男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会(第49回)

  • 日時: 平成21年10月26日(月) 10:00~12:12
  • 場所: 中央合同庁舎4号館共用108会議室
  1. 議題次第
  2. (全体の議事概要)
    • ○男女共同参画基本計画(第2次)第7分野「女性に対するあらゆる暴力の根絶」の中の「(3) 性犯罪への対策の推進」、第9分野「メディアにおける男女共同参画の推進(暴力関連部分)」について、関係府省庁からヒアリングを行った。
    • ○平川委員から「性暴力被害者支援対策に関する諸外国の先進的取組」についての説明を行った。
    • ○各府省庁及び平川委員からの説明後、質疑及び意見交換を行った。

    (質疑応答)

    • ○性暴力被害者に対し、被害者からの聴き取り、必要な治療、証拠採取、心のケア、情報提供などのサービスをワンストップで行うことができる性暴力被害者専門の支援センターを、日本でも各地に設置することが必要ではないか。支援センターは警察を中心にするより、国、医療機関、民間団体が運営する形の方が、性犯罪被害者より広い概念の性暴力被害者を対象にすることができるので、よいのではないか。
    • ○一般的な被害者支援センターのほかに、暴力被害、虐待、DV、人身売買等に特化した支援組織が同時に必要なのではないか。
    • ○検察庁の中に経済犯罪やサイバー犯罪の専門家がいるのと同様に、性犯罪対策についての専門家チームを発足させる必要があるのではないか。
    • ○強姦罪と強制わいせつ罪の執行猶予率の統計を取るに当って、両犯罪を分けてほしい。両者を分けずに執行猶予率を出すと、国際的には、日本は性犯罪者が半数以上は執行猶予になると思うだろう。もう少しきめ細かな状況を提供してほしい。
    • ○日本の性行為同意年齢が13歳未満となっていることについて、女子差別撤廃委員会、自由権規約委員会からも低すぎるのではないかという指摘がある。強姦罪の性行為同意年齢を児童の権利条約でいう18歳に上げていく必要があるのではないか。
    • ○子どもや女性の性的被害に対して相談に対応できる専門家がいない。被害者支援だけでなく、司法についても理解している専門の精神科医を育成していく必要がある。
    • ○厚生労働省が、各都道府県で性暴力被害者のワンストップ支援センターの機能を担える病院を探したり、予算措置をすべきではないか。
    • ○強姦罪の法定刑が引き上げられたにもかかわらず、検察の求刑が低いのではないか。
    • ○メディアにおける、特に女性に対する暴力表現が、今後、国内人権機関を作るに当って重要な論点になるので、深く研究することが必要。週刊誌の見出しや記事、ヌードグラビアなどが極めて女性差別的であるといったことを受け止めて、審査し、アドバイスをする仕組みはあるのか。
    • ○自主規制機関を持たない業界が多いと思うが、それに対して行政はどう向き合うのか。民間の自主規制団体の取組を支援するという建前論だけでは機能しないのではないか。
    • ○DV被害者の話によると、ポルノDVDを見ながら妻に性暴力が行われ、その場面を子どもに見るように強制するという実態もある。実際に現場では女性が人権侵害を受け、子どももその目撃ということで大きな被害を受けている実態に対して、何らかの対策を考えてほしい。
    • ○ポルノグラフィは女性に対する暴力と考える。計画の中で、ポルノグラフィについて項目立てをするべきであるが、「メディア」のところだと青少年に対してという形になってしまうので、「女性に対する暴力」という形でポルノグラフィについて盛り込めないか。
    • ○性犯罪被害者が、写真や映像を撮られて、それをネットで公開すると脅迫されるような被害があると聞く。強姦とそれに付随する被害の実態はどうなっているのか。
    • ○警察庁がわいせつとして取り扱うものが、自分がわいせつと感じるものよりかなり基準が低いと感じている。
    • ○配偶者暴力対策について、保護命令を申し立ててから発令するまでの間の安全性が図りにくいという現状がある。緊急な保護命令といったものについても御議論いただきたい。
    • ○配偶者暴力対策について、DV法の第1次改正において退去命令が2ヶ月と決められたので、裁判官の負担になり退去命令数減少の原因になっているのではないか、裁判官がその時の事情に応じて、2ヶ月以下の範囲で退去命令を出し得るという形にしたほうが、もう少し柔軟に退去命令が出せるのではないかという意見を聞いており、検討願いたい