男女共同参画会議(第17回)議事要旨

(開催要領)

  1. 開催日時:平成17年2月25日(金)18:15~19:05
  2. 場所:総理大臣官邸4階大会議室
  3. 出席議員:
 
小泉 純一郎 内閣総理大臣
議長
細田 博之 内閣官房長官 (男女共同参画担当大臣)
議員
麻生 太郎 総務大臣 (代理 山本 公一 総務副大臣)
南野 知惠子 法務大臣
町村 信孝 外務大臣 (代理 谷川 秀善 外務副大臣)
谷垣 禎一 財務大臣 (代理 上田 勇 財務副大臣)
尾辻 秀久 厚生労働大臣
島村 宜伸 農林水産大臣 (代理 常田 享詳 農林水産副大臣)
中川 昭一 経済産業大臣 (代理 小此木 八郎 経済産業副大臣)
大野 功統 防衛庁長官 (代理 今津 寛 防衛庁副長官)
村田 吉隆 国家公安委員会委員長
大橋 光博 西京銀行頭取
片山 善博 鳥取県知事
住田 裕子 弁護士、獨協大学特任教授
袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授
林  誠子 日本労働組合総連合会副事務局長
原  ひろ子 放送大学教授、お茶の水女子大学名誉教授
古川 貞二郎 前内閣官房副長官
八代 尚宏 社団法人日本経済研究センター理事長
山口 みつ子 財団法人市川房枝記念会常務理事
(説明者)
村田 吉隆 防災担当大臣
 
岩男 壽美子 男女共同参画基本計画に関する専門調査会会長

(議事次第)

  1. 開会
  2. 議題
    • (1)男女共同参画基本計画に新たに盛り込むべき事項について
    • (2)平成17年度 男女共同参画推進関係予算(政府案)について
    • (3)その他
      • 刑法等の一部を改正する法律案の提出について
      • 国の審議会等における女性委員の参画状況について
  3. 閉会

    (配布資料)※PDFファイルで開きます

    資料1
    男女共同会議議員名簿 [PDF形式:11KB]別ウインドウで開きます
    資料2
    男女共同参画基本計画改定に係る審議スケジュール(予定) [PDF形式:19KB]別ウインドウで開きます
    資料3
    男女共同参画基本計画に新たに盛り込むべき事項について [PDF形式:123KB]別ウインドウで開きます
    資料4-1
    平成17年度男女共同参画推進関係予算政府案(総括表) [PDF形式:27KB]別ウインドウで開きます
    資料4-2
    平成17年度男女共同参画推進関係予算政府案(分野別内訳表)[PDF形式:81KB]別ウインドウで開きます
    資料5
    国の審議会等における女性委員の登用状況について [PDF形式:23KB]別ウインドウで開きます
    資料6
    配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針について [PDF形式:417KB]別ウインドウで開きます
    資料7
    男女共同参画会議(第16回)議事録(案)

    (概要)

    ○ 内閣総理大臣からあいさつが行われ、女性の挑戦意欲を支援していくという趣旨で、議員に対し、率直な意見を聞かせてもらいたい、活発な、建設的な議論を期待する旨述べられた。

    ○ 内閣官房長官より新任の有識者議員の紹介が行われ、新任の有識者議員から自己紹介を兼ねたあいさつが行われた。

    ○ 男女共同参画基本計画に新たに盛り込むべき事項について

    男女共同参画基本計画に関する専門調査会の岩男会長から資料2及び資料3に基づき男女共同参画基本計画改定の審議スケジュール案及び男女共同参画基本計画に新たに盛り込むべき事項について報告。

    なお、新たに盛り込むべき事項に科学技術・情報技術、地域おこし・まちづくり・観光、防災・災害復興、環境の4つを検討してきた理由として、本分野で女性の参画が特に遅れており、強力に推進しない限り2020年までに指導的地位の女性割合を30%にするという目標達成が難しい。男性だけでは発想が画一的になるが、女性の視点が入ることでアイデアが多様化し分野の活性化等が期待できる。防災については、被災は平等・救済不平等といった不都合の是正が必要。科学技術基本計画の改定や、観光立国が政府としての重要施策であることを説明。

    以下、資料3の項目順に自由討議が行われた。

    (山本議員代理)

    総務省では、誰でもが元気に参加する社会を構築するために、ICTを活用した、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークに簡単につながる「ユビキタス」社会を実現することを目標とした施策を推進している。日常生活でICTになじめば、女性のICTの知識、技能も自然に向上し、男女共同参画社会の構築にも資すると考える。

    (住田議員)

    我が国の科学技術政策の中の一つの目標として安全・安心な社会の実現がうたわれており、その達成のためには男女共同参画の視点が不可欠である。女性研究者の割合は諸外国に比べ非常に低く、全体で12%に満たず、男性に偏っているのが日本の際立った特徴である。新たな価値を創造するためには多様性が重要であり、女性を活用する必要がある。

    (原議員)

    情報技術に関しても、日本学術会議などの会員を選ぶとき選考委員に女性がごく小数しか入っていない。もっと入っていくようにするべきである。また、男女間に情報格差があり、チャレンジしたい女性が必要な情報を容易に受発信するための支援が必要。更に、情報を得た後どう処理するかの訓練も考えていくべきだ。

    (大橋議員)

    地域おこしに関して、バングラディシュでは最も貧しい女性に担保なし低利で長期でお金を貸すという仕組みがある。我々の銀行では唯一担保なし低利で長期に貸す「しあわせ市民バンク」をやっており、利用者は女性が多い。地域でできることはやっていこうという姿勢で取り組んでおり、広がっていくことを期待したい。

    (片山議員)

    地域おこしやまちづくり、観光に女性の視点は必要。まず、まちおこし・地域づくりに大きな役割を果たす商工会議所や経済団体は男性ばかり。女性も含めてまちづくりに当たれるよう啓発や意識改革が必要。また、まちづくりに関係のある県の都市計画審議会や建築審査会も男性ばかり。鳥取県も努力しているが、国の制度で充て職など法律の規制があり、うまくいかないので、是非、改革を行って欲しい。

    (袖井議員)

    地域において女性がリーダーシップを握れる仕掛けが必要。また、子供の誘拐など様々な事件が起こっているが、そういう面でも女性の細やかな目が活用できる。更に、女性たちが色々活躍しているが、圧倒的にお金がない。女性の地域活動を支援するような公的な資金援助ができないか。

    (村田議員)

    災害後、被災者が一番大切に思う暮らしの再建には女性の視点が有用。新潟県中越地震のときに内閣府から女性職員を派遣し、細かく女性のニーズを聞いてきてもらった。生活再建のため避難所を中心に女性の活躍が増えなければいけない。また、避難されている被災者女性にボランティアとして協力していただくことも必要。女性職員が活動の支えになるため今後とも防災部門として派遣したい。更にゆきつばき隊という女性警察官も活躍した。地方には婦人防火隊もおり、災害時には活躍して欲しい。

    (山本議員代理)

    消防庁では、女性消防吏員の積極的採用、女性消防団員の参加を進めている。引き続き女性消防吏員及び女性消防団員が更に活躍できるような取組をしていきたい。

    (片山議員)

    防災は、被災後に加え、計画、準備の段階が大切。2000年10月6日の鳥取県西部地震の際、マニュアルが実践向きでなく、備蓄におむつや粉ミルク等が抜けており、女性の視点が必要であることがわかった。防災、国民保護計画など事前の段階から男女共同参画を進める必要がある。また、災害対策基本法に基づく県単位の都道府県防災会議の構成メンバーが法律で決まっているが、結果的に男性ばかりになるなので、女性も事実上入れるように改正して欲しい。

    (林議員)

    阪神・淡路大震災の際には、雇用関係が不安定なパート労働者が解雇されるなど雇用のしわ寄せが女性に集中したが、問題が軽視されている。また、災害時には安全衛生や性的な被害など女性固有のニーズも生じる。計画立案の段階から女性が参画できる仕組みが必要。

    (原議員)

    職業との関連で被災者のうち、女性がボランティアになることが多く就業がおくれがちだが、被災民男性もボランティアになって欲しい。

    (八代議員)

    環境は、ごみの問題から地球環境に至るまで非常に女性の関心が高い分野だが、実際の主導的立場にいるのは男性が圧倒的に多い。大学の専攻分野で科学や経済、法律など専門的知識を専攻する女性の比率が非常に低く、進路指導や家庭の意識などが大きく効いている。女性、特に若年層の経済、法律、自然関連分野について関心を高めていくことが大事。また、環境や科学技術など個別分野だけでなく、働き方一般について男女格差を考えていく必要がある。

    (山口議員)

    環境省の調査によると環境問題への関心と環境保全行動は女性が男性を上回っている。問題は、女性が参画する立場にないことが一点。第二点に、今年は「国連持続可能な開発のための教育の10年」の初年度に当たるため、教育への取組、国際協力に向けて日本はイニシアティブを取る必要があり、政府とNGOとの連携、関係各省の横断的な推進体制を早急に整備してほしい。

    (岩男専門調査会長)

    日本の場合は、もっと男性の関心を環境に引きつけ男女共同参画で進めることが必要。例えば冷房の温度は、真夏に女性はセーターを着てひざ掛けをする一方、男性は背広を着てもっと温度を低くして欲しいと言う。これは相手の観点に敏感になるという男女共同参画の立場に立って全国的な運動で変えていく必要がある。

    (住田議員)

    科学技術の関係で補足をすると、女性研究者の割合が12%に満たないのは、一番目の理由が家庭と仕事の両立が困難、二番目が男性の意識、三番目が男性に比べて採用が少ないこと。今後も、職場での男女共同参画のため仕事と家庭の両立が必要。その中での一番の問題が性別役割分業意識。最近の調査で意識が変わってきたことがわかったが、本会議が中心となり男女共同参画を更に進めていけるようお願いする。

    (議長)

    総合科学技術会議に2人の女性研究者がおられるので、女性研究者の在り方とか問題点を特命でお願いしてみたい。

    (山口議員)

    防災に関し、女性医師や看護師が有効に働く場が必要。また、全国にある女性センターや働く女性の家などを災害の際の活用対象として考えていきたい。

    (村田議員)

    一般に、地方議会は女性議員が少なくお年寄りが多い傾向。議会を夜や休日に開くと女性が議員になれる可能性が拡がるのではないか。市町村の仕事は社会保障、教育、環境など女性の視点が要求される。

    (片山議員)

    地方議会の男女共同参画も非常に重要。鳥取県では女性の政治参画講座を県の事業でやっている。また、自治法上の議会ではなく、実験的に事実上の郡議会を老若男女のクォーター制でやっている。

    (内閣総理大臣)

    国会も女性議員が少なく、出来るだけ女性議員を起用したいが数が少ない。女性は選挙に出たがらない。

    ○ 平成17年度男女共同参画推進関係予算(政府案)について
    事務局より、資料4-1及び資料4-2に基づき、平成17年度男女共同参画推進関係予算(政府案)について報告が行われた。

    ○ 刑法等の一部を改正する法律案の提出について
    南野議員より刑法等の一部を改正する法律案について、また、村田議員より風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案について報告が行われた。

    ○ 国の審議会等における女性委員の参画状況について
    事務局より、資料5に基づいて国の審議会等における女性委員の参画状況について報告 が行われた。

    (以上)