影響調査専門調査会(第4回)議事要旨

  • 日時: 平成13年9月26日(水) 15:00~17:00
  • 場所: 内閣府3階特別会議室

(開催要領)

  1. 出席委員
    会長
    大澤 眞理 東京大学教授
    委員
    大沢 真知子 日本女子大教授
    神野 直彦 東京大学教授
    高尾 まゆみ 専業主婦
    橘木 俊詔 京都大学経済研究所教授
    永瀬 伸子 お茶の水女子大学助教授
    福原 義春 (株)資生堂会長
    師岡 愛美 日本労働組合総連合会副会長
  2. 議題次第
  3. 概要

    ○事務局から、雇用システムに関するアンケート調査(案)について説明があり、これに関して次のような議論が行われた。
    (問14)「人間ドック」について、定期健康診断は除く等の定義をする必要があるのではないか。

    大澤会長
    ここでは、全員必須の定期健康診断ではなく、補助金が出るものを想定しているので修正をしたい。
    橘木委員
    (問19)について、手当・福利厚生制度を現金給与にふりかえるという選択肢を加えるべきではないか。
    永瀬委員
    (問5)(問9)の「非正規従業員(パート等)」について、契約社員等では給付が違うのではないか、これについて定義づけをす る必要があるのではないか。
    福原委員
    契約社員にも多くの条件があり、一概にはいえないのではないか。
    永瀬委員
    (問5)、(問9)について、「一部に支給する」という選択肢を増やしてはどうか。
    大澤会長
    調査については、10月中旬から実施する予定である。調査表(案)について、今いただいた意見については私の方でひきと り、私の責任で仕上げることをお認めいただきたい。

    委員一同了承

    ○次に、事務局から、自己評価システムの検討について(案)の説明があり、これに関して次のような議論が行われた。

    坂東局長
    チェックシートの参考例については、具体例をあげる必要があるのではないか。
    大澤会長
    全面的なケーススタディではなく、例となる分野を挙げるということではないか。
    福原委員
    チェックシートの参考例について、ア「政府の重点施策」を「政府の短期的重点施策」に変更する等、説明を変更する必要があ るのではないか。
    永瀬委員
    チェックシートの参考例について、性別だけでなく、既婚か未婚かのデータが存在するかどうかが重要ではないか。

    ○また、事務局から、女性と税制、社会保障制度、雇用システムに関する委員報告の論点について説明があり、これに関し て、次のような議論が行われた。

    橘木委員
    資料3のうち、永瀬委員の社会保障制度の報告についての中の女性の2極化はそうではなく、多様化ではないか。
    永瀬委員
    男性と同じように働くか、主婦となって非正規労働に従事するかという女性の2極化が生じるということである。

    ○最後に、御船美智子お茶の水女子大学教授より、「家計経済と女性」について報告があり、これに関して、次のような議論 が行われた。

    橘木委員
    離婚の際には、お金は夫に、子供は妻にという住みわけがあるのではないか。
    永瀬委員
    ドイツにおいては、離婚すると財産が2分割されるが、日本の離婚時の財産分割の実態と法制度はどうなっているのか。
    御船氏
    日本には夫婦財産契約という制度があるが、ほとんど使われておらず、基本的には別産制である。それよりも、離婚前に、男性が家計に拠出しない等、家計の共同性が破綻しているという問題がある。
    神野委員
    ドイツ等は財産共有であるが、日本の場合は、財産が個人単位である。そのため、夫から妻への財産分与には贈与税がか かる。
    大澤会長
    離婚の9割を占める協議離婚の場合、養育費の取り決めをしている率が低い。いわんや財産分与は取り決め自体少ないだろ うから離婚した夫婦の財産分与の実態は2分の1から程遠いのではないか。
    御船氏
    司法書士からのヒアリングによれば、ほとんど財産分与はなく、養育費についても、社会的地位が高く、かつ一定の収入があ る人でないと支払いがないということである。
    橘木委員
    日本人は、余り離婚のことを念頭に置かずに結婚するのではないか。
    御船氏
    日本は、夫婦別産制で夫婦財産契約をせず、また、家計管理についても決めずに結婚してしまう。家計管理を信頼関係に読 み替えてしまうこともあるのではないか。
    師岡委員
    今後は、結婚時に家計管理の夫婦契約だけでなく、出産・育児に関しても話合いをしておくことが大切ではないか。

(以上)