チャレンジ支援推進事業企画委員会(第6回)議事要旨

  • 日時: 平成18年3月30日(水) 13:30~16:00
  • 場所: 内閣府5階特別会議室

(出席者)

  • 名取内閣府男女共同参画局長
  • 原田内閣府大臣官房審議官
  • (委員)
    • 鹿嶋座長
    • 北村委員
    • 吉川委員
  • (関係府省)
    • 農林水産省
    • 経済産業省
    • 女性と仕事の未来館事務局長
  • (関係県等)
    • 秋田県
    • 神奈川県
    • 静岡県
    • 滋賀県
    • 兵庫県
    • 福岡県

(議事次第)

  1. 開会
  2. 「地域におけるチャレンジ・ネットワーク環境整備推進事業」研究報告ヒアリング
  3. 意見交換
  4. その他
  5. 閉会

(配布資料)

資料1
平成17年度「地域におけるチャレンジ・ネットワーク環境整備推進事業」指定地域研究報告書
資料1-1
秋田県
資料1-2
神奈川県
資料1-3
静岡県
資料1-4
滋賀県
資料1-5
兵庫県
資料1-6
福岡県
参考1
平成16年度指定地域における平成17年度チャレンジ支援事業例
参考2
女性の「再チャレンジ支援地域モデル事業」記者発表資料(案)

(概要)

  1. 秋田県、神奈川県、静岡県、滋賀県、兵庫県、福岡県の順に、各指定地域の研究報告書に係る説明があった後、質疑応答が行われた。
    • (1)秋田県の研究成果報告について
      • サイトの出来上がりは、リピーターが訪れるような内容・水準にあるか。
      • 当初の段階では、支援情報は公的機関が中心となっている。今後はNPOなど広く関係機関・団体の情報を収集するとともに、イベント、講座情報の情報収集にも力を入れ、総合的支援情報の入り口となるようにしていきたい。
      • サイトへのアクセス数はどうか。
      • 2月のオープンからこれまで約2,800カウント。当初の予想より出だしは好調。
      • どのメニューへのアクセスが多いか。
      • 講座情報の類。
      • サイト訪問者が問い合わせ等をできるシステムはあるか。
      • 今の段階ではない。
    • (2)神奈川県の研究報告について
      • 神奈川県の場合、相談は自己完結型ではなくつなぐシステムが1つの特徴だが、相談者のステージに応じてつなぐ相手先が多様なことから混乱など利用者からの苦情等はないか。
      • 現在のところ苦情はない。例えば、創業関係では商工会議所の創業セミナーと商工会のセミナーや中小企業センターのセミナーは違う。手間と時間がかかったがこういった同分野の機関の中でステージごとの体系をつくってくれることになったことが一つの成果。
        背景には、県の産業政策が大きく変わり始めたことがある。都道府県の政策と女性センターの事業もある程度連動をさせていくことが早道。
      • 今回の事業結果への分析はどうか。
      • 分析はできていないが、アクセス、事業の知名度、事業開始準備の期間の問題、利用者層のタイプに応じたアプローチの必要性などが要因としてあるとの感想。解明はこれからと思っている。
        キャリアサポート支援機関会議構成メンバーの経済団体からの厳しい評価もあった。
        今後2カ年くらい実施し結論・評価をきちんと出すべきかとも思う。
      • 経済界は、キャリアアップに積極的な層に対しては比較的好意的で、そうでない層に対しては非効率という感覚が強いのではないか。後者に対しては公的機関が行うべき、あるいは行うべきではないかという考え方があるとも思うが、そういった層にどう浸透させていくかは非常に重要であり、また大変なのではないか。
      • 今回は広報にかける事業費があまりなかったが、広報を工夫する必要はあるかと思う。例えば女性就職情報誌の活用など。
      • 経済同友会は経団連と違い個人加盟で構成されており、提言がしやすい。その意味ではチャレンジ支援の趣旨・内容の説明次第では強い味方になるのではないか。
    • (3)滋賀県の研究成果報告について
      • 県庁内のワーキンググループは、かなり密接な連携を保ち協力体制も整っているのか。
      • 個別事業ごとに各課が結びついて担当同士の人間的な関わりも非常に出来てきた。もう少しこの幅を広げていくには、場当たり的に何か行事がある時だけ集まり対策を講じるだけではなく、定期的に集まり日頃から施策の方向を確認しながら進めていく必要があると思っている。来年度はこの点に注意をしながら連携を進めていきたい。
    • (4)兵庫県の研究成果報告について
      • 各県によってチャレンジへの取組もいろいろな段階があるが、実質的にどんな利便性があるかアピールできるかにシフトしてきており、戦略が大切になってきていると思う。
        そういう意味で各モデル地域の戦略は、県の行政担当者のレベルで1つの戦略マニュアルとして共有されるべき。その中で1つのキーワードというのは、利用者層のセグメントを明確にして効率的な運営を考えること。また、企業へのアクセス方法を洗練させることが必要ではないか。
  2. 意見交換
    • 各県のチャレンジ事業への取組はその段階に差があるが、いずれもまだ基盤整備の段階にある。その中での課題の1つにサイトの運営があると思うが、継続したアクセス数の確保、サイトコンテンツ等のユーザーニーズ水準への対応など今後大きな課題として残る。
      もう一つの課題はネットワーク組織の構築。どの県も各業界団体あるいは庁内のネットワークを組織したが、今後ともネットワーク参加団体から理解や協力を得るにはネットワーク組織をどうチャレンジ支援に結びつけていくか知恵が必要になってくる。ある自治体のコーディネーターを担当した経験から言うと、やはり基本は担当者の意欲、熱意が根本。そしてどう事業継続の予算化を図れるか。
      それから、ネットワーク参加団体へのアプローチ方法も例えば情報収集などへの協力依頼を行う前に事前に意思疎通を図っておくことが非常に大事である。
    • 先程の話にもあったキャリアアップに積極的な層とそうでない層に対する戦略は今後の事業運営のキーポイント。
      男女共同参画に関する催しに限らないが、例えば参加者アンケートでは7割か8割は「よかった」という評価であっても、その後、参加したことがどう活かされていったかということは全然別の次元の問題。チャレンジへの支援策の効率性から考えると2つの層を分けて考え、1つの戦略として前者の層を応援しその人たちを広告塔として、一方で自治体として後者の層を応援していくという二本立てにした方がいいのではないかとも思うが、各自治体はどうか。
    • 女性センターは総合的な女性の支援拠点として、就業の支援は女性の人材養成という観点から行ってきた経緯があり、利用者はどちらかというと後者の層が主体で前者の層はほとんど利用していない。
      しかしながら、身近な前者の層をロールモデルとして提示し引っ張っていく役割として活用し、それと後者の層に対する相談を組み合わせるというような戦略の組み換えは必要かと感じる。
      また公的機関としてはセーフティーネット的な要素は持たざるを得ない。そのセーフティーネットの中で女性のチャレンジ支援をどう行っていくかというのは、組み立て方や関係機関との連携・協力の在り方の再考が必要かとも思う。
      利用者アンケートの実施方法は個人情報の関係もあり今後の課題。
    • 17年度に取り組んだマニュアルは、例えば企業の中で働いている女性について、やる気があるが企業風土やトップの意識が硬直的で上に上がれない、業績がきちんと評価されず不満を持っている人たちが、少しでも上にチャレンジしやすいようにということを目指して作成した。来年度以降はこのマニュアルを活用して、企業や労働組合で研修が広く行われるようにしていきたい。
      また、何をしたらいいかわからないとか、かなり社会から離れた生活をしていたので自信がないという層に対して「ひょうご女性再チャレンジ支援システム」を18年度から始める予定。
      一元的にセンターで窓口相談を行い、月2回専門の相談員を置いて、相談者が自己決定できるまで何度でもケアする施策を始める予定。
    • キャリアアップの方向に向かっている人に対しては、方向性を相談などの際に示すだけで効果があると思うが、問題点として、そうではない層の人たちへの対応方法がある。
      兵庫県の取組のように、再チャレンジするときまでの期間の中で、何にチャレンジできるかを明確にするために、例えば得意分野を始めとして何回でも自分探しをできるチャンスを用意したシステムが大事ではないか。
      こういう部分は公の機関でないと難しいが、例えば神奈川県の話にあった、商工会議所、商工会、中小企業センターのセミナーも連携し回を重ねてやっていくことで効果が出てくるのではないか。またチャレンジするためのスキル講座に限らず、人間の生き方講座、子育後の生き方講座などもいいと思う。
    • 採用する側の立場で考えると積極的で意欲がある人が企業はほしいので、ただこういう会社があるからと紹介されて面接に来た人はなかなか採用しにくい。
      まずその人の一番適切なところに再チャレンジできるように支援する、自分の得意なものを見つけ、その後に再チャレンジして就職に臨めるように、その途中の機会を公的な機関や県に担っていただきたい。そうして企業に入ってきた人は、例えば経理が得意、何が得意ということで、やはり意欲が違ってくる。
      そうすると採用する側も、再チャレンジする女性層に対して目を向けていく。
    • チャレンジ支援というのは,男女共同参画社会の形成という大枠の中の一環としての事業であり、チャレンジだけが先行しとかく再就職だけに目が行くと、男女共同参画が横の方に行ってしまう可能性がある。そういう枠の中での事業だということを念頭に置いて実施していっていただきたい。
  3. 最後に、内閣府から次回の委員会について、連絡があった。