男女共同参画会議(第29回)議事要旨

(開催要領)

  1. 開催日時:平成20年6月13日(金)17:30~18:18
  2. 場所:総理大臣官邸4階大会議室
  3. 出席議員:
議長
町村 信孝 内閣官房長官
議員
上川 陽子 内閣府特命担当大臣(少子化対策、男女共同参画)
増田 寛也 総務大臣
鳩山 邦夫 法務大臣(代理:河井克行法務副大臣)
額賀 福志郎 財務大臣(代理:遠藤乙彦財務副大臣)
渡海 紀三朗 文部科学大臣
若林 正俊 農林水産大臣(代理:岩永浩美農林水産副大臣)
甘利  明 経済産業大臣(代理:新藤義孝経済産業副大臣)
冬柴 鐵三 国土交通大臣
岩田 喜美枝 株式会社資生堂取締役執行役員副社長
植本 眞砂子 全日本自治団体労働組合副中央執行委員長
帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
鹿島 敬 実践女子大学教授
勝俣 恒久 東京電力株式会社取締役社長
加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
神津 カンナ 作家
袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授
橘木 俊詔 同志社大学教授
出席者
石破 茂 防衛大臣(代理:江渡聡徳防衛副大臣)

(議事次第)

  1. 開会
  2. 議題
    • (1)「高齢者の自立した生活に対する支援に関する監視・影響調査」最終報告及び意見について
    • (2)「地域における男女共同参画推進の今後のあり方について」(中間報告)について
    • (3)各専門調査会の今後の調査の進め方について
    • (4)その他
  3. 閉会

    ○ 冒頭、町村官房長官から、4月8日に決定された「女性の参画加速プログラム」を踏まえ、今後、あらゆる分野における女性の活躍促進に向けて政府を挙げて取り組んでいきたいこと、また、「全員参加型の社会」をスローガンに掲げる福田内閣の下、高齢期においても男女がそれぞれの意欲や能力を最大限発揮できる環境づくりのため、高齢の男女の視点に立ったきめ細やかな支援を進めていきたいことが述べられた

    (1)「高齢者の自立した生活に対する支援に関する監視・影響調査」最終報告及び意見について

    ○ 監視・影響調査専門調査会の鹿嶋会長から、資料1-2に基づいて説明があった。説明の終わりに、男女共同参画を軸にした取組を各世代通じて積極的に展開することが大切である旨が述べられた。

    ○ その後、各議員から以下のような意見が述べられた。

    (橘木議員)

    高齢者に対する支援は、年齢に応じた対策が必要である。

    75歳以上の高齢単身者に対しては、公的住宅の整備、民間賃貸住宅への補助等、セーフティーネットの充実が重要。また、高齢者の介護施設の入所の需要が増える中、介護労働者の処遇改善による良質な人材の確保が必要。他方、元気で勤労意欲のある高齢者については、就業や社会参画の場を増やすことが必要。
    加えて、女性が子育てや地域、社会活動で培った経験が積極的に評価され、一度退職した女性が活躍できる仕組みづくりに、ぜひ取り組んでもらいたい。

    (橘木議員)

    ワークライフバランス社会の実現のためには、働く場での均等待遇の実現に加え、税制や社会保障制度の見直しが必要。社会保障国民会議等で、早急に議論されるべき。

    また、デンマークの例などを参考に、高齢者が地域の高齢者施策の選択や形成に自ら関われる仕組みについて、検討していただきたい。

    さらに、介護労働者の8割が女性であることも踏まえ、会議従業者処遇改善法も踏まえた良質な介護サービス基盤の確保に向け、介護労働者が安心して働き続けられる環境づくりも進めていただきたい。

    ○ 意見交換の後、上川男女共同参画担当大臣から、男女共同参画会議として資料1-1のとおり内閣総理大臣及び関係各大臣に対して意見を述べることとしてよいか伺いがあり、了承された。

    (2)「地域における男女共同参画推進の今後のあり方について」(中間報告)について

    ○ 基本問題専門調査会の袖井会長から、資料2-1に基づいて説明があった。

    ○ その後、各議員から以下のような意見が述べられた。

    (神津議員)

    地域と言っても様々であるが、特に過疎化の進んだ地域などには、住民の男女共同参画に関する意識が低いところも多い。地域においては伝統や習慣を重んじ、変化をためらう意識が強いところも多いが、伝統を尊重しつつ、必要かつ適切な変化の仕方を探ることが重要。その意味で、報告書で述べられている課題解決型の男女共同参画の取組は、非常に重要なポイント。

    (岩田議員)

    学習中心の第1ステージから、課題解決に向けた実践的な活動の第2ステージへ、という中間報告の方向性は、大変適切である。
    今後、地域活動の担い手は、従来の主婦層から現役や引退世代の男女にシフトしていくと考えられ、これらの新たな担い手が地域活動に関わるための支援が必要。具体的には、現役世代については、働き方や地域活動のあり方の見直し、引退世代については、地域活動に参加するきっかけづくりが必要。

    (帯野議員)

    女性が活躍できる社会の実現のためには、身近な地方自治体の政策決定に関わる女性が増えることが重要。
    地方では、短時間勤務制度も含め、ある程度制度は整いつつある。次の一歩に向けて重要なのは任用における意識の改革だが、これについては、誰かがイニシアティブをもって強力に引っ張っていかなければ進まない。現実的な目標を設定するために、管理職の定義を緩和できないか。

    (加藤議員)

    中間報告の各所で記されている「連携・協働」については、一定期間後、進捗状況の検証をお願いしたい。うまくいかない場合には、その部分について対策を講じていただきたい。また、男女共同参画の重要性が現在の施策や活動の中でどのくらい意識されているかについても、市区町村レベルを中心に現状把握を行い、早急に対策を講じる必要がある。日本のジェンダーエンパワーメント指数は93か国中54位であるが、こうした点の改善のためにも地域は極めて重要である。

    ○ 上川担当大臣より、本件については、最終報告に向けて引き続き調査検討を進めていただきたい旨の発言があった。

    (4)その他

    上川担当大臣より、男女共同参画をめぐる最近の動きとして、以下4点について報告があった。

    1. 「女性の参画加速プログラム」の策定について

      前回の参画会議の意見決定及び総理の御指示を踏まえ、去る4月8日に男女共同参画推進本部を開催し、女性の参画加速プログラムを決定した。同プログラムの策定を受け、今後も引き続きプログラムの内容や女性の登用の意義等の普及に努めてまいる所存。

    2. 平成20年版男女共同参画白書の公表について

      平成20年版男女共同参画白書を閣議決定したところ。本年度は「地域における協働、進化する男女共同参画」と題して、特集を組んでいる。

    3. 女子差別撤廃条約実施状況第6回報告について

      我が国は、女子差別撤廃条約に基づき、条約の国内における実施状況に関する報告をこれまで5回にわたり国連に提出しているが、本年4月、第6回報告を国連に提出したところ。

    4. 「カエル!ジャパン」キャンペーンについて

      仕事と生活の調和の推進について、これまで展開してきた国民運動を一層効果的に推進するため、「カエル!ジャパン」というキーワードの下、シンボルマークとキャッチフレーズを作成した。これらを活用して、「カエル!ジャパン」キャンペーンを展開し、仕事と生活の調和が実現した社会に向けて、その取組を加速していく。

    ○ 最後に、町村内閣官房長官より、議論のあった各議題について、引き続き、議員各位の知恵と指導力を発揮していただき進めていきたい旨、発言があった。また、政府の方でも、全力で取り組んでいくほか、公務員に関しても、引き続き最大限の努力をしていきたい旨、述べられた。

    (以上)