チャレンジ支援ネットワーク検討会(第3回)議事要旨

  • 日時: 平成15年10月7日(月) 16:00~18:00
  • 場所: 内閣府3階特別会議室

(出席者)

  • 名取内閣府男女共同参画局長
    土肥原内閣府大臣官房審議官
  • (有識者委員)
    北村座長
    緒方委員
    上條委員
    日下委員
    河野委員
    桜井委員
    谷口委員
    広岡委員
    福留委員
  • (関係府省)
    内閣府
    総務省
    厚生労働省
    農林水産省
    経済産業省

(議事次第)

  1. 開会
  2. 地域における「チャレンジ・ネットワーク」の構築について
  3. その他
  4. 閉会

(配布資料)

資料1
論点メモ [PDF形式:833KB] 別ウインドウで開きます
資料2
現状説明資料 [PDF形式:55KB] 別ウインドウで開きます
資料3
職務関係者向け資料 骨子案 [PDF形式:27KB] 別ウインドウで開きます
資料4
女性のチャレンジ支援ネットワーク環境整備に関するアンケート調査(案) [PDF形式:732KB] 別ウインドウで開きます
資料5
チャレンジ・サイト関係資料 [PDF形式:298KB] 別ウインドウで開きます
資料6
チャレンジ・キャンペーン関係資料 [PDF形式12KB] 別ウインドウで開きます
資料7
チャレンジ支援ネットワーク検討会(第2回)議事要旨(案)

(概要)

緒方委員
国と県の関係では、現在、地方分権が大変進んでいるが、国と県の機関との違いがあるので工夫が欲しい。例えば、1つの事例だが、熊本県では厚生労働省の関係で、パートバンクが入っているが、現状では、国の時間帯と我々の時間帯(9時まで運営)が違う。情報を発信していくときに、現場が県単位であれば、国の方もおおらかに運営時間を延ばすなどの工夫が必要である。そうしないとチャレンジが進まない。
 都会と地方の情報格差があるので、国のチャレンジ・サイトを受けた形で地方のサイトをつくっていく。さらに、同じような地域レベルのサイトを国にリンクしていけば、全国的な情報やロールモデルも見ることができて良い。
 コーディネーターの育成が必要。国が県の職員を、県が市町村の職員を育てる必要がある。また、センターは民間団体等を育てていく。そうしないと、全体のレベルが上がっていかない。やる気がある人が入るだけで地域は変わる。
 県レベルのモデル事業が「チャレンジ・サイト」で紹介されれば、他地域の参考になり、一層促進。九州でネットワークがあるので、リンクをはってネットワークをつくることはできると思う。
 都市部と比較して市町村にはセンターが少ない地域もある。県からあらゆる情報を提供したり、出向いていって市町村を指導することが必要。
上條委員
チャレンジ・サイトでの支援情報の提供の先に、必ず具体的な事例を示し、チャレンジしたい人が支援を受けて実際に就業等に結びつけられるようにすることが必要。
 センターを中心とした具体的な先駆的モデルの提示が必要。探せばあると思う。例えば、先進事例をアイデア集みたいな形で出し、「チャレンジ・サイト」に掲示板のように貼り付けて提供する。その事例をみて地域のセンターはできるところからやる。
北村座長
男女共同参画をごく普通のこととしてあらゆる分野にいかに滲み込ませるかというのは当検討会の大きな役割。何かしたい、それが何かわからないけれども何かしたいと思っている方は多いが、そういった方をどうやって引きつけるかということも大きな課題の1つ。
  また、情報提供するネットと、実際に人間が動き出すための場合でのネットという段階を考えると、もう少し実際に人間が動き出すネットというので手を差し伸べる方法を考えて、しかも、その方法がみんなで共有できるようにすべきであるが、これはモデルの提示というのが非常に大きなキーワードになる。
日下委員
県境を越えてどのようにネットワークが構築できるか。ピラミッド型でやろうとすると、元締めからピラミッド型にブレークダウンするようなネットワークではなくて、網の目が球形に張られていくようなイメージ。
河野委員
ネットでできることは、どこでも誰でも最新の情報が得られるということ。ただし、同じようなサイトが各地域でできても意味がない。人的ネットワークが重要。また、資格をとりたいだけだけでなく、資格はあくまで手段であって、どうようなことに生かしていくかが重要。
 何かをつくってクリエートしてもらう人たちを育てようとしているわけだから、そこでお仕着せのものではないものをつくり出すため、テーマで集めるというのは1つのアイデア。行政の担当者が仕掛けるときに、対象者を限定せず、こういうテーマを課題として持っている人が、図書館も、公民館、病院も、いろいろなところから集まるというような新しい仕掛けができ、あとは勝手にネットワーク化が進む。そのときに、無料で公民館を貸す、名簿をつくる、メーリングリストのサポートをするなどのお膳立てをもして社会教育に携わっている方々が参加すれば、大変便利で有効。
 中央ではなく、各行政の中でいろいろな問題が出てきたときに、最初のワンステップとして「あなたの相談って中身は何?」というふうに聞いてあげる人が必要
桜井委員
女性センターの職員が、拠点施設とは何かとか、ここは何をするところかというのをちゃんと認識していないと、全く見当外れな事業になってしまう。それで、男女共同参画というのは一体何かとか、拠点施設とは何かをしっかりと認識する必要がある。拠点施設とは、男女共同参画というイシューに対して、あらゆるその地域の中にある社会資源、病院、学校、公民館、大学等などから期待される拠点。男女共同参画のこの問題だったら、あそこなら頼りになるという存在になることだろうというふうに思う。そこのところをどれだけ意識して日々の事業を運営しているかというと、まだまだ女性センターの側も弱いと思う。センター職員の動機付けが弱い。女性の経済的な自立というところとボランティアという事業をどういうふうに考えて整理していくかが全くなくて、ただ民との競合、協働みたいな形になってしまっている。まだまだ女性センター、男女共同参画センター等で、このチャレンジ支援という事業の意味、拠点施設の意味というのをもっとしっかり勉強していただく機会が必要。
 地域でのチャレンジ支援ネットワークのイメージがあるが、国、自治体が失敗しがちなのは、こういうネットワークをイメージすると、これをきれいな形でつくろうということになって、ここに挙がっている各種の機関から代表者の代表者を1人、充て職で呼んできて、ネットワークをつくり、年4回会合を開きます、意見交換会を開きますというものになりがち。それではネットワークは何の役にも立たない。ネットワークでは、男女共同参画センターの事業等で、組まなければならない相手が多様にあり、そのテーマごとに組む相手が違う。それが的確に組める、自在に組めるようになる力を拠点施設の方がつけなければだめ。例えば横浜では、地域の生涯学習支援センターの支援係の人に男女共同参画のテーマの企画をするためにどうしたらいいかという研修を行っている。そのときは区役所と組む。それから、あとは教育委員会と組んで、学校に男女共同参画テーマの事業を持っていくためにはどうしたらいいか。そのときに、地域の男性のボランティアなどが技術的なところで手を貸してくれる。そのNPOを巻き込むにはどうしたらいいかというのは、教育委員会やNPOと組んでやる。また、ドメスティック・バイオレンスのテーマでは病院、保健所と組む。そういう自在な組み方ができる力を拠点施設が持っていかないと、絵にかいただけの、ネットワークという名簿があるだけになってしまうのではないかと思う。センターが力をつけなければ、この事業は前に進まない。
広岡委員
地方での理解が十分ではない。縦割りの弊害かもしれない。行政関係部署の問題意識が弱い。
 学習からステップアップして社会活動につながるような事例を打ち出していくことが重要。
福留委員
市町村が一番重要。国と都道府県はしかるべき施設があるが、市町村はまだまだ弱い。男女共同参画担当者は特別な人とみられ、担当者からの広がりがない。全国1万8000の公民館に男女共同参画の言葉が入っていく必要がある。社会教育指導員が具体的に何をしたらよいのか分からない。研修プログラムにきちんと盛り込んでいく必要がある。市町村レベルに広げるため、社会教育指導員、教育主事や社会教育主事の研修科目に入れることが必要。
 今は情報提供どまりで、相談事業が必要。コーディネーターが重要。こういったことに関与したいボランティアは沢山いるはず。コーディネーター養成の研修などをモデルで組めばよい。
 男女共同参画に係る理解を広く国民に広げるという最大の課題がある。チャレンジ支援ネットワークのイメージ図で、連携の中に大学だけでなく小中高等学校も入ったほうが良い。子どもの時期から、起業家養成みたいな教育を考えようなどという時代。子どもの目にどこかの中でなじませておくというのはかなり重要なことだし、効果は意外とあるのではないかと思う。
農林水産省
農林水産省の場合、全国レベルでの「チャレンジ・サイト」の狙いというのは、津々浦々の農業者のニーズ全てに応えられるようなサイトを中央からつくるのは無理だというのが一応前提。一番主なユーザーは県の指導者、普及センター、市町村の担当者がメインユーザーであって、農家の個人でも見ると「こんなこともあるのね」程度に考えている。
 一番やりたかったのは、女性政策が非常に狭く捉えられているので、こんなことも実は女性に役立つ施策があるんだよと、できるだけそのバリエーションを広げてほしい。そうすると、地域の指導者の方も、その広いバリエーションの中でこの事業を使って今度は指導していきましょうということで、少しツールを広げるという意味で、モデルを示したかった。今後もバリエーションを広げていかなければいけない。
経済産業省
本当に目的意識をしっかり持ってる人が、私は起業したいんだということで商工会議所の創業塾に参加、あるいは商工ローンのような形で特別に低い利子で融資を受けるというようなことも、本当に目的が明確になった段階で来られるような制度という点が逆に問題であり、極端に言えば、ストライクゾーンが狭い。そのゾーン以外の方について言えば、逆に、こういう方の場合にはハローワークで御相談いただいたほうがいいというような形で、縦割りになってしまっている。
  そうすると、そういうような一人ひとりの女性で、私は何かしたいんだという方を具体的に想定すると、はっきりと起業したいのか、それとも働きたいのか、あるいは、もっとNPOのような形で社会に貢献したいのかわからない。そういう段階で相談したいと思われる方を、経済産業省では受け皿にはなれない。そうすると、例えばこちらの「チャレンジ・サイト」のようなポータル機能をもっと充実して、漠然とした問題意識を持っていらっしゃる人が、自分の問題意識を整理しながら、どこに相談に行けばいいのかというふうに仕分けしていただくような、そういう機能を充実していただくのは非常にありがたい。
総務省
住民主体のいろいろな活動の中から、地域づくり、グループができており、新しいビジネスがどんどん広がってきている。
  これを行政としてどうするかというと、行政が声をかけてやるというのもあるが、逆に、彼らの方から市町村の方に「こういうのをやっているんだけど、何か市町村の方も手伝ってくれない?」というケースも多い。市町村の方も、うちのまちの人たちはこういうことをやりたいのか、では、自分たちはそれを手伝ってやるよと。それを県なり国なりに相談する。そうすると、それが1つの事業になっていく。それを、今までですと、国がモデルをつくって、市町村にこういうモデル事業をやりなさいと。今は逆で、今、うちの村ではこういうのがやりたいですと。では、それを国のモデル事業にしてあげましょうというのを、これからやっていったらどうか。「チャレンジ・サイト」に載せていただいたふるさと財団というところでそういうことを少し手がけさせていただいている。
 そういうときに非常に熱心なのはやはり女性の方が多い。それを先ほどのセンターに持ち込んでもらうとか、何かそういうつながり、まさにネットワークというのが、"あるネットワーク"ではなくて、"つくるネットワーク"にしていかないと、そこは機能しないのではないか。