男女共同参画会議(第35回)議事要旨

  • 日時: 平成22年7月23日(金) 9:30~9:55
  • 場所: 総理大臣官邸4階大会議室

【出席者】

 
菅 直人 内閣総理大臣
議長
仙谷 由人 内閣官房長官
議員
玄葉 光一郎 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
原口 一博 総務大臣
千葉 景子 法務大臣
岡田 克也 外務大臣(代理 武正 公一 外務副大臣)
野田 佳彦 財務大臣(代理 峰崎 直樹 財務副大臣)
川端 達夫 文部科学大臣
長妻 昭 厚生労働大臣
山田 正彦 農林水産大臣
直嶋 正行 経済産業大臣
前原 誠司 国土交通大臣
中井 洽 国家公安委員会委員長
岡本 直美 日本労働組合総連合会会長代行
鹿嶋 敬 実践女子大学教授
勝間 和代 経済評論家・公認会計士
勝俣 恒久 東京電力株式会社取締役会長
加藤 さゆり 前全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
佐藤 博樹 東京大学教授
林 文子 横浜市長
山田 昌弘 中央大学教授
出席者
榛葉 賀津也 防衛副大臣
 
蓮  舫 内閣府特命担当大臣(行政刷新)

【議事次第】

  1. 開会
  2. 議事
    • ○鹿嶋議員から、中間整理について、報告があった。資料1-1、1-2
    • ○各議員から、以下のような意見が述べられた。
      • (勝俣議員)
        • 男女共同参画に関する我が国の実態については、国際的にも十分評価されていない面が多々あることから、経済界としても取組を一層加速していくことが必要だと認識している。
        • 大企業については、女性の能力活用に対する制度が充実している。しかし、管理職における女性比率が上がらない、男性が育休を取りにくい、といった問題がある。
        • 育休などについて、大企業と中小企業との格差問題がクローズアップされてくるのではないか。
        • いわゆる「103万円の壁」、「130万円の壁」など、制度を見直すことにより改善が図れる余地もあるので、よろしくお願いしたい。
      • (岡本議員)
        • 答申は、各省庁からのヒアリングやパブリック・コメント、公聴会を通して、様々な意見を十分に踏まえながらつくられたものであり、第3次基本計画が、省庁の壁を越えてきちんと進んでいくことを期待したい。
        • 「『出番』と『居場所』のある国・日本」の言葉どおり、女性も男性も誰もが自分の能力を発揮できる場所をつくり上げていくことが、日本の成長につながっていく。
        • ワーク・ライフ・バランス、新成長戦略、男女共同参画のそれぞれが、2020年を目指して実効性のある形にしていく方向であり、時期も含めて揃ったと感じている。
        • 政府で実効性のある取組を進めていただくとともに、民間でも、基本計画を踏まえてしっかりやっていきたい。
      • (加藤議員)
        • 行政サービスの質の低下や受託先労働者の人権軽視を招くコスト削減重視の行政改革ではなく、国民のための真の行政改革の観点から、行政刷新担当大臣を中心に内閣を挙げて、公共調達法の制定の実現に向けた検討を始めていただきたい。
      • (山田議員)
        • 男女共同参画は、女性のためだけのものではなく、男性のためのものでもある。さらに、日本の経済発展にとっても必要なことである。
        • 男性の小遣いの国際比較調査を行ったところ、日本男性は、共働きが少ないこともあり、小遣いの割合が一番低いことがわかった。「女も稼いで男も使う」ことが、経済成長や内需拡大につながり、幸福が実現する。
      • (外務副大臣)
        • 外務省としては、ミレニアム開発目標の達成と人間の安全保障の実現に向け、男女共同参画の視点を重視しつつ、ODAを実施していく。
        • 昨年8月に女子差別撤廃委員会から出された、女子差別撤廃条約の実施状況に関する最終見解の指摘事項について、関係省庁と共に適切に対処していく。
      • (勝間議員)
        • 新規事業を見ていると、女性が起業しているケースが多い。農家の味やおふくろの味を提供し、成功している農家の方が多く、そういう女性を応援していくことが地域活性化になるということを、強く感じている。
    • ○玄葉内閣府特命担当大臣(男女共同参画)から、基本問題・計画専門調査会より報告のあった「第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」の内容のとおり答申を行い、答申を踏まえて基本計画を策定するよう政府に対して要請することについて伺いがあり、了承された。

      (内閣総理大臣入室)

    • ○鹿嶋議員から菅内閣総理大臣に、答申が手交された。
    • ○各議員から、以下のような意見が述べられた。
      • 男女共同参画は、これまで女性を中心とした課題として受け止められてきたが、今回の答申には、特に男性自身が男女共同参画の中身を認識し、行動を持って対応できるかどうかが重要であるという視点が、数多く盛り込まれていると理解している。
      • 日本社会の様々な問題の1つに、男女共同参画が必ずしも十分に進んでいないことがある。女性の能力は男性に比べて全く変わらないことを、日々実感している。この答申が、新しい意味を持って実行されるよう、全力を挙げたい。また、答申に関わられた皆様にも、それぞれの立場で、男女共同参画に向けて大きく前進するよう活動いただきたい。
    • ○玄葉内閣府特命担当大臣(男女共同参画)から、答申を踏まえて、明確な数値目標を定め、さらにその目標を達成するための力強い取組を盛り込み、男女共同参画会議、専門調査会の意見も聴きながら、実効性のある男女共同参画計画を策定していきたい旨の発言があった。
  3. 閉会
    • ○内閣官房長官から、以下のような発言があった。
      • この20年間、日本の社会システムや経済において、他の先進国や途上国と比べて、女性の能力をきちんと社会的に位置づけて処遇できなかったことが、産業構造の転換に十分に対応できなかった原因だと考えている。
      • パブリックセクター、経済界、労働界、あるいは市民社会の中で、女性の能力に応じた「出番」と「居場所」がつくれるよう、答申に基づき、精力的に取り組んでいきたい。
      • 玄葉大臣を中心として各大臣にリーダーシップを発揮していただき、年内の基本計画の策定や施策の実行に、しっかりと取り組んでいただきたい。
      • 答申を尊重するというレベルではなく、盛り込まれたことを、できる限りエッジを効かせて実行していきたい。