- 日時: 平成20年12月24日(水) 10:00~12:00
- 場所: 永田町合同庁舎第一共用会議室
- 出席者
袖井座長
阿部委員
鹿嶋委員
小杉委員
桜井委員
白波瀬委員
湯澤委員 - 議題
- 1.生活困難を抱える男女に関する有識者ヒアリング
よこはま若者サポートステーション 戸塚施設長 - 2.支援機関・団体等のヒアリングについて
- 1.生活困難を抱える男女に関する有識者ヒアリング
- 議事要旨
■ よこはま若者サポートステーション 戸塚施設長発表
「支援内容と利用者の傾向、その背景」
- NPOユースポート横濱が、厚生労働省より委託を受けて、若年者への就労支援を行う活動を通して見られる若年就業困難者の状況について、男女別の利用者データをもとに説明。
【説明を踏まえた意見交換】
○対象者には様々な施設を利用するよう働きかけるとのことだが、そうした地域の様々な支援の統合のため、現在どのような試みを行い、どのような障害があるか。
→ 本来ケースワーカー、ソーシャルワーカーが担う役割とは思うが、十分には機能していない。自分達は民間の人間なので、区役所や医師の協力を得ようとしても難しいことがよくある。また、ケース会議等に行政を巻き込んでいきたいのだが、手続と日程調整を行って、実際に開催するのが1ヶ月後、といった行政の対応スピードにも不満がある。NPO同士だとその点は身軽で協力的。○ケース情報の共有はどこまで行っているか。
→ 個人情報の保護については、ケース会議をひらくときには了承を取っている。また、ケース会議上での情報交換は書面では残さず、渡した資料もその場で回収している。○来所者の1割は保護者とのことだが、保護者と本人との間の意識・希望など上での問題はあるか。
→ 保護者の大半は一日でも早く正社員に、と思って相談に来るが、大抵は本人がそうした精神状況にない。親の来所から子どもの来所に繋がるケースもあるが、保護者のみが来る場合は、同居していながら親が子とコミュニケーションをほとんど取れていないケースが多い。逆に、本人のみが繋がっているケースは、苦しい状況の方が多い。○キャリアラダーを参考にした中間層の就労者を増やす取組について具体的にお聞きしたい。企業の方もリスクを負う取組と思うが、どのような対策を取っているか。
→今連携しているある会社は、派遣雇用から直接雇用へのシフトを考えており、技術的な研修施設を作ったが、若者とミスマッチがあるということで相談に来た。製造業は数式を扱うなど要求される基礎能力が高いため、基礎的な研修施設をサポートステーションで提供し、一体型の研修施設を作ろうとしているが、なかなか難しく模索中。キャリアラダーもアメリカの方法論で、日本にそのまま当てはめることは出来ない。スタート段階なので試行錯誤の状態。○サポート側にとって一番必要なのは何だと感じるか。教育か医療か。
→ 医療を受けるため、また就労できるようになるまでの、利用者の生活保障が必要。電車賃が無く歩いて来所するような人々が存在する。○イギリスでは、ケースワーカー的な支援者1名が抱えるのは10名程度で、2年、3年と支援を行う。そうして支援対象が使える資源を作り出す、あるいは持てるものを見直していくのだと考えるが、そういった支援の在り方の日本でのニーズはどう考えるか。
→ 日本においても必要。支援ごとに担当者が変わるのはよくない、網の目から漏れてしまう人が存在する。ひとりの人間がずっと担当して信頼感が生じると、それによりクリアできる様々な課題があり、スピードも生じる。○組織の資金面の状況はどうか。
→ 非常に資金難。それでも当方は地域若者サポートステーションの中では最も財政的には恵まれた団体。総合的な支援ができる施設の必要性を強く感じる。しかし現場を担当するのは民間がよいと思う、窓口に多様な人が存在することは色々な効果がある。○まだ世間的に見えてない、言われていない女性の問題で、何か見えてきているものなどはあるか。
→ こちらに来る女性は人間関係が非常に希薄。母親としか会話せずに10年過ごしてきたという人が存在する。一般的に女性はおしゃべり好きで人間関係には器用と思われているが、つまづくと男性よりも人間関係が一切切れてしまう傾向もある。<支援機関・団体等へのヒアリングについて>
■支援機関・団体等へのヒアリング調査について、事務局から資料に基づき説明。
【説明を踏まえての意見交換】
○自立生活センターなど、当事者の人がやり始めている試みを見たい。これまでのヒアリングでも支援して目指す望ましい姿というのが見えてこないので、当事者・団体の方がそういうものを提示してくれないか期待する。
○住環境について意識して把握していきたい。
○雇用ではない形のワーカーズ・コレクティブタイプの就労機会を提供する機関はどうか。
○今大きな動きのある派遣切りについては何らかの形で触れるべき。