議事次第
- 開催日時:平成22年2月18日(木)17:30~18:30
- 場所:総理大臣官邸4階大会議室
- 出席議員:
- 鳩山 由紀夫 内閣総理大臣
- 議長
- 平野 博文 内閣官房長官
- 議員
- 福島 みずほ 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
- 同
- 原口 一博 総務大臣
- 同
- 千葉 景子 法務大臣
- 同
- 菅 直人 財務大臣
- 同
- 川端 達夫 文部科学大臣
- 同
- 長妻 昭 厚生労働大臣(代理 細川 律夫 厚生労働副大臣)
- 同
- 直嶋 正行 経済産業大臣(代理 松下 忠洋 経済産業副大臣)
- 同
- 前原 誠司 国土交通大臣(代理 辻元 清美 国土交通副大臣)
- 同
- 中井 洽 国家公安委員会委員長
- 同
- 家本 賢太郎 株式会社クララオンライン代表取締役社長
- 同
- 岩田 喜美枝 株式会社資生堂代表取締役執行役員副社長
- 同
- 岡本 直美 日本労働組合総連合会副会長
- 同
- 帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
- 同
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 同
- 勝間 和代 経済評論家・公認会計士
- 同
- 勝俣 恒久 東京電力株式会社取締役会長
- 同
- 加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
- 同
- 神津 カンナ 作家
- 同
- 佐藤 博樹 東京大学教授
- 同
- 山田 昌弘 中央大学教授
- 出席者
- 仙谷 由人 国家戦略担当大臣
- 出席者
- 楠田 大蔵 防衛大臣政務官
- 出席者
- 西村 智奈美 外務大臣政務官
議事次第
- 開会
- 議題
- (1)第3次男女共同参画基本計画について
- (2)重要課題の最近の動き等について
- 閉会
配布資料
(要旨)
- 総理挨拶
- これからは、医療、介護、教育、環境問題など、むしろソフトパワーが大事な時代。今までは、政治なども男性本位に動いていたが、これからは女性の時代、あるいは「女性性」というものが重要になっていく時代。女性が活躍できる世の中にしていくことが望ましい。
- いわゆる雇用のM字型カーブの問題など、我が国の女性の活躍が低い原因を除去していくことは、女性のためだけではなくて、男性にとっても大変重要な視点である。男女共同参画の社会を、本物に仕立て上げていただきたい。
- 議事
(1)第3次男女共同参画基本計画について
○ 鹿嶋議員から、基本問題・計画専門調査会における議論について、報告があった。資料1-1
○ 各議員から、以下のような意見が述べられた。
(岩田議員)資料1-2
- 女性の活躍は、減少する労働力人口を補うという量的な面、多様な人材による新たな価値の創造という質的な面の双方から、女性自身のみではなく、企業経営、産業界の立場からも必要。
- いわゆるM字型カーブの解消が重要であり、そのための大きな課題として、(1)保育所や学童保育の整備、(2)正社員の長時間労働の是正がある。基本計画でも、中核課題としてこれらを取り上げ、短期間で集中して取り組んでいただきたい。
(神津議員)資料1-3
- 10代、20代の若年層におけるいわゆる「デートDV」、児童ポルノも含めた子どもの性暴力被害については、きちんと注意を払い、対応していく必要がある。
- 暴力の問題については、被害者が届け出ないために顕在化しない被害が相当ある。市町村の取組、相談しやすい体制づくり、官と民の連携等については、突っ込んだ対策が必要。
- メディアにおける性暴力表現について、日本は、パソコンゲームの問題等で、国際的な非難を受けている。表現の自由等の観点はあるが、政府全体で何らかに対策を立てていただきたい。
(勝間議員)資料1-5
- ワーク・ライフ・バランスの実現は、男女共同参画には必要不可欠だが、実際には、長引く不況下での厳しい雇用環境が続いているほか、財源不足により、待機児童の解消等の課題への対応も、進んでいない。
- このため、(1)インフレターゲットの設定により経済の成長力を回復し、保育園の拡充等、男女共同参画を進めるための財源を確保すること、(2)長時間労働を規制すること、が必要。
(山田議員)
- 先進国で、法律で夫婦の姓を強制するというのは日本だけであり、その結果、女性の自立の障害になっているだけではなく、結婚をしにくくさせる一要因にもなっている。
- 新卒一括採用、再チャレンジしにくい雇用慣行、正規雇用・非正規雇用の間にある大きな壁などの女性差別的な慣行が、一度正社員を辞めた女性の自立の機会を奪っているのと同様に、正社員になれなかった男性にも大きくのしかかっている。男性のためにも、雇用システムの抜本的改革が必要。
○ 福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)から、基本計画策定に当たっての基本的な考え方について、説明があった。資料1-4
○ 各議員等から、以下のような意見が述べられた。
(川端文部科学大臣)
- 教育、特に学校教育で、男女共同参画にこれまで以上にしっかり取り組みたい。
- 女性研究者が出産・育児による休暇後に復帰でき、子どもを育てながらでも研究が続けられる環境整備に、しっかりと重点的に取り組みたい。
(仙谷国家戦略担当大臣)
- もう少しターゲットを絞り、例えば企業への女性管理職比率の義務付けなど、エッジの効いたことを、5年間の数値目標とともにやらなければ、事態は進展しないのではないか。
(原口総務大臣)
- 国家公務員管理職における女性職員の割合が2%という状況をどう変えていくか、総務省として考え、超過勤務縮減等、取り組んでまいりたい。
- 男女共同参画を進めるには、ビジョンの数値化と、モニタリング機能が必要。
- メディアの担当として、ゲームや放送通信における広い暴力について、対応を考えていきたい。
(2)重要課題の最近の動き等について
○ 千葉法務大臣から、民法改正について、この国会での進展を目指してやっていきたいとの発言があった。
○ 西村外務大臣政務官から、女子差別撤廃条約の選択議定書の批准について、関係省庁とともに引き続き真剣に検討を進めていく旨の発言があった。
○ 福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)から、以下のような発言があった。
- 国家公務員の管理職に占める女性割合は、2.0%に留まっている。審議会への女性の登用とあわせて、女性の活用への取組をお願いする。資料2-1
- 公契約におけるポジティブ・アクションとして、内閣府では、男女共同参画やワーク・ライフ・バランスに関連する調査を外部委託する際、一般競争入札総合評価落札方式による委託先の選定で、男女共同参画等への取組を積極的に評価することを発表した。4月の入札から実施する。関係府省におかれても、男女共同参画やワーク・ライフ・バランスに関連する事業の実施に当たり、同様の仕組みの検討をお願いする。資料2-2
○ 意見交換が行われ、各議員から、以下のような発言があった。
(松下経済産業副大臣)
- M字型カーブのくぼみの部分に、男女共同参画社会の問題が多く詰まっている。税の問題など、様々な問題にどう対応するか、わかりやすく項目を挙げて、本気で命がけで取り組まなければならない。
(加藤議員)
- 国民生活における身近な男女共同参画の第1歩である地域における男女共同参画の推進も念頭において、ポジティブ・アクションのさらなる拡大を御検討いただきたい。
(勝間議員)
- M字型カーブについては、新卒一括採用と女性への教育投資不足も原因であり、この点についても御議論いただきたい。
(鹿嶋議員)
- 日本で男女共同参画を進めることの難しさの根幹にあるのは、「男が働いて女が家庭を守る」という固定的な性別役割分業意識がまだまだ非常に強いこと。
- 男女共同参画の視点はあらゆる分野に入ってくるため、どうしても広く重点分野を14項目も列挙せざるを得ない。
- パンチを効かせるとすれば、例えば、ポジティブ・アクションでクォータ制を設けることも考えられる。議論の材料にしたい。
- 閉会
○ 内閣官房長官から、以下のような発言があった。
- 第3次男女共同参画基本計画は、鳩山内閣においての初めての男女共同参画のマスタープランであり、だれもが個性をしっかりと発揮できる社会に向けて、大きく取組を進めていかなければならない。国民の皆さんが本当に実感をすることが非常に大事。6月の答申に向けてしっかり議論していきたい。
(以上)