- 日時: 平成23年7月29日(金) 17:15~17:55
- 場所: 総理大臣官邸4階大会議室
【出席者】
- 菅 直人 内閣総理大臣
- 議長
- 枝野 幸男 内閣官房長官
- 議員
- 与謝野 馨 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
- 同
- 片山 善博 総務大臣(代理 鈴木 克昌 総務副大臣)
- 同
- 江田 五月 法務大臣、環境大臣
- 同
- 野田 佳彦 財務大臣(代理 五十嵐 文彦 財務副大臣)
- 同
- 高木 義明 文部科学大臣
- 同
- 細川 律夫 厚生労働大臣
- 同
- 鹿野 道彦 農林水産大臣
- 同
- 海江田 万里 経済産業大臣(代理 松下 忠洋 経済産業副大臣)
- 同
- 中野 寛成 国家公安委員会委員長
- 同
- 家本 賢太郎 株式会社クララオンライン代表取締役社長
- 同
- 岩田 喜美枝 株式会社資生堂代表取締役執行役員副社長
- 同
- 大塚 陸毅 東日本旅客鉄道株式会社取締役会長
- 同
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 同
- 勝間 和代 経済評論家
- 同
- 加藤 さゆり 長野県副知事・前全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
- 同
- 辻村 みよ子 東北大学大学院教授
- 同
- 山田 昌弘 中央大学教授
- 出席者
- 末松 義規 内閣府副大臣
- 同
- 山花 郁夫 外務大臣政務官
- 同
- 林 久美子 文部科学大臣政務官
【議事次第】
- 開会
- 議題
- (1)専門調査会からの報告について
- 1.基本問題・影響調査専門調査会(女性の活躍による経済社会の活性化)
- 2.基本問題・影響調査専門調査会(ポジティブ・アクションの推進)
- 3.女性に対する暴力に関する専門調査会
- (2)男女共同参画の視点を踏まえた東日本大震災への対応について
- (3)女子差別撤廃委員会最終見解フォローアップ項目について
- (1)専門調査会からの報告について
- 閉会
【議事要旨】
- 開会
- ○冒頭、菅内閣総理大臣から以下のような挨拶があった。
- 「社会保障・税一体改革成案」に、地域の実情に応じた保育等の量的拡充や幼保一体化などの機能強化、女性の就業率のいわゆるM字カーブ問題の解消等を改革項目に盛り込んだ。
- 東日本大震災の復興に当たっては、女性の参画を進めていきたい。
- ○冒頭、菅内閣総理大臣から以下のような挨拶があった。
- 議事
- ○山田議員から「女性の活躍による経済社会の活性化」について、説明があった。 資料1-1
- 女性の雇用者数は中長期的に増加しているが、女性の労働力率は30歳代を底とするいわゆるM字型カーブ。
- 働いていない女性の中でも340万人余りが就業を希望しており、女性活動の潜在力は質・量ともに大きい。
- 我が国の男女には敢えて変化を望まない意識があるとの指摘もある。
- 女性の能力の発揮は、女性本人の希望の実現であるだけでなく、日本経済にもプラスの影響を与える。
- 今後は、「新たな分野や働き方における女性の活躍」、「制度・慣行・意識」、「多様な選択を可能にする教育やキャリア形成」の3つを中心に検討を進める。
- ○鹿嶋議員から「ポジティブ・アクションの推進」について、説明があった。 資料1-2
- 日本では、指導的地位の女性比率が大変低く、ボジティブ・アクションが重要。
- 我が国では固定的性別役割分担意識や女性の能力に関しての偏見がまだ強く、個人の能力や努力、意欲以前の問題として格差が生じている面もある。
- ボジティブ・アクションには多種多様な手法があり、政党、民間企業、研究機関のそれぞれの特性に応じて、最も効果的な方法を選択することが重要。
- 今後は、「政治分野」では諸外国の取組など参考になる具体的事例の提示、「行政分野」では各府省における女性職員の採用・登用拡大計画の着実な実施、「雇用分野」では男女共同参画に取り組む企業を積極的に評価する仕組みについて検討を進める。
- ○辻村議員から「女性に対する暴力に関する専門調査会」について、説明があった。 資料1-3
- 内閣府が実施した電話相談事業(パープルダイヤル)の結果を中心として議論を行った。
- 幅広い層から相談が寄せられたが、配偶者からの暴力に関する相談者の4人に1人は10年以上の長期にわたって暴力を受けているという深刻な状況。
- 複数の手続きを1か所でできるような「ワンストップサービス」の体制づくりが必要。
- (配偶者からの暴力に関する)相談電話の約2割が交際相手からの暴力であり、これをどのような形で救済していくかが課題。
- 強姦・強制わいせつは、約6割が「知っている人」からの被害であり、相談を躊躇し、潜在化する傾向がある。被害者が躊躇しないで必要な支援を受けられる体制の確立が必要。
- 男性からの相談への対応については、暴力をふるった男性の加害者の更生にも取り組んでいく必要があり、外国人からの相談については外国語対応が可能な相談窓口の周知に努め、通訳の手配など関係者が連携を進めていく必要がある。
- 関係機関が連携して、女性に対する暴力の根絶に向けて取組を一層徹底していく必要がある。
- ○末松内閣府副大臣から専門調査会の今後の進め方について説明があった。 資料3
- ○勝間議員から以下のような発言があった。
- 女性がもっと活躍できることを知り、そうなりたいという意欲を社会全体で盛り立て、そうできるスキルを身につけることができるように施策を推進いかなくてはならない。
- ○与謝野内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)から今後の取組事項について伺いがあり、了承された。
- ○末松内閣府副大臣から、東日本大震災に対する男女共同参画の観点からの取組について説明があった。 資料4
- 男性中心で防災の取組が進められてきた面があり、防災基本計画や第3次男女共同参画基本計画で防災分野における男女共同参画の推進が掲げられているが、まだ十分に浸透していない。
- 内閣府男女共同参画局では、地震発生直後から、女性と子育てのニーズを踏まえた災害対応の働きかけや、現地情報の収集や情報発信を行ってきた。政府全体でも、被災女性支援のための取組を取りまとめてきたところ。
- 女性の起業や就労など、復興の担い手としての女性の活躍を応援していきたい。
- 復興の中での女性の活躍については、私自身も宮城県の現地復興対策本部長としてしっかり取り組んでいきたい。
- ○山田議員から専門調査会からの提言について説明があった。 資料5
- 男女共同参画をしながら復興を進めていくことが非常に重要。
- 防災会議や復興会議の中でも女性委員の数が少ないことに懸念の声も上がっており、対応をお願いしたい。
- ○加藤議員より以下のような発言があった。
- 現行の災害対策基本法では都道府県の会議のメンバーが職務指定されており、女性がメンバーになるということは非常に難しいので、災害対策基本法も速やかに見直しをしていただきたい。かつ、職務指定だけではなく地域で男女共同参画に取り組む女性、地域で防災活動に取り組む女性などが都道府県防災会議メンバーになれるよう条文改正をしていただきたい。
- 国の中央防災会議やその他の復旧・復興に関するあらゆる場の政策決定の場に女性を増やしていただきたい。
- ○与謝野内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)から、以上の意見を踏まえ、各省庁において引き続き東日本大震災への対応に取り組んでいただきたい旨の発言があった。
- ○林文部科学大臣政務官より女子差別撤廃委員会最終見解フォローアップの報告案について説明があった。 資料6
- ○各議員から以下のような意見が述べられた。
- (江田法務大臣)
- 選択的夫婦別氏制度の導入等の民法改正については、平成8年2月の法制審議会において、民法の一部を改正する法律案・要綱が答申され、法務省では昨年の通常国会への法案提出をも視野に入れて法案を準備していた。
- 改正については政府部内においても様々な意見があり、提出が見送られたが、今後とも関係各方面に対し、改正の内容等を十分に御説明しながら、改正に向けて努力していきたい。
- (鹿嶋議員)
- 民法改正については、監視専門調査会としても、本年5月に議論を行い、男女共同参画会議において閣僚の皆様に強く要請すべきであるというような結論に達した。
- 今必要なのは、政治的な決断であり、是非、政治のリーダーシップを発揮し、民法改正の問題に取り組んでいただきたい。
- (江田法務大臣)
- ○その他、会議全体を通して各議員から、以下のような意見が述べられた。
- (松下経済産業副大臣)
- 成長戦略の中でも女性の就業促進というのは非常に大事。
- 子育て環境の整備、仕事と育児の両立支援によって、M字カーブを少しでもなだらかにする必要がある。
- 女性の起業支援等に、一層努力してまいりたい。
- (岩田議員)
- 女性一人ひとりが納得のいく充実した人生を送ることと、高齢社会を支えることの2つを同時に実現するためには、女性が子育てをしながら経済活動にしっかり参加して経済を活性化し、社会保障制度や税制を支える側に回るということしか解はない。
- 社会保険の短時間労働者への摘要拡大、年金の第3号被保険者制度の見直し、所得税の配偶者控除の縮小廃止など、社会保障と税の一体改革の成案の方向で、是非実現をお願いしたい。
- (松下経済産業副大臣)
- ○山田議員から「女性の活躍による経済社会の活性化」について、説明があった。 資料1-1
- 閉会
- ○枝野内閣官房長官から、以下のような発言があった。
- 今日の報告に向けて御尽力いただき御礼を申し上げる。
- 財政状況の悪い国と男女共同参画が進んでいない国がつながっている。日本が21世紀に入って世界のトップランナーではないことの1つの証が、男女共同参画の遅れであることを裏づける大きな材料だと思う。
- 復興に当たっては、男女共同参画の視点が十分に入っていくよう努力してまいりたい。
- 防災会議における女性の参画については、防災担当大臣のところで検討いただき、改善できるよう努力してまいりたい。
- ○枝野内閣官房長官から、以下のような発言があった。