男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成22年1月28日(木) 10:00~12:00
  • 場所: 永田町合同庁舎第1共用会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
    会長代理
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    委員
    家本 賢太郎 株式会社クララオンライン代表取締役社長
    石川 哲也 神戸大学大学院教授
    岩井 宜子 専修大学大学院教授・副院長
    大熊 由紀子 国際医療福祉大学大学院教授
    大隅 典子 東北大学大学院教授
    岡本 直美 日本労働組合総連合会会長代行
    五條 満義 東京農業大学准教授
    坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
    桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
    辻村 みよ子 東北大学大学院教授
    山田 昌弘 中央大学教授

(議事次第)

  1. 女性に対する暴力に関するワーキング・グループからの報告
  2. 自由討議

(配布資料)

資料1
女性に対する暴力に関するワーキング・グループにおける論点 [PDF形式:200KB] 別ウインドウで開きます
資料2
答申に向けた論点(案) [PDF形式:265KB] 別ウインドウで開きます
資料3
基本問題・計画専門調査会(第52回)における主なご意見 [PDF形式:98KB] 別ウインドウで開きます
資料4
基本問題・計画専門調査会(第47回)議事録(案)
羽入会長
皆様、おはようございます。貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。
 それでは、ただいまから53回の基本問題・計画専門調査会の会合を開催いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、本日は泉政務官が途中で御出席いただく予定でございますので、おいでいただきましたらまたお話をいただきたいと思います。
 本日の議題は、1つワーキング・グループの御報告がございまして、その後は皆様に第3次計画に関して自由にディスカッションしていただくということが主な内容です。それから、起草委員会のメンバーの御紹介を後ほどさせていただくというのが今日の内容です。
 それでは、まず初めに前回の調査会でワーキング・グループから御報告いただきましたけれども、本日は女性に対する暴力に関するワーキング・グループについて御報告をいただきたいと思います。
 それでは、岩井主査からよろしくお願いいたします。
岩井委員
女性に対する暴力に関するワーキング・グループにおきましては、第2次基本計画の7項目にしたがって、いろいろ施策の評価などフォローアップをしてまいりましたけれども、今回の第3次の基本計画に向けた論点といたしましては、新たに第8としましてメディアにおける性・暴力表現への対応という項目を立てるとともに、4番目に子どもに対する性暴力の根絶に向けた対策の推進というものを新たに加えておりますが、それとともに以前はストーカー行為についての項目を挙げておりましたけれども、それは、よりさらなる対策を立てる意味で、第1の基盤づくりの方の項目に移しております。
 それでは、資料1の6ページの「男女共同参画基本計画(第3次)に向けた論点」というところから主に御説明をいたします。
 第1は「女性に対する暴力の予防と根絶のための基盤づくり」という項目ですけれども、いろいろな施策がなされているところですが、まだまだ女性に対する性暴力を容認するような風潮というものは減少しないところで、若年層を対象としました予防啓発や、メディアにおいて性暴力表現を強調しないような社会風土の醸成のための、いろいろな施策を、女性に対する暴力の発生を防ぐ環境づくりのために、これからも対策をとっていかなければならないということで挙げております。
 まず、防犯対策の強化が必要で、女性を性暴力から守る環境整備はまだまだで、性暴力、性被害から守られる環境というものをきちんと整備するということです。
 それから、「女性に対する暴力を容認しない社会環境の醸成」ということで、まだまだ性暴力を主体とする映画とか漫画、インターネット上の情報とかゲームなどにそういう表現が溢れている、氾濫しているということで、そういうものへの規制強化を検討するとか、公の場においても女性を性的な対象とする広告などが氾濫している状況に対して、禁止を検討していくということの項目を挙げております。
 それから、「被害者支援における官民連携の推進」です。女性の人権擁護のためのホットラインなどの整備がなされているということですけれども、包括的にそういう地方公共団体への相談などとの連携がまだまだ推進されていないのではないかということで、官民連携の推進を、より一層進めていかなければならないという項目を挙げております。
 それから、支援の多くは民間支援団体にかなりの部分を頼っているところについて、情報提供や財政支援をしていかなければならないということです。今回からストーカー行為への厳正な対処と被害者支援、防犯対策及び学校等における予防教育の推進というのは基盤づくりの中に、よりその対策を進めていく。まだまだストーカーに対する被害などが甚大だということは認知しておりますので、よりその対策を立てていくんだという項目を挙げております。
 次に、第2の「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等の推進」というところですけれども、今は市町村レベルで基本計画策定の義務化を検討するということで、やはり被害者への対応については地元の市町村における対応というものが最も重要視されますので、職員研修などを強化いたしまして加害者対応体制、被害者対応体制を強化していくということを挙げております。
 それから、相談体制の充実が更に求められるわけですけれども、実効性のある配偶者暴力相談ワンストップサービスを構築するということや、相談員の質の向上を図るということですね。それで、被害者の保護及び自立支援の促進を更に推進しなければならないわけですが、保護命令の発令というのはかなり増加している状況にありますけれども、更に実質的に保護命令を得やすい状況というものをつくっていかなければならないということで、DV防止法の退去命令などが少し減少しているということから、そこの退去命令期間を2か月に限定しているというところを更に検討して法改正も考えなければいけないのではないかということを挙げております。
 それから、加害者に対する加害者更生プラグラムを推進するということが今までもずっと課題だったわけですが、そのためのいろいろな調査なども行っておりまして、やはり更生プログラムに乗せていくためには加害者の処罰を更に徹底させて加害者更生プログラムに乗せていき、そして再犯を防止するという対策を更に推進することが必要だということです。
 それから、デートDVの被害などもかなり見られていることから、ここの対策の中で交際相手からの暴力の被害者の保護というものも項目に挙げております。若年層の予防啓発の促進でありますとか、被害者への支援・法の対象の拡大というものの検討を挙げております。
 次に[3]の性犯罪への対策の推進というところですが、性犯罪といいますと刑法における強姦や強制わいせつというものを思い浮かべるかと思うんですけれども、広く性暴力に対する対策ということで、強姦や強制わいせつなどの検挙件数などはそう増加はしていないんですが、やはり性犯罪の被害というのはいろいろな調査におきましては被害に遭ったという方たちが非常に多いわけですね。ですから、かなり潜在化している。そこのところが問題だということで、性犯罪を潜在化させない社会環境の整備ということをまず第1に挙げております。
 性暴力被害者専門のワンストップ支援センター設置の促進、24時間対応できるような、性被害を訴え得るセンター設置促進というものを更に進めていくということですね。そういう相談センターを充実させるということと、そういう性犯罪の被害者の心身の回復を図るための総合的な施策というものは必要なので、被害者の心身の回復への包括的支援体制を、より整えていく必要というものを挙げております。
 それから、性犯罪といいますのはやはり親しい仲での性暴力、性犯罪被害というものが、より潜在化しやすいということで、教育・医療・社会福祉施設、スポーツ等の分野における性犯罪の対策を更に指導的立場の者に対する啓発等を進めていかなければならないという項目を挙げているわけです。
 それから、性犯罪への厳正な対処がやはり必要なわけで、一般からの要望もなされているようですけれども、刑法における性犯罪規定、強姦罪等の規定の仕方の見直しなども検討していく必要があるということです。
 その次に[4]としまして、「子どもに対する性暴力の根絶に向けた対策の推進」というものを新たに挙げました。それは、児童に対する性的虐待なども含め、子どもの性被害というのは非常に大きいものがあるということ。それから、近年の児童ポルノなどによる被害、児童ポルノや児童買春などが非常に社会問題化しておりますので、関係法令の厳正な運用と規制の強化を図るとともに、児童ポルノ法などの改正を提言いたしまして、より厳正な規制をし、対策をとっていくことを挙げております。
 今やインターネットや携帯電話などの普及によって、より子どもたちが被害に遭いやすい状況にありますので、更にそういう子どもに対するメディア・リテラシーの向上を促進するということを挙げております。保護者の意識啓発も必要であるということです。
 それで、児童買春の被害者である子どもに対応するのも、今までつい被害者の子どもたちが非行少年として扱われるという傾向にあったことを、何とか被害者として支援をしていく適切な対応をとる必要があるということを挙げております。
 それから、[5]の「売買春への対策の推進」です。それは、やはり売買春への根絶に向けて関係法令の厳正な運用と取締りの強化を行うということと、被害からの女性の保護、心身の回復の支援や社会復帰支援を推進することが必要であるということで、より啓発活動を推進するということを挙げております。実態調査をもう少しする必要があるということで、そういう実態を把握するとともに、どういうふうなところに防止対策の重点を置かなければならないかということについても検討する必要があるということです。
 それから、[6]に「人身取引対策の推進」というものを挙げております。昨年改定されました人身取引対策行動計画に沿いまして、人身取引防止対策や被害者支援対策などの取組を、より推進していくことが必要なんだということ。それから、実質的に人身取引の被害者の保護に当たるために、多言語ホットラインなどを運用するとか運用支援をする。それから、そういう被害者に対しては民間支援団体が主に保護に当たっているわけで、それらの団体との連携によって支援体制を充実させていくということと、その後の中長期的な保護施策も検討していく必要があるんだということを挙げております。ここでは男性被害者も無視されないんだということで、男性被害者の保護施策の検討という項目も挙げております。
 次に、[7]で「セクシュアル・ハラスメント防止対策の推進」です。これは、雇用の場におけるセクシュアル・ハラスメントの防止対策を更に推進するということと、事業主の意識改革を更に進めるための対策をとる必要がある。それから、教育・医療・社会福祉施設等における防止対策を更に推進する必要があるということです。
 それで、公立・私立学校における対応状況の報告を義務化することも検討する必要があるということです。加害者への厳正な対処ということと、セクハラに対する被害者の心理的ケアの体制も整備していくことが必要だということを挙げております。
 [8]は、新たに設けました「メディアにおける性・暴力表現への対応」ですけれども、今、バーチャルな形での性暴力のゲームなどもかなり普及していて、非常に国際的な非難も浴びているというところなわけですね。それで、パソコンゲーム等バーチャルな分野において女性に身体的な暴力を加えたり強姦するような表現について、法令の規制の強化についての検討が必要であるということで、メディア産業の性・暴力表現の規制にかかる自主的取組を更に推進するとともに、そういう性・暴力表現に対する新たな規制の仕方というものをきちんと整備し、新たな法規制を整備していく必要があるということです。
 そういう性・暴力表現というものがどの程度人々に影響を与えるのかということについてもいろいろ見解が分かれたりするものですから、実質的にはその被害についての調査を実施する必要があるということを挙げているわけです。
 大体この8項目を論点として挙げております。以上でございます。
羽入会長
ありがとうございました。
 今の御報告、御説明に関して、補足意見や御質問がございましたらどうぞ。
 では、岡本委員どうぞ。
岡本委員
2点、意見がございます。
 1つはセクシュアル・ハラスメントへの対応の部分なのですが、現在の均等法ではセクハラの定義が、被害者が望まない性的言動となっていますけれども、ここの定義の中にやはりジェンダー的な視点を入れていくべきではないかと思っています。いわゆる性別役割分担意識に基づくというんでしょうか、そうした言動ということを入れていかないと、人的人権侵害というものはなくならないのではないか。人事院のガイドラインの中にはそういった部分もきちんと入っておりますので、民間の部分にもきちんと入れていくことが必要ではないかと思います。
 それから、「メディアにおける性・暴力表現への対応」の部分ですけれども、自主的な取組みの促進というところで、例えば放送ではBPOという組織があって青少年委員会などでこういった対応をしておりますけれども、やはりこういった部分の体制強化ということは大変重要だと思います。放送以外の新聞であったり出版のところでこういった第三者機関の設立は非常に望ましいと強く思います。かなり難しいということはわかりますけれども、放送においても設立に至るまではかなり長い時間がかかった上で今の姿になっているということを考えれば、きちんと対応していくことが必要だろうと思います。
 それから、インターネットの部分です。これは、放送で言えば法律で公序良俗に反しないことということが入っていますが、通信においてはそういった部分は一切ないわけですから、今のままでいくとなかなか規制をしていくということは非常に難しいと思いますし、また表現の自由というところを考えますと、ここの部分について規制をかけていくということは、ある意味これまでもいろいろな法律の中でメディアからの反発が非常にあったわけですが、表現の自由との関係をどうしていくのかということは非常に難しい課題です。
 もし対応したとしても、網の目をくぐって、特にインターネットの場合は相当な発信力があるわけですから、そういったことへの対応はかなりきちんとしていかないと無理だろうと思っています。
 そこで考えられるのは、やはりコンテンツに対する規制ということではなくて、流通段階でどのようにそのことを規制できるかということを研究していくことが大事だろうと思います。
 それから、メディア・リテラシーは本当に大事なことで、やっとというか、最近は小学校、中学校でも対応するようになりましたけれども、ここのところをきちんとした研究者がきちんと教えていくのは大事なことだと思いますし、また逆に言うと現場に関わっているメディアの人間がそのことを積極的に学校現場で発信をしていくことも重要だと思っています。以上です。
羽入会長
ありがとうございます。ほかにはいかがですか。
 それでは、山田先生、辻村先生、桜井先生の順番で、ごく簡単にお願いできますか。また全体の議論もいたしますので、お願いいたします。
山田委員
セクシュアル・ハラスメント防止対策のところでひとつお願いですけれども、やはり定義があいまいなために非常に現場が混乱しているところもあります。私も身近に幾つか事件等がありまして、ただ指導と言ってホテルに女子大学院生を呼び出した大学教授というのもいまして、それがセクハラになるのか、ならないのかというところで問題になったこともあります。
 逆に、女性の先生から男子学生をよく自宅に呼び出しているんだけれどもこれはいいのでしょうかというようなことも聞きましたので、この点に関しては是非例示なりを具体的に付けていただくようにお願いしたいと思います。もちろん、施策に細かく書く必要はありませんが、施策として具体的にこういうことはセクハラとされても致し方がないというようなものを付け加えていただければと思っております。
辻村委員
配偶者等からの暴力防止法、要するにDV法について2点お尋ねいたします。
 本日の資料の9ページのところにデートDVの話が出ておりまして、暴力の被害者の保護ということが書かれております。もちろんデートDVは非常に重要な問題で、被害がある限りは救済の必要があると思うのですけれども、他方でこのDV法ができましたときに配偶者に限定するということが法的な立法趣旨でございまして、その内縁関係までは配偶者として入れるというところで決めたわけですね。
 ところが、デートDVまで入ってきますと法的根拠や立法趣旨が多少変わってくるかと思います。特に、暴力で暴行傷害罪になるということであれば、これは刑事犯の暴行傷害罪で起訴すればいいわけですけれども、保護命令の対象にするということになってきますと、これは社会的にも相当反響があることだと思いますので、委員会の方でどのような論理でもってその配偶者暴力防止法にこのDVの交際相手を含めていくのかという、そこの論理は相当詰めないと問題があるのではないかという点が1点でございます。
 第2点は、女子差別撤廃委員会の勧告の中の32パラグラフにもやはり懇切丁寧に勧告されておりまして、ここでは移民女性でありますとか外国女性でありますとか、社会的弱者グループの女性を含むメンバーに対する支援ということが言及されておりますので、少なくともどこかにそういったことについての対応も触れた方がいいのではないかと思いました。以上です。
桜井委員
幾つかありますが、1点目は、性被害を受けた、あるいはDVの被害を受けた女性たちの実態が、そこがDV防止法の2度の改正も経てまだまだ十分解明されていないのではないかと私は思います。
 2点目は、施策はさまざまに打たれているのですが、それが本当に実効性が伴っているものかどうかという検証もまだ少ないかと思っています。そういう視点で見ますと、監視・影響調査へのつながりがどういうふうになっているのか、ということが1つございます。
 例えば、一昨年、総務省がDV防止法についての施策の有効性を検証する調査をしました。その結果を見ますと、やはり就業自立支援のところに向けての成果がなかなか上がっていないという結果も出てきたかと思います。それは、例えばDVの被害者が少なくない母子家庭の母親を対象とした公共職業訓練コースがあっても、保育が付いていなかったり、受付のハローワーク窓口で十分な対応ができずに受講につながらなかったりとかということで、なかなか実効性が上がってこない。今は一つの例ですけれども、それが幾つも見受けられたかと思います。ですから、新たな施策も大事ですが、今の施策の実効が上がっているかどうかというところをしっかり検証する必要があり、その意味で監視・影響へのつながりが見られるといいかと思います。
 そして、そのときに最初に申し上げましたが、実態がなかなか見えてきていないというところは、例えば母子家庭とDVの被害との関係ですとか、移住女性あるいは在住外国籍女性の中のDV被害の実態ですとか、それからDVのある家庭で育った子どもへの影響など、そういったことについてきっちりした調査がまだなされていないのではないかと思っております。
 それからもう一つは、第2次でもそうだったんですけれども、性被害やDV被害を受けないように、予防とか防犯という言葉が使われていますが、女性たちの被害の実態をみると、それを防ぐ方策のあれこれを、予防とか防犯という言葉で表現するのは、ちょっと違うなと思っておりまして、そこのところは何とかならないのかなと思います。以上です。
五條委員
高齢者女性に対する暴力だとか虐待の問題に関してですけれども、地方は農村部も含めて全国一般よりも平均寿命が非常に長くなってきている。そういう中で、むしろ守ってくれる夫との死別の後の高齢者女性について、例えば家庭内や施設などでの暴力あるいは虐待、それに準ずるようなことの可能性について、そうしたところに焦点を当てた議論というものが今まで行われてきたことがあるかどうか。その実態把握も含めてですね。
 それから、そうしたことへの対策という点で言えば、現場の民生委員さんと行政との連携といったようなことも非常に大事な課題になるわけですが、そうしたことも含めて、この課題についての対策について議論が行われてきたことがあるか。その点について、お伺いしたいと思います。
石川委員
この売買春への対策の推進のところで、性教育における売買春防止の導入というものがあるのですが、私も2次予防、3次予防というのは常々すごくコストがかかって、1次予防が非常に大事だという観点で見ているんですけれども、ここのところで売買春への対応というのは学校教育でどういうふうにしたらいいんだろうと非常に悩みながら見ていました。
 具体的に取組例としては高等学校、大学校におけるプログラムづくりの推進というものがあるんですけれども、具体的にどういうふうにしたらいいのかというのがありまして、委員の先生方あるいは委員会の中で何か議論があったのかどうかお聞かせいただければありがたいのですが。
羽入会長
ありがとうございます。今、幾つか御質問、それから要望もございましたが、岩井委員の方で既に議論をしてくださっている点についてお答えいただけますか。
岩井委員
かなりメディアへの対応という問題につきましては今、新しく生じてきバーチャルなゲームソフトなどの問題性、具体的にどのようなゲームソフトが流布しているか等についてフォローを行いました。
 ただ、その法規制をどういうふうになし得るのかということは非常にいろいろなところでの反発があって難しいので、皆で対策を一生懸命考えている状況で、決定的なものというところまでいっていませんので、有効なものについて御提案がありましたらいろいろお教えいただきたいと思っております。
 それから、DV防止法をデートDVなどに広げることには問題があるのではないかということなんですけれども、ただ、やはり身近な男性といいますか、そういうものからの被害などについては地元のDV相談センターですね。そういうところで相談を広く受け付ける。そして、対応策というものを相談し得る。そういうところは広く認めていこうということでやっております。保護命令までいくのかというのは、法改正をどういうふうにするかという問題になってくるだろうと思うんですけれども。
 それから、移民女性ですね。それについてもかなり大津委員などから御意見が出ておりましたけれども、やはりそういう相談体制の中で対処を拡大していこうという話になっております。
 それから、DV防止法の施行状況についての実効性の検証ですが、夫から妻、配偶者間の暴力がどういうふうになっているかということもなかなか数字としてつかめないというところで、いろいろ警察の方からもそういう数字がつかめるようなデータを出してくれるようにというふうに要望を出しておりますが、なかなかそのところの実質的な実態調査まではいっていないのかと思っておりまして、これからの課題の中に入れていかなければと思っております。
 実質的に就業自立支援というものがきちんとなされていなくて非常に困難な生活状況にあるという調査結果は踏まえておりまして、それへの対応を立てるために各地方公共団体といいますか、地方、地域の方でも対策を立て、民間の支援団体などとの協力の下にその態勢を整えるようにというふうに論点を挙げております。
 高齢女性の暴力や虐待の問題ですけれども、やはり女性に対する暴力ということが課題ですので、むしろ性虐待とか児童ポルノとか、そういう子どもの方にかなり関心がいっているかと思います。
 ただ、やはり高齢者への暴力、虐待の問題というのは女性だけの問題ではないのではないかということで、特別ここで重点的な項目として挙げることはしていないのですが、少し考えていきたいと思っております。

(泉政務官入室)

羽入会長
ありがとうございます。それでは今、泉政務官においでいただきましたので、お話をいただけましたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
泉政務官
どうも皆さんおはようございます。
 今日は、第53回の男女共同参画会議基本問題・計画専門調査会ということで皆様にお集まりをいただきました。福島大臣を含め、政務三役は本当に皆さんそろって議論に参加をさせていただきたい気持ちなのですが、一方で国会日程等々がございまして、本当に大臣は日々、国会に拘束をされているという状態でありまして、大変申し訳なく存じます。
 是非、今後の男女共同参画の基本計画に向けて、皆さんにまたお力、御英知を集めていただきたいと思いますし、いいものをつくり上げていきたいと思うわけですが、2、3報告をさせていただきたいと思います。
 1つは、我々は真剣にこの政権の政務三役、男女共同参画の成果を上げていきたいという思いがありますので、日々のさまざまな審議会や検討会、政府でつくる場合の男女共同参画率というか、女性の率を常に気にしながらやっております。そういう中で、今回交通安全の政策を担当させていただいているのですが、これまでは男性の専門家中心の専門調査会だったわけですけれども、今回は女性の比率を40%にまで何とか引き上げることができました。これ一つだけではなく、今後もさまざまなところで女性の比率を一生懸命上げていく努力をしていきたいと思います。
 改めてそのときに感じるのは、やはり女性のさらなるさまざまな場への登用というものがなければ、そもそもこういう審議会や検討会の中に入っていただく実績をなかなかつくっていただいていない世の中の環境があるんだなということを実感しておりますので、特に科学技術の分野等々、理工系の分野には本当女性が少ないということを痛感しておりまして、そういったことも是非今後取組をしていきたいということです。
 そしてもう一つは、今月中に子ども子育てビジョンという以前の少子化社会対策大綱になるわけですが、これを政府の方で発表いたします。その中で位置づけましたのは、もちろんワーク・ライフ・バランスというものをしっかりと位置づけて、そしてM字カーブの解消に取り組んでいこうということをしっかり銘打ったことと、例えば不妊治療あるいは育児ということについて、意識的に「男性も女性も」というフレーズを入れさせていただきました。何となく不妊治療対策に取り組みますではなくて、男性も女性も不妊治療対策が必要なんですということだったり、男性も女性も育児やワーク・ライフ・バランスが必要なんですと、改めてそういう言葉を書かせてもらわないと、男性の意識はまだまだ追いついていないと思いまして、そういったことを今回書かせていただきました。
 そういったことで、ワーク・ライフ・バランスや子育て支援や、いろいろなところと連携をしながら社会全体として男女共同参画を進めていくということで、今もこれからもまたずっと頑張り続けていきたいと思いますので、皆様にもお力をいただければと思います。
 今日は、この後、私は今度は貸金業のプロジェクトチームが11時からありまして、今日は皆様にごあいさつと思ってやって参りました。大変申し訳ありませんが、どうか皆様の御議論に期待をいたしておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 では、これで失礼をいたします。
羽入会長
ありがとうございました。
泉政務官
本当に失礼をいたしまして申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いします。

(泉政務官退室)

羽入会長
ありがとうございました。
 岩井委員、どうもありがとうございました。今の御質問、それから御提案など、今後調査会の方でも御議論いただけることだと思っておりますが、監視・影響調査との関係がございましたので、その調査会の会長でいらっしゃいます鹿嶋先生に一言お願いします。
鹿嶋会長代理
いわゆるDV対策が実効性を持ったかどうかという検証は監視・影響調査専門調査会の一つの監視項目であるとは思っていますが、ただ、それをどうするかという議論はまだしていませんので、今後暴力の専門調査会とも相談しながら課題として受け止めていきたいと思っています。
羽入会長
ありがとうございます。
 それから、ただいま幾つか御質問の中にもございましたけれども、やはり第3次計画は実行可能なものにする、そして、具体化する、ということを私たちは一つの目標にしてまいりましたので、例えば先ほど山田委員からもございましたけれども、具体的な例を示すことによって定義を明確にするということもやはり必要なのではないかと考えて聞いておりました。
 それから、女性に対する暴力というときに、ジェンダーの視点を入れる必要があるのではないかという御意見もございましたけれども、そういったことも今後、岩井先生の調査会の方で御議論いただければと思っております。
大熊委員
簡単なことですが、五條先生の御質問と岩井先生のお答えにちょっと補足ですけれども、この問題は農村に限らず都会でもあるということ。それから、配偶者の旦那さんが死んでしまってから深刻になるのではなくて、年を取った旦那も要介護のときに奥さんをかなり虐待する。娘さんが行ってみたらフライパンがへこんでいて、それは父が母を殴ったせいだということを有名なアナウンサーが言っておられました。そういうことで、夫も妻を虐待する。
 それから、都会で割とありがちなのは、息子さんが仕事を辞めてお母さんを見ている。そうすると、お母さんの年金で暮らし、密室の中でどんどん追い込まれていって息子さんが母親を虐待するということも多うございますし、それからグループホームなどで疲れ果てた職員が暴力を振るうときも相手は女性でありますので、割とこれは高齢女性に特徴的なことかと思います。そういう問題を老人虐待の方の研究者たちが研究しておりまして、またそれとつながせていただきますのでよろしくお願いいたします。
羽入会長
ありがとうございました。
 それでは、全体の議論に少し移りたいと思います。今後、答申をつくっていくわけでございますけれども、その論点を議論していきたいと思います。皆様のお手元に資料2がございます。前回も配布させていただきましたけれども、「答申に向けた論点(案)」というものがございます。これは、何かの議論の参考にというふうに考え、事務局が用意してくださったものです。
 それから、その次の参考1は第2次の基本計画の構成でございます。
 そして最後のページ、参考の2でございますけれども、横書きのものです。これは私たちがこの調査会で議論をし、そしておおよその重点事項を想定し、それに基づいてワーキング・グループを開催し、前回と今回御報告いただいたということでございます。このような構造の中で、今後第3次基本計画を策定していく際の論点を今後整理して合意に達していくように努めたいと考えております。
 次回もう一度この論点の整理という機会がございますが、前回の議論も踏まえ、そして次回できるだけその論点を整理していくというプロセスでの今回になります。前回までのワーキング・グループでの資料はお手元の緑色のファイルの中にもございますけれども、それも御参考にしていただきまして御自由に御議論いただきたいと思います。
 前回、皆様からいただきました議論の中で、やはり特徴的だったのは先ほども申し上げましたけれども、具体的な数値を出して評価を可能にするということがあったかと思います。そして、そのためには制度をどう整えるかということもありました。そして更に、中間目標を設定したらどうかというような議論もあったかと思います。また、その際にジェンダー統計というものが必要になるだろうということもあったかと思います。
 少し振り返っていただきまして、前回と今回のワーキング・グループの御報告を元に皆様の方から御自由に御提案、議論していただきたいと思います。いかがでしょうか。
 では、まず山田委員、石川委員のお2方からお願いします。
山田委員
前回、欠席してしまいまして申し訳ございませんでした。山田でございます。
 やはり、私は「答申に向けた論点」の中で社会情勢の変化についての現状認識というところが一番大きなところだと思っております。それは、社会情勢が大きく変化しているのだから従来の男女共同参画の推進のための施策が本当は変化するべきではないのかという問題意識を持っているからです。逆に言えば、今の男女共同参画の政策の中にはいわゆる昔というか、二十数年前の状況を前提としたものがあったのではないかと思っているからです。
 私は正規、非正規問題を研究もしておりますが、逆に言えば1985年に均等法ができたころは、未婚女性のほとんどは正社員だったんですね。だから、結婚して出産したりして正社員を継続させるための方策を考えればよかった。逆に、非正規社員の大部分は既婚女性だったのでその待遇改善を考えればよかったのでしょうけれども、現在は2005年のデータであっても学生を除く未婚女性の5割弱、4割以上は非正規なんです。
 そういうときに、正社員ならば結婚・出産しても継続できるというような制度がそのままであれば、それは未婚時代に非正規なり、失業して無職なりした人のことは放っておかれているというふうに考えざるを得ない。そこが、今、逆に性役割分業に賛成する20代未婚女性が増えているという大きな要因になっていると思います。そういうふうに状況が大きく変化している中で、男女共同参画の施策の中にはそれに対応していないものもあるのではないかという問題意識をまずひとつ指摘しておきたいと思います。
 次に、私も参加した男性ワーキング・グループですが、前回私は欠席してしまいましたので、一応見ましたけれども、そこでどのような詳しい議論がなされたかということはわかりませんが、私は今、起きているのは女性差別的な慣行というものが逆に男性に対してしっぺ返しがきているのではないかという問題意識を持っております。つまり、男性の特権から外れた男性というのがどんどん出てきてしまって、それが今、特に困難になっている。男性の現状というところに男性の孤立等、新たな問題が出てきているというふうに出てきましたが、そこにあるのではないかと思っています。
 1つ例を挙げさせていただくと、もちろん就職差別、新卒一括採用といったものが、女性がさまざまなライフコースをたどる中で正社員になったりするのを困難にしているということはよく指摘されていますし、更に正社員、非正規社員の大きな格差というものが主に非正規社員なり一般職に就いている女性の能力発揮を妨げているという議論があります。
 もちろん、このような問題というのはこの中でも指摘されているように、統計的に見れば女性に多く見られる問題ではありますが、実はその男性の特権に入ることができなかった男性にとっては多分もっと困難な状況ができているのではないかと思っております。最初に父子家庭の問題、いわゆる母子家庭にはサポートはあるけれども、父子家庭にはサポートがない。つまり、今まで父子家庭というものはほとんどないものだと思われていたということがあると思いますし、非正規になった男性は結婚しにくいということも今までは非正規の男性がいなくて男性が全部特権の中に入れたから問題は起きなかったんでしょうけれども、かえって非正規の男性も増えてきていますので、むしろそういう非正規の男性の困難というものが目立ってしまうというところがあると思います。
 男性と女性を分けてみると言う見方自体がよくないというのがそもそもの男女共同参画の趣旨だと思いますので、別に非正規になってしまった男性が自分でその制度をつくったわけではないですし、そういうことに対する配慮は必要かと思います。
 つまり、女性を差別する慣行の最大の被害者が男性の特権に入れなかった男性であるとも言えるわけですので、その点についての配慮、書き込み、逆に言えば女性差別慣行をなくすことはそういう意味で男性のためにもなるという形で啓発なり制度の変更、具体的に言えば新卒一括採用システムや、就職における年齢差別がおかしいであるとか、正規、非正規の賃金格差、待遇格差、社会法格差が大きいだとか、そういうことを議論するのに、これは女性だけのためではなくてそういうルートから外れた男性のためでもあるというところを強調していけたらと思っております。これは、第2点です。
 第3点として、「重点事項の考え方について」というところの中で教育が後退しているのかなというような感想を持ちました。もちろん各項目の中には教育の重要性、先ほどの暴力に対するワーキング・グループの中でも教育の重要性というのは述べられているんですけれども、やはり全体としてひとつ教育における男女共同参画の重要性というものをもう少し強調してもいいかなという感想を持ちました。以上です。
羽入会長
ありがとうございます。今、山田委員がおっしゃった教育というのは、教育現場の話ですか。一般的な教育ということですか。
山田委員
一般的な話でございます。
羽入会長
ありがとうございます。
 では、石川委員どうぞ。
石川委員
山田委員の意見で、教育の重要性、学校現場の重要性というのは私も非常に重視していただきたいと思っております。
 それからもう一点は参考の1ですが、重点分野のところで[8]ですけれども、「生涯を通じた女性の健康支援」とありますが、私自身は重点事項の[6]にありますように男女の性差に応じた健康支援というような形で議論していきたいと思っております。したがって、もう少し大きくとらえていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
羽入会長
ありがとうございました。
 大隈委員、どうぞ。
大隈委員
私は生物系の研究者であるということに立脚しておりますので、皆様のお考え方と若干違うところがあるのかもしれませんが、女性が男性と同じである必要はないと私は思っておりまして、それこそ地球上で生命が脈々と有性生殖を行ってきて、私たちは現在に至っているといった立場から物を見たときに、均一化する必要は全くないと思うんです。
 ですから、女性であるということが個性の一つであって、それぞれの人の個性がかがやけるような社会が望ましいのではないかという立場で物を見ています。それで、そのときに重点項目の中にいろいろあるんですけれども、今回ちょうど12月に新成長戦略ですか、民主党さんの基本方針というものがちょうど出たところですが、そういった中で柱の中にちゃんとイノベーションがグリーンと、それからライフというものが2つ掲げられているわけですけれども、そういったところでの女性の参画というのは、まさにイノベーティブなものをつくり上げていくときに、多様な人たちが関わるということが非常に重要であろうということを是非考えていただいて、こういった第3次の基本計画の中にも盛り込んでいただけないだろうかということで、改めてもう一度これを見直して見ているんです。
 といいますのは、政策方針決定過程への女性の参画の拡大の中にどうも政治、行政、企業、科学技術等が意思決定における女性の割合が低いので、その中にという書きぶりになっているんですけれども、我が国は一応科学技術立国ということをうたっている国なわけですから、こういった第3次基本計画の中でも、私はもう少しそこの辺りのところが明確に見えてくるような項目立てにしていただけないだろうかということを考えます。以上です。
羽入会長
ありがとうございます。
 今、大隈先生がおっしゃったような多様な人、多様な個性がかがやくというのは、恐らくここで更に議論をしてきたことではないかと思いますので、そういった形での素案づくりが必要かと思います。ほかにいかがでしょうか。どうぞ、御自由に。
 では、桜井委員、どうぞ。
桜井委員
今の御意見に対してと、そのあと重点項目についての意見を言わせていただこうと思っています。1つは山田先生の御意見にですが、男性のためになることをやった結果、男性が最大の被害者になってしまったということをおっしゃったけれども、これは男性のためにやったことが男性の首を絞めていることがあるというのは理解できますが、男性が最大の被害者であるということについてはいかがなものかと思っています。
山田委員
男性が最大と言ったわけではなくて、男性の特権から外れた男性ということです。
桜井委員
そうなんですけれども、男性の特権から外れた男性が最大の被害者であるというのは、やはりどうかなあと思ってしまって。基本は、ジェンダー格差の中で何層にも差別を受けている女性たちが被害者であり、だから男女共同参画を推進していきましょうということだろうと思うので、その「最大」というところに引っ掛かってしまいました。
 それから、確かに個性は個性でもちろん多様化ということで重要なんですけれども、やはり男性と女性のジェンダー格差がある。社会的格差があるというところも一方で押さえておかないと、すべてが個性で片付けられるものではないというところも私たちは押さえておかないとまずいかなと思いました。
 その上で、分野と重点項目ですが、資料3の「主なご意見」というところの最初に書いていただきまして、これはとてもありがとうございます。地域社会一つを取ってもこれまでと違う視点というか、状況が出てきていますし、そこをちゃんととらえていないと第3次の計画がうまく回っていかないのではないかと思います。まずはどこを重点にしていくかというところを押さえ、それから分野の分け方もこれまでの踏襲ではなくて、やはり今、見えてきたこと、山田先生がおっしゃった非正規雇用の問題ですとか、貧困の問題ですとか、在住外国人の問題ですとか、それらも含めて社会の男女共同参画をどう進めるかという視点がやはりどうしても欠かせないと思います。そこに注目するとやはり今までの12分野をこのまま踏襲するということについては大いに疑問があって、2010年につくった第3次基本計画という新しさがないといけないかなと。
 そのときに、大きく私が取り上げていただきたいと思うのは、分野もさることながらもう少しそれこそ成果が上がる具体的な課題解決に結び付くような推進体制をどこまでつくれるかということが勝負になるかと思っていますので、推進体制について、是非お願いしますというか、一緒に頑張りたいと思っております。
羽入会長
ありがとうございます。
 今の御発言にありましたように、やはりどういうふうに実行していくか。そのための体制がどういうふうに必要なのかということを具体的に示し、そしてそのときの目標も示し、どこまでできたかということが最終的にわかるような形にすることが重要ではないかと考えております。したがって今、桜井委員からございましたけれども、重点事項と重点分野という枠は少し取り払って考えていくことが必要ではないかと思います。
桜井委員
どういう整理がいいのかというところも考えていかなければいけないと思います。
羽入会長
そうですね。
鹿嶋会長代理
今から議論が始まると思うのですが、重点事項と重点分野は最初にこの言葉の紛らわしさを議論したのですが、多分重点分野はいいとしても重点事項という言葉については別の言葉に置き換えていく必要があるかと思っています。
 重点事項というのはいわゆる第3次本計画の特徴を挙げるものですから、事項とするのではなくて、一番わかりやすいのは「特徴」ですね。第3次基本計画というのはどこに特徴があるのかということ、そしてどこにポイントを置こうとしているのかということを列挙するわけですから。その意味では重点事項といった表現でいいのかどうかまで検討していく必要があると私は思っています。
羽入会長
私も今、鹿嶋委員がおっしゃったことと同感でして、もう少し第3次の特徴が出るような形で持っていくことを心掛けたいと思います。
 それから、山田委員が最初におっしゃった現在の社会がどう変わっているのか。2次のときと3次のときと著しく違っている部分もある。それもきちんと把握しているということが明確に示される必要があるかと思っております。どうぞ御自由に御議論を。
 では、家本委員、坂本委員とどうぞ。
家本委員
簡単に2点ですけれども、今おっしゃっていただいた話と、山田委員がおっしゃっていた世代、時代の変化の中の話と、それから外国籍の人の話の2点に絞ってお話をしたいと思います。
 1つは、世代の男女共同参画の理解に対する認識の格差とか意識の差というのははっきりあると思うんです。それで、私たちの世代の周辺、均等法の後の世代とか、男女共同参画基本法ができたときのタイミングから社会に出てきている世代の人たちと、そもそも先ほど山田委員がおっしゃっていた1985年というものが一つのタイミングかもしれませんが、その少し前のタイミングとで大きく社会の中の、特に企業における男女共同参画の意識というのはかなり差があるんじゃないかと思うんです。
 ただ、これは私自身も差があるんじゃないかという感覚の問題でしかなくて、ではどれぐらい世代間の意識の差があるかというのはなかなか具体的なデータで網羅し切れていないと思っています。
 それで、これからの若い世代がどういうふうに男女共同参画について意識していくかということについて、少し世代間のギャップがあり過ぎた話になってしまうと、実効性の話のところについても具体的なところに進んでいかないのではないかという危惧が1つあります。
 それからもう一つは、私どもの会社は従業員の3割以上が外国籍なんですけれども、今、日本でも1.74%の外国籍の登録者数が2008年の終わりにいる段階で、特に若い同じように外国籍の人たちがどんどん日本の中に入ってきて働いているという環境があります。広く特別に女性、男性というところだけではなくて、こういう人たちが日本の中に来て働いて日本の人と結婚をして新しい家庭社会を築いていったりする中で生まれてくる男女共同参画の中の問題というのは何があるんだろうかというところについては、余り接点が今までなかったのではないかと思っています。
 移民の議論とか、そういうことではなくて、単純に日本の社会の中に入ってきて日本の人と結婚をして日本の社会の中で生活をしていく上で今、本当にニーズが一気に増えていますから、そういうところ何か隠されているものはないかということについてはもう少し見られるものがあるのではないかと思っています。以上です。
羽入会長
ありがとうございました。
 坂本委員、どうぞ。
坂本委員
「第3次基本計画の重点事項の考え方について」という参考2のチャートが多分最初の出発点だったと思うんですけれども、今までの御議論や御意見を伺っていてもそうなんですが、今度の第3次を実効性のあるものにするにはこの現状認識のところを私たちがどうとらえているかということをもう少し山田委員も御指摘があった、今、日本の社会が抱えている非常に切実な課題というものをしっかりととらえておく必要が国民に対する計画の関心を高めるし、このことを遂行することによって社会が変わっていくのではないかというインパクトを与えられるとても重要な部分だと思います。ここをもう少し丁寧に見ていく必要があるかと思います。
 人口減少社会になって、さまざまなひずみが起こってきています。その中ではやはり労働力不足というものは確実に出てきていますので、そこにおいていろいろなインパクトを実はこの男女共同参画の視点というものが与えていくんだということが、今までの議論の中でもあったと思うんです。働く制度を修正していくような課題も含めてそうですけれども、保育園の問題などもそうだと思います。
 それで、人口減少というところで考えると、グローバル化というのが流出と流入の両方を考えていかなくてはいけない。そう考えていくと、これから外国人労働者に介護や福祉の分野をいっぱい頼るというところでは国際的なところも絡んでくるということがあると思います。
 それから、情報のところでは子どもたちは本当にインターネットと身近に接していますので、メディアの問題なども絡んでくる。ですから、現状認識のところをもう少し鋭く精鋭化していくと、いろいろなものがクリアに見えてくるのではないかと思います。
 それから、重点事項、重点分野の考え方もそうなんですけれども、特に緊急性が必要で、緊急に対応すべきものを特出しするような計画のつくり方というのもひとつあるのではないかと思います。以上です。
羽入会長
ありがとうございます。それでは、岡本委員どうぞ。
岡本委員
感想的なことも含めてですが、私はこの議論に1年ちょっと関わってきたわけですが、議論の中で男女共同参画における課題はまさに今の日本社会そのものの課題だということを痛烈に感じたんです。貧困の話もそうですし、地域間格差の課題であったり、孤立化の問題であったり、格差の二極化の問題であったり、すべてが今この国が抱えている課題なわけです。
 そういった意味では、まさにその現状認識のところをいかにきちん書き込みながら、これは女性の問題だけではないんだということ、これらの課題を解決していくことが日本の将来、未来になっていくんだという気持ちが伝わるようなものになってほしいと思います。そのための推進体制というものも各省庁のヒアリングなどをしましたら、省庁間格差があるなということも感じました。そういったところをいかに巻き込んでいくかということが大事なんじゃないかと思います。
 この週末に、NHKで無縁社会という番組をやります。まさに血縁、地縁、社縁というものがなくなったときのこの国の人たちの在り方というか、今の状況というものを映し出す番組なんですけれども、そういったものをいろいろと見てみますと、本当に怖いということを痛切に感じています。そうした議論は男女共同参画会議のこの中でやってきたということを私は思っていまして、是非そういった意味ではもっと強くですね。もちろんこれは政府の重点施策なんですけれども、やっていかなければいけないと思います。
 それから、経営者をいかに巻き込んでいくのかということも重要なんじゃないか。実は、こういった議論の中でもちろん経営者の皆さんはいらっしゃるのですが、経団連とか商工会議所の方たちというのは余り入っていらっしゃらないこともあって、そういった企業を代表して企業の政策を旗振りする方たちがこの男女共同参画の計画についてどのように進めていこいうと思っていらっしゃるのかということがなかなか見えてこない。
 実は、先日、春闘が始まり、経団連の経労委報告の中にワーク・ライフ・バランスについて書いてあるんですが、例えばその文書一つ取っても企業の生産性、ワーク・ライフ・バランスを推進する前提として企業の生産性向上がなくてはならないということで、その前提がまず企業の生産性の向上なんです。そういうようなことで旗振りをされると、各企業の中でワーク・ライフ・バランスを推進していくということはなかなか進捗していかないなというふうに実は思いました。
 そういった意味で、今回の第3次のところで、経営者団体の方たちも含めてきちんと巻き込んでいくということは大変重要かと思います。感想的なことで申し訳ありません。
鹿嶋会長代理
議論の仕方として、今と中期と長期とこの3つの視点が必要だろうと思っています。今ということを考えると、やはり経済的な困難な問題ですね。この問題をどう克服するかということで、これは先ほど山田委員がおっしゃったとおりだと思っているのですが、やはり中期という展望も必要だと思います。
 中期は人によっていろいろと違うと思うんですが、例えば2015年、あるいは2020年で、2020年を見据えますと2020・30という計画がありますから、そのときにどういうふうに管理的立場、指導的立場に就く女性を増やしていくかという問題と同時に、非正規雇用者はこのままですと際限なく増えていくだろうし、やはり女性の非正規雇用が一番大きな問題としてクローズアップされると思うんです。非正規雇用が社会にクローズアップされた契機は、確かにその中に男性が混じってきたからだと思うんですけれども、やはり長期的、中期的に見れば女性の非正規雇用者の問題をどうするかという大きな問題があるわけで、2020年くらいまでを視野にいれれば、この問題がかなりクローズアップされてくると思います。 長期は何かというと、少子高齢化の問題と労働力人口の減少といったような問題だと思うので、この三段構えでこの計画は課題が盛り込まれていく必要があるのだろう。そういう中から、多分、重点事項もおのずと出てくるだろうし、そのための推進体制の整備は桜井さんが言ったように大変私も重要な課題だと思っています。
 推進体制を強力にすると同時に、やはり同一価値労働同一賃金の問題もお題目だけではなくて、きちんと現実の問題として対応できるような形に持っていかないと、非正規雇用と正規雇用の格差が身分制度になってしまうと思うんです。そこの問題をどういうふうに解決するかというのも、第3次基本計画の策定の中での我々に与えられた課題であろうと思っています。
羽入会長
ありがとうございました。ほかにいかがですか。
 では、五條委員どうぞ。
五條委員
各重点分野における男女共同参画を推進する上での手法とか、あるいは仕掛けということについて、それぞれ明確にしていくということが非常に大事だと考えます。共同参画の取組が非常にドラスティックに進展してきたわけではないけれども、着実に進んできたというのは、やはり女性の方々が潜在的に持っていた能力を発揮するようになってきた、あるいは力量を十分に発揮できるような環境を少しずつつくってきたということが非常に背景にあると思うんです。
 農山漁村の簡単な例を挙げれば、女性の方々が研修をするときに、固定的な性別役割分担意識に基づく研修会の内容を仕組んできたのではなくて、例えばそれから脱却して、財務諸表を勉強することによって農協の理事になれる力量をつくっていくとか、農地の問題をまともに研究して農業委員になれる力量をつくってきたとか、さまざまな取り組み方や、手法がそこには存在している。
 そういうことで、特に女性の方々が力量を付けてきたということが男女共同参画を進めてきた非常に大事な原動力になってきているということが大事なので、その点の環境づくりのための仕掛けや手法というものを各重点分野において明確にしていく。また、それが相互に分野ごとに重要な情報交換にもつながっていく。そんな点を少し意識して前面に出していくということが大事ではないかと考えます。以上です。
羽入会長
ありがとうございます。あと20分くらいは御議論していただけると思いますけれども、いかがでしょうか。
辻村委員
これまでおっしゃったことは皆様それぞれごもっともなことですので、それをどのように計画の中に組み込んでいくのかということがやはり一番大事です。時間的にも今日議論をして、次回くらいまでに計画の構成をつくっていかなければいけないかと思うんですけれども、確かに先ほど鹿嶋委員がおっしゃった三次元的なといいますか、時空、時間的なものですね。あとは二次元的なものとして、推進体制と分野の関係が出てくるかと思います。
 配られておりますマトリックスといいますか、重点事項の考え方を見ますと、縦に13くらい並んでおりますが、これは決して並列に並ぶべきものではないと思います。例えば、一番上の方針決定過程も、これは重点事項かもしれないけれども、ここで扱っている分野はまさに政治だったり、科学技術だったり、雇用だったりするわけで、すべてに関わっていますね。それで、下の方にある監視・影響調査もそうですし、国際もそうですし、一番下もそうですけれども、これはまさに推進体制ということですから、すべての問題に串ざしのように関わっている問題ですね。
 ですから、今の鹿嶋会長代理がいわれた三次元の前に二次元の方をもう少し明確にしていかなければいけない。もちろん現状分析があって、基本方針というものがある。基本方針の中に現状分析が入ってくる可能性はありますけれども、とにかく現状認識からどういう方針を立てるかということになってきて、そして全体にわたる問題がこの黄色で書いてあるところではないかと思うのです。ここには、方針に関わるようなことと、体制に関わるようなことが書いてあるわけです。
 そうすると、その中で今度は重点事項と分野との関係が出てくるのですが、第2次で掲げられた事項と分野というものはわかりにくいですね。事項が10項目で、分野が12項目ある。やはりこのやり方はやめた方がいい。この2つを一緒にして整理するという方がいいと思います。
 ですから、それとの関係で私は自分なりに考えた図があるのですけれども、それは法的根拠であるとか、女性差別撤廃委員会の勧告であるとか、意識の啓発だとか、組織だとか、そういったすべてに関わるような問題、方針に関わるような問題と、その下に今度は本当の個別の分野ですね。例えば、暴力の問題、ワーク・ライフ・バランスの問題、リプロダクティブ・ライツの問題、科学技術の問題もそうですし、そういうような二次元の配分をどういうふうに考えていくか。ここがポイントなのではないかと思いますが、それは今日の議論を経て事務局の方でいろいろな図案を考えていただくということでよろしいのでしょうか。
羽入会長
そのように考えております。それから、案を提案させていただいて次回ぐらいにもう少し詳しく議論をし、それを元にして起草ワーキングが動いていくというふうに考えております。
辻村委員
幾つかパターンが出てくると思うので、どれがいいかという話をしなければいけないと思います。
羽入会長
そうですね。それで、全体の記載の仕方かもしれないんですけれども、やはり鹿嶋先生がおっしゃっていたような5年後の到達目標と10年後、それからその先の到達目標というものがあり、なぜそういうことを目標に設定するかという現状認識が何であるかということをはっきりする必要があります。
 ですので、時間的に到達するべき目標というものをひとつ示す必要があり、そしてそのための政策というか、法律、制度を含めたものは何があり、そこの落差が何であるか。どう埋めるかということを考えていくことが必要かと思っております。
鹿嶋会長代理
辻村さんの言った重点事項と重点分野を一緒にするというのは、私は反対です。これは議論が必要かと思うですけれども、重点分野はある意味で広義の男女共同参画といいますか、そういうところまでかなり広く網を掛けていますので、これはある程度12、13と増える可能性があるのですが……。
辻村委員
そういう意味ではありません。分野は残して、重点事項を重点事項と呼ばないで、先ほどの特徴とか、そういうようになさるのであれば結構です。この言葉を2つダブルカウントで乗せていくというのはちょっと混乱があるという趣旨です。
鹿嶋会長代理
失礼しました。
羽入会長
少し言い方を換えると、こういう議論を経ていない人がごらんになってもわかるような、そういう示し方をしないといけないと思っています。我々でさえ重点事項、重点項目というのは多くの議論を何回かいたしましたので、そういうことのないような、言ってみればシンプルでわかりやすいものを心掛ける必要もあるかと思っておりますし、最初のころから議論していましたけれども、どういうふうにしてそれを周知させるかということが重要なことだと思いますので、その広報をどうするかということからも、やはりわかりやすい構造にするということが重要かと思っています。
 ほかに御議論はございますか。では、桜井委員どうぞ。
桜井委員
重点分野なんですけれども、そこのところが結局この基本計画を出すときに一番注目されるのではないか。それから、地方に行きますとどういう分野が掲げられていたのかということで整理をして各自治体が施策を打っていくというところがあります。ですから、重点分野あるいはそれに代わる特徴ですか、そこはしっかり書き込んでいただくということはもちろんですけれども、その分野の組み方ということについても、やはり短期、中期、長期とありますが、今、地域社会で暮らす人々が、あるいは全体として言えば日本で暮らす人たちが、ああそうだねと言うような違和感がない内容と表現、つまりわかりやすさが必要だと思います。これは今を映している2010年につくった基本計画ということがわかるような分野構成であってほしいと強く思います。
羽入会長
ありがとうございます。どこかの時点でそういう話も出ていたかもしれませんけれども、皆が自分の問題だと考えられるような形にしましょうということがあったかと思います。
 それからもう一つ、先ほど御提案がございましたけれども、経済界に大きな影響を持っている経営者の方に一度御意見を伺うとか、そういうことは可能でしょうか。
岡本局長
もし必要があれば、それは可能です。
羽生会長
議論をしている段階、あるいはワーキング・グループで素案をつくっている途中の段階ででもそういった議論を少し盛り込むということはいかがでしょうか。
家本委員
是非やっていただきたいと思っていて、多分我々の世代の経営者は余りこの内容を見て自分たちの感覚とずれているとか、そういう話にならないと思うんです。
 一方で、自分たちの感覚とずれていると思っていらっしゃる経営者の人たちの話を聞かないといけないと思っていて、別にそれはどなたがどなたという話ではないんですけれども、そうではないと多分意識の差のところは世代間で埋まっていかないと思うので、次に複数の方からあったと思うんですけれども、是非そういうものをお願いしたいと思います。
羽入会長
大隈先生、どうぞ。
大隈委員
先日、経団連の方との対談というものをさせていただきました。それは、ちょうど第4期の基本計画を今、練っているところなので、それ絡みということだったんですけれども、経団連などのトップの方は、例えば女性の参画が非常に必要であるというようなことについての意識はそれなりに高いものがあるのではないかということは拝察されます。
 一方で、恐らくそうではないであろう方がたくさんいらっしゃるということも予想はつくのですけれども、こういったところでどういう方をお呼びするのかということに関しては、そもそもそういう方はお誘いしてもいらっしゃらないかもしれないしとか、常に大きな問題なのではないかと思うんですが、やはり違った御意見を聞いてみるというのは大事なことだと思います。そのときのやはり人選かなと思います。
羽入会長
岡本委員、どうぞ。
岡本委員
今のことなんですけれども、結構個別企業の、例えば経団連の副会長クラスとか、そういった方たちの企業ではかなりいろいろな取組をしているということはあるんですけれども、ただ、全体の企業の方針のようなものになると、なぜかなかなかそこが充分に書き込まれていかないという現実があります。
 例えば今回経労委報告というものが出ましたけれども、その中で人材育成がとてもこれから大事だ。この日本の社会の中でいかに人材力を高めていくのかということで高齢者の方の話とかも出ているのですが、一言も女性の部分が入っていなかったんです。それで、私はちょっと指摘をさせていただいたんですけれども、やはりそういうような方針的に出していくものになかなかまだ取り込めていないのかなという感想を持っているものですから、そういった意味でそういう方たちと一度議論をしていくことは必要なのかと思っています。
羽入会長
ありがとうございます。恐らく経営者の中でも意識の違いが非常に大きいのではないかと私も感じておりますし、人選が重要という大隈先生の御発言は確かにそうだと思いますので、少し事務局と相談して実現の方向に持っていきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。急な提案をしておりますが、よろしいでしょうか。

(委員 異議なし)

羽入会長
ありがとうございます。
 それでは、ほかに今の時点でまだ何かございますか。石川委員、どうぞ。
石川委員
私は何度か申し上げているんですけれども、今までの計画というのは計画ですから、国とか地方公共団体とか、そういったところがこういうふうにした方がいいとか、あるいは関係者の方々が読まれるような計画になっていたんですが、今回は国民というとあれですけれども、一人ひとりが参加できるような書き方ができないかなと思っています。
 例えば、中期、短期あるいは長期の目標をつくるわけですけれども、その目標も例えば経営者がこういうふうにするということもひとつ必要ですが、一人ひとりの意識を持っていくということでその経営者も変わってくるとか、そういうことも大事なことなので、そういった書き方が何かできないかなと思っています。ですから、目標についても一人ひとりがどういうふうな意識を持っているかというようなことが目標になってくるような形になればいいのかなと思っています。
羽入会長
ありがとうございます。石川委員のおっしゃったのはわかりやすさというか、自分にとっての問題だということがわかるような形でまとめていく必要があるということだと思います。ほかは、いかがでいらっしゃいますか。
 それでは、今、御議論いただいたことをごく簡単に私が独断的にまとめさせていただきますが、次に事務局と相談して提案させていただく際には、その時間的に短期、短期というのは恐らく緊急課題ということになるかと思いますけれども、短期、中期、長期という時間の軸をひとつ用意するということと、それからもう一つはそのコンテンツといいますか、重点事項とか分野とかというのはやめておきますが、何をコンテンツとするかということの項目は共通認識を得たいと考えております。
 そして、そのとき私たちが目指すのは、我々にとって身近に感じられるような表記の仕方、それと同時に達成目標が明確になるような表記の仕方をするという方向で進めていくことにいたしましょう。
 そして、もう一つ事務局にお願いいたしますのは、経営の側の方を一度お呼びいただきたいということでございます。
岡島局長
次回というわけにはいかないかもしれませんけれども。
羽入会長
今日の議論は、そのようなまとめでよろしゅうございますでしょうか。
 では、お願いいたします。
岡島局長
突然のことで恐縮なのですけれども、ただいまの御議論をお伺いしていまして、コンテンツといいますか、例えば重点分野の立て方とか、あるいはこれを是非入れるべきとか、今の重点事項に当たるものというか、重点事項というよりは喫緊にやるべきものとか、あるいは現状認識としてこれは必須だとか、そういうお考えを事務局の方にもいろいろな形でいただければ大変ありがたいと思います。
 私どももいろいろこれから作成をいたしますが、場合によっては委員からの御意見という形で次回お出しするということも可能だと思いますし、あるいは事務局の方に言っていただいて事務局としてこれを踏まえてという部分もあると思いますけれども、もしそういうことをやっていただけると大変ありがたいと思います。
羽入会長
ありがとうございます。局長からそのようなお話でございますので、どうしてもという点がございましたら事務局の方にお伝えください。
 また、これまで議論をしてまいりまして幾つかのまさに重点というのは、私たちはある程度の共通認識はできているとも思いますので、私、それから鹿嶋委員ともよく相談をさせていただきたいと思います。それで、またそれを事務局にお伝えしたいと考えております。
 それでは、ひとまずこの議論をおしまいにさせていただきまして、起草ワーキング・グループのことを少し御報告させていただきたいと思います。前回、起草に向けたワーキング・グループの立ち上げについて了解をいただきましたけれども、この点を決定させていただきました。私どものこの委員会でのワーキング・グループは鹿嶋会長代理に主査をお願いすることにいたします。それから、伊藤委員、岩井委員、岡本委員、佐藤委員、辻村委員、この方々に起草ワーキングの委員をお引き受けいただきました。鹿嶋先生には大変恐縮ですけれども、主査をお願いいたしました。よろしくお願いいたします。それで、伊藤委員、岩井委員、岡本委員、佐藤委員にお願いいたします。
 また、本日御報告いただきました女性に対する暴力に関する専門調査会でも起草ワーキング・グループの委員を決定なさったということですので、主査の岩井委員から御報告をお願いいたします。
岩井委員
女性に対する暴力に関する専門調査会の起草ワーキング・グループでは、主査を私がさせていただき、後藤啓二委員、原委員、林委員、平川委員に起草ワーキング・グループの委員をお引き受けいただいております。よろしくお願いします。
羽入会長
ありがとうございます。後藤委員、原委員、林委員、平川委員にお願いをすることにいたします。
辻村委員
フルネームで言っていただけますか。どなたのことかわかりませんので。
岩井委員
後藤啓二委員、原健一委員、林陽子委員、平川和子委員です。
羽入会長
よろしくお願いいたします。これから少しタイトな時間で作業をしていただくことになるかと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、議事録についてお諮りしたいと思います。資料4に議事録がございます。8月27日に行われました47回調査会の議事録です。前もってごらんいただいているかと思いますけれども、このとおりの決定でよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

羽入会長
ありがとうございます。それでは、これを速やかに公開することにいたします。
 では、事務局から連絡はございますでしょうか。
大西企画官
それでは、次回についてでございます。次回は2月8日月曜日15時から、今回と同じ会場、ここ永田町合同庁舎共用第1会議室での開催となります。次回も本日に引き続き、答申の中間整理に向けた議論を予定しております。以上でございます。
羽入会長
それでは、これで53回の基本問題・計画専門調査会の会合を終了させていただきます。皆様、御議論に参加いただきましてありがとうございました。

(以上)