男女共同参画会議(第31回)議事要旨

(開催要領)

  1. 開催日時:平成21年3月26日(木)17:45~18:28
  2. 場所:総理大臣官邸4階大会議室
  3. 出席議員:
 
麻生 太郎 内閣総理大臣
議長
河村 建夫 内閣官房長官
議員
小渕 優子 内閣府特命担当大臣(少子化対策、男女共同参画)
鳩山 邦夫 総務大臣(代理 倉田 雅年  総務副大臣)
森  英介 法務大臣(代理 佐藤 剛男  法務副大臣)
中曽根弘文 外務大臣(代理 伊藤 信太郎  外務副大臣)
中川 昭一 財務大臣(代理:竹下亘財務副大臣)
塩谷  立 文部科学大臣(代理 山内 俊夫  文部科学副大臣)
舛添 要一 厚生労働大臣(代理 渡辺 孝男  厚生労働副大臣)
石破  茂 農林水産大臣(代理 石田 祝稔  農林水産副大臣)
二階 俊博 経済産業大臣(代理 吉川 貴盛  経済産業副大臣)
金子 一義 国土交通大臣(代理 加納 時男  国土交通副大臣)
斉藤 鉄夫 環境大臣
佐藤  勉 国家公安委員会委員長
家本 賢太郎 株式会社クララオンライン代表取締役社長
岩田 喜美枝 株式会社資生堂代表取締役執行役員副社長
岡本 直美 日本労働組合総連合会副会長
帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
鹿嶋 敬 実践女子大学教授
勝間 和代 経済評論家・公認会計士
勝俣 恒久 東京電力株式会社取締役会長
加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
神津 カンナ 作家
佐藤 博樹 東京大学教授
山田 昌弘 中央大学教授
出席者
浜田 靖一 防衛大臣(代理:北村誠吾防衛副大臣)

(議事次第)

  1. 開会
  2. 議題
    • (1)男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な方向について(諮問)
    • (2)「新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について」とりまとめに向けた論点整理について
    • (3)男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な方向について(意見交換)
  3. 閉会

○ 河村内閣官房長官より、平成21年1月5日の男女共同参画会議有識者議員の任期満了に伴って新たに就任した4名の有識者議員の紹介があった。

(1)男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な方向について(諮問)

○ 麻生内閣総理大臣より、男女共同参画基本計画の改定に向けた「男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な方向」について諮問があった。新たな計画については、長期的な社会の変化をも踏まえた上で、世代や性別を超えて、広く国民に理解を得られるものにすることが必要である旨が述べられた。

(2)「新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について」とりまとめに向けた論点整理について

○ 鹿嶋議員より、資料3-1、3-2に基づいて説明があった。また、同議員提出の資料に基づいて、現下の経済状況を受けて緊急に対応すべき事項について提案があった。

○ その後、各議員から以下のような意見が述べられた。

(岩田議員)

生活困難者の困難は複合的な原因があるため、支援対策も、一人ひとりの状況に応じたオーダーメードの支援パッケージが必要である。行政だけで対応するのは難しいことから、NPO等への公的な支援を拡充や、民生委員の活用によって、支援体制を構築することが必要である。

一方、女性の生活困難者の共通する背景として、子育てのために仕事を辞めざるを得ず、再就職するときには非正規雇用の場しかないという問題がある。待機児童の問題を優先的に解決するなど、子育てのために女性が仕事を辞めなくても済むような施策が必要である。

(岡本議員)

現在、産前・産後休暇の取得や、育児休職の取得によって解雇されるという問題がある。産前・産後休暇や育児休職を取ることによる不利益な扱いは法律で禁止されており、明らかな法違反に対しては、厚労省が通達を出しているが、都道府県労働局における指導・監督の強化や、丁寧で迅速な対応を改めてお願いしたい。

また、3月23日に行った「雇用安定・創出の実現に向けた政労使合意」が実効あるものになることを期待したい。

(山田議員)

若年女性の貧困の潜在化の問題や、男性の収入が不安定化しているにも関わらず、男性が正社員になることを前提とした施策しかないという問題がある。貧困の世代間連鎖を阻止するためにも、親と同居している未婚の不安定就労の女性のほか、特に父子家庭など、非正規で子どもを育てている男性、父親に対するサポートシステムの構築を政策化してほしい。

(渡辺厚生労働副大臣)

女性の活躍の促進や、仕事と生活の調和の一層の推進のため、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法に基づく安心して出産・子育てしながら働き続けられる環境の整備、パートタイム労働法に基づく均衡待遇の確保や正社員転換の推進、希望するすべての人が安心して子どもを預けて働くことができるための新待機児童ゼロ作戦の推進などに引き続き取り組む。

また、男女共同参画の観点から見た生活困難の防止や生活困難者の支援のため、母子家庭の母の就業支援や養育費確保策の推進等の総合的な自立支援、婦人相談所等における配偶者からの暴力被害者への対策等の推進などに今後とも着実に取り組んでいきたい。

(山内文部科学副大臣)

社会が急激な変化を遂げる中、子どもたちが望ましい職業観・勤労観、職業に関する知識・技能を身につけ、学校から社会や職業に円滑に移行していくことが不可欠である。現在諮問中の中央教育審議会における審議を踏まえ、キャリア教育・職業教育の振興・充実に努めてまいりたい。

また、女性の活躍の促進や教育・学習機会の充実のため、女性のライフプランニングに関する意識形成等促進事業の実施、家庭の教育費負担軽減のための措置、外国人の子どもへの就学支援等に取り組んでいる。今後とも、生活困難を抱える人々に対する支援に努めてまいりたい。

(勝間議員)

資料3-2・51ページの図表49で示されているように、OECDの主要諸国の中で、日本が唯一、所得再分配後に、子どものいる世帯の相対的貧困率が上がっている

結果として、貧困の連鎖を招いており、さまざまな経済的な支援によって、このような貧困家庭の子どもを救うことが、喫緊の重要な課題である。

子育て家庭は、非常に消費性向が高いので、児童手当その他の給付がそのまま消費につながる可能性が非常に高く、消費喚起としても有効である。

○ 河村内閣官房長官より、生活困難を抱える人々、特にひとり親家庭に重点的に光が当たるように、各役所が連携して取り組むようにとの発言があった。

(3)男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な方向について(意見交換)

○ 板東男女共同参画局長より、基本計画改定に関する今後の進め方について資料2-2に基づいて説明があった。

○ その後、各議員から以下のような意見が述べられた。

(家本議員)

男女共同参画に関する、世代間の意識の溝をどう埋めていくのかが課題である。

また、外国籍の人々の中で起きているさまざまな問題をもう少し掘り返して見ていかなければならない。実態として外国人の移住が進んでいる中で、例えば、夫婦ともに外国籍という場合に、日本人には届いている情報が届いていない等の問題がある。

(帯野議員)

最近の日本人には、物ではなく、安らぎを得るための消費動向が見られるが、その安らぎを提供する産業の担い手は、普通の女性たちである。今後は、地域の普通の女性たちを経済活動に参画させるための施策を一つの柱としてほしい。

○ 最後に、板東男女共同参画局長より、平成21年度の男女共同参画関係予算、平成20年度第2次補正予算について、資料4-1及び4-2に基づいて説明があった。また、男女共同参画シンボルマークについて、資料7に基づいて説明があった。

(以上)