(開催要領)
- 開催日時:平成18年5月29日(月)17:20~18:00
- 場所:総理大臣官邸4階大会議室
- 出席議員:
- 小泉 純一郎 内閣総理大臣
- 議長
- 安倍 晋三 内閣官房長官
- 議員
- 猪口 邦子 少子化・男女共同参画担当大臣
- 同
- 杉浦 正健 法務大臣
- 同
- 麻生 太郎 外務大臣(代理:塩崎外務副大臣)
- 同
- 谷垣 禎一 財務大臣(代理:赤羽財務副大臣)
- 同
- 小坂 憲次 文部科学大臣
- 同
- 川崎 二郎 厚生労働大臣(代理:中野厚生労働副大臣)
- 同
- 中川 昭一 農林水産大臣(代理:三浦農林水産副大臣)
- 同
- 北側 一雄 国土交通大臣(代理:松村国土交通副大臣)
- 同
- 小池 百合子 環境大臣(代理:江田環境副大臣)
- 同
- 沓掛 哲男 国家公安委員会委員長
- 同
- 内永 ゆか子 日本アイ・ビー・エム株式会社取締役専務執行役員
- 同
- 鹿島 敬 実践女子大学教授
- 同
- 住田 裕子 弁護士、獨協大学特任教授
- 同
- 袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授
- 同
- 林 誠子 日本労働組合総連合会参与
- 同
- 原 ひろ子 城西国際大学大学院客員教授、お茶の水女子大学名誉教授
- 同
- 古川 貞二郎 社会福祉法人恩賜財団母子愛育会理事長
- 同
- 山口 みつ子 財団法人市川房枝記念会常務理事
- 出席者
- 額賀 福志郎 防衛庁長官(代理:今津防衛庁副長官)
- 岩男 壽美子 少子化と男女共同参画に関する専門調査会会長代理
(議事次第)
- 開会
- 議題
- (1)男女共同参画社会の形成の促進のための取組等について
- 大臣による男女共同参画研修会の実施
- 平成18年度男女共同参画推進関係予算
- 東アジア男女共同参画担当大臣会合
- 国の審議会等における女性委員の登用の促進
- (2)少子化と男女共同参画に関する提案について
- (1)男女共同参画社会の形成の促進のための取組等について
- 閉会
(1)男女共同参画社会の形成の促進のための取組等について
○ 大臣による男女共同参画研修会の実施について
○ 平成18年度男女共同参画推進関係予算について
○ 東アジア男女共同参画担当大臣会合について
○ 国の審議会等における女性委員の登用の促進について
資料1~4に基づき、猪口男女共同参画担当大臣より報告があった。(2)少子化と男女共同参画に関する提案について
少子化と男女共同参画に関する専門調査会の岩男会長代理から資料5に基づき説明があった。以下、資料5に基づき、意見交換が行われた。
(袖井議員)
ワーク・ライフ・バランスは、少子化対策、子育て支援という観点からだけではなく、生活の質を高めるという観点からも重要な施策である。短時間正社員を希望する人の中で、介護を理由にあげる人が男女とも約7割いる。子育て世代だけではなく、介護も含めて男女ともあらゆる世代の働き方の見直しが必要。
(山口議員)
今後定年を迎える団塊の世代は、地域活動への参加が期待されている。しかし、週60時間以上の労働や、有給休暇の取得率が低下しているという働き方では、地域活動、家庭生活に参画する余裕は生まれない。団塊の世代の生き方の問題も含めて、いま働いている世代の長時間労働の解消を早急に進める必要がある。
(原議員)
M字カーブの底が上がってきたと言われるが、1982年から2000年までの間で、有業率が上昇しているのは主として配偶者も子どももいない未婚者の増加分であり、子どものいる女性の有業率は上がっていない。長時間労働等の働き方の見直しがない限り、両立支援策は効果が発揮されない。また、女性の健康の問題に関する対応の強化にも力を入れていただきたい。
(林議員)
就業形態別のグラフを見ると、2002年には20年前よりも非正規雇用が大幅に拡大している。若年層の正規雇用が減少していることは大きな問題。また、子どものいる女性の非正規雇用が拡大するだけでなく、男性の非正規化も進んでおり、正規男性よりも未婚率が高くなっている。働き方の見直しと多様性の確保のためには、同一価値の労働に対しては同等の報酬をという国際条約の趣旨を具体化することが不可欠である。
(住田議員)
世論調査では、女性が子どもを持っても働き続けた方がよいという意見が、男女ともに多数派になっている。しかし、現実には第一子出産を機に退職する女性が7割となっており、希望はかなえられていない。継続就労を可能とする環境の整備とともに、子育て等を終えてまた頑張りたいと思っている人の再チャレンジ支援が重要。そのためには、企業の雇用ニーズと女性の就労ニーズをよく把握する必要がある。
(鹿嶋議員)
大企業は育児休暇制度などの制度面では進んでいるが、利用しにくいなどの声もあり、運用に問題がある。一方で、中小企業は両立支援に関して柔軟に対応している割合が高い。働き方の柔軟性という点では、こうした中小企業の取組を支援するとともに、大企業の場合は、制度づくりからそれを運用しやすい風土づくりが必要となってくる。
(内永議員)
ワーク・ライフ・バランスの取組を、子育て世代だけではなく、全従業員を対象とすることが、多様な人材確保を必要とする企業経営においては必須の課題となっている。これまでの男性の働き方を登用した女性にそのまま求めるのではなく、女性の管理職登用とワーク・ライフ・バランスは両方セットにして進めていただきたい。
○ 猪口男女共同参画担当大臣より、仕事と生活の調和を図る働き方の見直しをあらゆる世代で広く進めることは、男女共同参画を推進すると同時に、少子化対策にも資するものであるとして、関係省庁に協力を求める発言があった。
○ 意見交換終了後、小泉内閣総理大臣より、女性が希望に応じて、継続就業や再チャレンジができるよう、一層の取組を進める必要があるとの挨拶があった。
○ 続いて、議長の安倍内閣官房長官より、多様な生き方・働き方ができる社会を求める意識が高まっており、各閣僚においては、本会議における議論を踏まえ、具体的方策を検討していただきたい旨の発言があった。
(以上)