただ、いろんな具体的な施策をどう展開するかとか、仕分けの結果を受けてどうするかという辺り、今の段階で余り方向性が打ち出せないということと、ちょうどこういう時期に当たっていますので、それぞれ長のところまで話を上げなければ、最終的には方向性も出せないということで今こういう形にしてあります。ここも含めまして、恐れ入りますが、もし可能であれば、委員の先生方の御意見を伺った上で、会長なり事務局の方にお任せいただけるとありがたいと思っております。
羽入会長
私たちがここの会議で議論し、つくり上げてきたものでございますし、どうしてもここで記述が無理というようなことにならない限り、この方向性は保たれているのではないかと考えておりますので、現状ではこれはこのままにしておいてよろしいのではないかと思います。
 ほかに御意見はありますか。どうぞ。
林委員
第10分野のリプロダクティブ・ヘルスのところに戻らせていただきたいんですが、先ほど辻村委員からもお話がありましたように、産む、産むないを自分で決められる権利、どういう間隔で子どもを産むかを決定できる権利ということが本来のリプロダクティブ・ヘルス/ライツの趣旨だと思いますので、産むということと、あるいは産まないという選択について、両方差をつけないと、等価で述べられないか、と思います。
 例えば48ページの冒頭で特定不妊治療費助成、もともとは「自治体の拡充」だったものが消されて、「特定治療費助成の実施」とかなり断定的に書いてありますが、この調査会でそういう合意ができていたのかどうか、余り記憶にありません。
 委員の皆さんがそれでいいということであればほうっておいていいです。49ページの「具体的な取組」の順番です。例えば[6]のところのところで初めて「人工妊娠中絶と生殖補助医療に関する法制度の検討を行う」というのが出てきますが、私はこの法制度の話というのはもう少し上に出てくる話ではないかと思います。だから、[1]が「妊産婦健診の公費負担や出産一時金などの支給」と言うのであるのはいいんですけれども、せめて2番目に「法制度の検討を行う」というのを持ってきて、現行の[2]以下の順番というのももう少し大きな枠組みのものから小さな、運用の面で変えられていくものを変えていくということが望ましいのではないかと思います。
羽入会長
ありがとうございます。今の御意見に関係して、ほかの委員の先生方の御意見はいかがですか。
 林委員の御指摘ですけれども、つまりカテゴリーが上位のものからだんだん具体化していくということの意図でもあるのかと思いますが、ここは少し検討させていただいてよろしいですか。
林委員
お願いします。
羽入会長
ほかにはいかがでしょう。
 どうぞ。
桜井委員
第8分野ですが、39ページの3の「(2)具体的な取組」のところに、在留外国人女性に関する調査の実施ということを入れてほしいと思います。どんな状況で暮らしているのか、実態が全然わからないので、現実を把握するための調査を一度、ちゃんとしなければいけないというのは、在留外国人女性支援団体からもずっと言われてきたことです。それがいまだに全くなされていないので、第8分野で調査の実施を入れていただけるといいと思いました。
 たとえば、(2)の[2]で修学上の困難について、調査など実態を踏まえ、あるいは実態調査を踏まえなど、調査という言葉をどこかに入れていただくとか。その上の2の障害者については、(2)の[2]で上から3行目で、その際、男女別の統計データの男女共同参画の視点に十分配慮するといった文言がちゃんと書いてありますので、そういうようなところを一度入れていただけないかと思っています。
羽入会長
ありがとうございます。私たちはジェンダー統計をということをずっと言ってきておりますので、必要ではないかと思います。
 ほかにはいかがでしょう。鹿嶋先生、全体で何か御意見はございますか。
鹿嶋会長代理
御指摘はちゃんと。
羽入会長
ありがとうございます。それでは、ひとまず今回の調査会での議論はこれまでにさせていただきたいと思います。
 どうぞ。
鹿嶋会長代理
事務局に聞きたいのですが、いろいろな要望が来ていたでしょう。第3次基本計画についてのそれらの要望は、かなり反映しているんですか。
藤澤推進課長
できるだけ反映できるところは反映させていただいたつもりです。いただいた要望書は、以前より黄色いファイルに全部更新してつづっておりますので、またごらんいただければと思います。
羽入会長
ありがとうございます。それでは、本日、いただきました御意見を踏まえて、少し修正が必要かと思いますけれども、御存じのように今日の政治状況を考えますと、今後さまざまなところでまた調整が必要になってくるだろうと思います。
 このことを御理解いただき、これらの取り扱いについては会長に一任していただくことはできますでしょうか。
 もし、私の判断、会長としての判断を超えるような変更あるいは何か事柄が生じました場合には、改めて委員の皆様の意見をいただく機会をつくりたいと思います。このようにして今後の進め方を考えておりますが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

羽入会長
ありがとうございます。それでは、更にこの報告書ですけれども、どのような形で男女共同参画会議に出すかについて、これから更に事務局と打ち合わせをしていきたいと思いますが、これについても会長に一任ということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

羽入会長
ありがとうございます。それでは、次に委員の皆さまに既に御確認いただいているかと思いますけれども、資料4に議事録がございます。55、56、57回の3回にわたる基本問題・計画専門調査会の議事録案を事務局が作成しておりますので、もし御異存がなければこのように決定して、内閣府のホームページに公開したいと思います。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

羽入会長
ありがとうございます。それでは、これらを公開させていただきます。今回の会議の分を含めて、まだ未決定な議事録につきましては、今後事務局からメールなどで委員の先生方に御承認をお願いして、公開させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 できるだけ早い公開を事務局でも努めておりますので、御協力いただきますようにお願いいたします。
 それでは、最後に事務局から連絡はございますか。
竹林企画官
数値目標の件につきまして、事務局の方から御案内させていただきます。
 この報告案の中では第3次基本計画を実効性のあるアクションプランとするため、できる限り具体的な数値目標とスケジュールを明確に設定した上で、その達成状況について定期的にフォローアップを行うというように提言されております。
 事務局といたしましては、この報告の提言を踏まえまして、まず第一に第2次基本計画における数値目標について、それぞれの達成状況を評価し、その結果を踏まえて見直しを行う。
 第二に、第3次基本計画を実効性のあるアクションプランとするため、すべての分野についてこの報告の1から15までのすべての分野について大胆な数値目標を設定する。
 こういったことを基本的な考えとしながらこれから作業を進めてまいりたいと思っております。
 また、この第3次基本計画の数値目標につきましては、男女共同参画会議が答申を出した後に、この基本問題・計画専門調査会でも御議論いただきまして、それを踏まえて第3次基本計画に反映してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
羽入会長
ありがとうございます。今、御説明がありましたけれども、第3次基本計画は実効性のあるものにしたいということを私たちは常々合意し、進めてきたと思っております。できる限りそれが有効に反映できるようにと個人的には考えております。
 皆様には長い期間にわたり、報告書のとりまとめに当たりまして、非常に御尽力をいただき、また、御協力いただきましたことを深く感謝申し上げます。
 これで第61回の「基本問題・計画専門調査会」を終わりにいたします。誠にありがとうございました。

(以上)