男女共同参画会議(第34回)議事録

【開催要領】

  1. 開催日時: 平成22年4月15日(木) 17:30~18:00
  2. 場所: 永田町合同庁舎第1共用会議室
  3. 出席議員
     
    鳩山 由紀夫 内閣総理大臣
    議長
    平野 博文 内閣官房長官
    議員
    福島 みずほ 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
    原口 一博 総務大臣
    千葉 景子 法務大臣
    菅  直人 財務大臣
    川端 達夫 文部科学大臣
    赤松 広隆 農林水産大臣(代理 山田 正彦  農林水産副大臣)
    直嶋 正行 経済産業大臣(代理 松下 忠洋  経済産業副大臣)
    中井 洽 国家公安委員会委員長
    家本 賢太郎 株式会社クララオンライン代表取締役社長
    岩田 喜美枝 株式会社資生堂代表取締役執行役員副社長
    岡本 直美 日本労働組合総連合会会長代行
    帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    勝間 和代 経済評論家・公認会計士
    加藤 さゆり 前全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
    佐藤 博樹 東京大学教授
    林  文子 横浜市長
    山田 昌弘 中央大学教授
    出席者
    西村 智奈美 外務大臣政務官
    出席者
    榛葉 賀津也 防衛副大臣

【議事次第】

  1. 開会
  2. 議題
    • 男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な方向についての中間整理について
  3. 閉会

【議事内容】

平野内閣官房長官
ただいまから第34回男女共同参画会議を開催いたします。
本日は鳩山総理にも御出席をいただいております。まず初めに総理からごあいさつをいただきます。
鳩山内閣総理大臣
男女共同参画会議に御参集いただきまして、ありがとうございます。
 先日、我が家に息子夫婦が二人の子どもを連れて1週間ほど戻ってまいりましたが、その新しい家族を見ておりますと、私の息子の方が私の孫の面倒を見ていたようで、世の中も、新しい時代には、男がむしろ保育を行う、子どもの面倒を見るためにかなり力を入れているなという、その雰囲気だけは伝わってきたわけでありますが、日本中が必ずしもそのような意識になっていないというのは紛れもない事実だと思います。だからこそ皆様方に、このような第3次の男女共同参画基本計画をおつくりいただくために、大変御努力をいただいている。心から感謝、御礼を申し上げたいと思っております。
 また、林議員には横浜市長になられましたことをめでたく思っております。昨今は、選挙に出る候補者は男性よりも女性の方が望ましいという思いが国民の皆さんの中にかなり浸透してきていることは、私は大変すばらしいことだと思っております。国会の中でも、女性比率が衆議院よりも高い参議院の方でも女性の比率がまだ17%ですから、十分ではありませんが、それでも何か新しい国会の命がそこから湧き出ているような気がしておりまして、大変うれしく思っておりますし、市長あるいは知事に女性の進出が大変目覚しくなっていることは、日本にとっても大変望ましい状況ではあろうかと思います。
 ただ、それでもまだまだ不十分だとも思っておりますし、多くの女性の皆さんはせっかくお仕事を始められても、お子様を持たれる、妊娠されて出産されると7割の方がお辞めになってしまう。したがって、M字カーブというものは、まだ日本には残っているという現実がございます。いろいろと男女共同参画がうたわれていながら実効性がない、実効が上がっていないというのが実情だと思っておりまして、具体的に私はやはりしっかりとしたものを、法的措置まで行くのかどうかということはいろいろ御議論があろうかと思っておりますが、これはペーパーをまとめればいいという話ではなくて、現実にこの日本という国を世界に伍して進めていくためにも、それ以上にそれぞれの御家庭の中で幸せというものを享受していくためにも、男女共同参画社会を本当の意味で具体的に実効力のあるものにしていくということが大変大事な時を迎えていると思っております。だからこそ、皆様方にこのような御努力をいただいておるわけでございまして、そのことに感謝を申し上げながら、是非御指導をいただければと思っております。 福島担当大臣が大変な頑張り屋で努力をしておりますことを皆様方にもお認めいただきながら、御指導を更にいただきたい。本年中にしっかりとした実効力のある基本計画をおまとめいただきますように、重ねてお願いを申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

平野内閣官房長官
それでは、議事に入る前に3月12日付で新たに任命されました横浜市長の林文子議員から一言御就任のごあいさつを承りたいと思います。
林議員
皆様、初めまして。このたび議員として本日から参画させていただきます、横浜市長の林でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私は18歳からいわゆる実業界でずっと働き続きまして、45年くらい働き続けたわけでございまして、昨年の選挙で急な転身ということで立候補させていただいて、市長職に就き、ちょうど7か月を過ぎました。
 改めて行政の現場で感じましたのは、本当に行政というのは、私どもの場合では横浜市の市民の皆様の一生、生まれてから亡くなるまで、生活そのものをお支えする、その生活の基盤である経済のベースをしっかり将来的に引き継いでいく仕事ですが、自分がやってみて、余りにも日々の細かい事柄が多いのです。
 総理にも言っていただきましたが、全国の女性の首長さんの数が2%に届かない状況です。でも、実際の市民の皆様の生活にもっと肌感覚で共感していかないと、本当の市民の皆様が望んでいる政策はできないのではないか。役所の中でもそうでございますけれども、それには女性にもっともっと仕事に参画していただかなくてはいけないし、市民の皆様にも大いに声を上げていただかなくてはいけない。そういうことで本当にこの男女共同参画というものがいかに重要かということを、市長になって本当に感じたのです。経済界にいたとき、最後は経営職を12年やったのですが、そのときもポジティブ・アクションを実行しようと思い、女性をもっと職場の中に入れようという努力を相当いたしましたけれども、なかなか実際には思うようにならなかったのが現実でございます。
 ですから、これから、国のこういう計画策定の場に参画させていただきまして、ありがたくて、行政の現場の中で皆さんのお声をここに反映させたいですし、生の生活実感をお伝えしたいと思いますし、またこの会議の議論の中でそれを勉強し参考にしながら、横浜市のために尽くしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
平野内閣官房長官
ありがとうございました。これ以降は担当大臣であります福島大臣に議事の進行ととりまとめについて、お願いをしたいと思います。
福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
それでは、議事に入ります。現在、新たな男女共同参画基本計画の策定に向け、専門調査会において、その基本的な考え方について検討を進めておりますが、このたびその中間整理がとりまとめられました。
 まず基本問題・計画専門調査会の会長代理の鹿嶋議員から中間整理について、簡単に御報告をお願いいたします。
鹿嶋議員
それでは、報告いたします。実は2月18日の男女共同参画会議で、私の方で中間整理の概要版を報告したのですが、何人かの閣僚の皆さんから、例えばエッジの効いたことをしないと事態は進まないということを言われました。それと同時に本気で命がけで取り組まなければならないというような言葉もいただきました。私はそれを大変前向きに受け止めまして、政権交代によって男女共同参画を本気で実現しようとしているのだなということをこの場で痛感いたしました。 そのエッジの効いた中身にしようということを合言葉のように、基本問題・計画専門調査会の皆さん、その下の起草ワーキンググループでも、どうしたらエッジを効かせられるかということで議論を進めてまいりました。エッジを効かせたつもりですので、そのことを御報告いたします。 まず過去10年間になぜ男女共同参画が進まなかったのかといった分析をいたしました。それは資料1-2の1ページの後半から2ページにかけて書いてございます。やはり一番大きな問題は、この国では男性が働いて女性は家庭を守るのだという固定的性別役割分担意識がまだ根強いということです。同時に、男女共同参画は女性の支援だという印象が強かったということもあると思いますし、更には雇用就業環境の急激な変化や家族の変容に対してのセーフティネットの構築が不十分だった、ということも言えると思います。
 もう一つは、連立政権での初めての男女共同参画会議で申し上げましたが、政治的な強い意思も不足していたのではないかということも感じております。
 6ページを見ていただきたいのですが、各分野ごとに十分にこれまで男女共同参画が進まなかった理由をⅠで分析してございます。その上で例えば7ページですが、今後どのような目標を立てればいいのかを書くという構成。全分野をこのようなスタイルでまとめています。
 次に、そのエッジの効いたものにするということですが、まず第1に指摘したいのは、実効性のあるポジティブ・アクションの推進です。これは4ページの喫緊の課題の中の1番に書いてあります。
 具体的にはどういうことを想定しているかと言いますと、第1分野は7~8ページですが、1つは、クオータ制の検討です。これは政治分野に踏み込みまして、例えば女性候補者比率のクオータ制の導入を提案したいと思っております。中身については法的根拠のある強制割当制、自発的割当制、さまざまですが、その前提としては、政党別の男女共同参画の推進状況調査の実施とか、女性議員の増加に向けた働きかけ等を行うということ、そして、クオータ制を本当にするのであれば、それについてのタスクフォースも編成する必要があると思っております。
 ポジティブ・アクションは、クオータ制のほかに、大きく分けるとあと2つくらいございます。 1つは、インセンティブの付与です。これは第1分野の9ページ、更には21ページ辺りをごらんいただければと思うのですけれども、公共調達や税制等において、男女共同参画に積極的に取り組んでいる企業を評価するということを考えています。
 もう1つは、ごく今までも言われてきましたが、ゴール・アンド・タイムテーブル方式です。数値目標とスケジュールを設定して、その目標に向かって邁進する。例えばそれは第4分野、21ページにその辺りのことが書かれています。政府は2020年までに指導的地位の女性を3割 にするということで目標を掲げておりますが、2015年までの中間目標を設定したいと思っております。
 次に第2点目は、世帯単位の制度慣行を個人単位に移行するということを提言申し上げたいと思います。
 申し遅れましたが、私が言っている、「エッジを効かせた」云々ということで報告していることは、第2次基本計画には触れられておりません。第3次男女共同参画基本計画に向けた中間整理の中で新たに触れていることです。
 税制とか社会保障制度は、今、片働きを前提とした世帯単位から個人単位に移行するべきであるという表現でまとめています。例えば税制、配偶者控除の縮小・廃止、社会保障制度については年金制度の在り方、家族関連法につきましては選択的に夫婦別氏制、生殖医療で出生した子どもの法律上の取扱い、嫡子認定など、さまざまあります。これについては11~12ページ辺りに書いてあります。
 更に、ジェンダー統計の徹底です。いわゆる男女別の違いを明確にする。それは5ページに書いてあります。
 ジェンダー予算。予算の全過程、編成から執行、決算、評価におけるまで、男女共同参画の視点を反映して男女共同参画を推進するということで、これは国によってかなり手法がばらばらなので、内閣府で、ジェンダー予算にどう取り組んだらよいか、検討するための予備的な調査に着手しました。
 3番目として申し上げたいのは、雇用問題の解決を進めてセーフティネットを構築するということです。1つは19ページです。男女間の賃金格差の是正に向けて工程表を策定して是正を図っていくということです。
 もう1つは20ページ。男女同一価値労働・同一賃金の実現に向けた取組の推進です。これにつきましては、過去にも男女同一価値労働・同一賃金は言われてきたのですが、更に踏み込みまして、法整備を含めて検討してほしいという文言にしております。今までも、ここまでは言い切ってはおりません。全体の雇用労働者は5,000万人ですが、その3割強、1,700万人強が非正規雇用という中では、同じ価値の労働であれば賃金は同じだということを徹底していかない限り、正規雇用と非正規雇用の格差は広がるばかりだと思っております。
 3番目はM字カーブの解消に向けた取組みの推進です。これは22~24ページに書かれております。M字カーブの解消につきましては、女性の継続就業、仕事の質の向上と書いてあります。ワーク・ライフ・バランスによって女性の継続就業の環境が整っただけではM字カーブは解消しないと思います。非正規雇用に就く女性が過半数を占めている中では、妊娠・出産を契機に辞めてしまっても、再就職をするにあたって、以前と同じくらいのレベルの仕事だったら就くことができるというのでは、頑張ってでも働き続けようという気など起きません。M字カーブの解消に向けた取組は継続就業と同時に女性の仕事の質の向上、すなわちどんな苦労があっても手放したくないというくらいの仕事にも女性がどんどん就けるようにならないとだめで、そのためには均等推進も徹底して行う必要があるということが書いてあります。
 もう1つは、雇用問題の解決を進めるセーフティネットの構築では30~34ページですが、貧困等さまざまな困難を抱える人々がおりますが、その人たちのセーフティネットの構築です。女性の相対的貧困率は非常に高いわけでして、その意味でも特に母子家庭に対する援助は必要です。更に女性であることに加えた他の差別、複合的差別で抱えている人たちもおります。そういう人たちに対するセーフティネットの構築も必要だということです。4番目としては、男性、子どもにとっての男女共同参画、地域における男女共同参画の推進を挙げたいと思います。具体的には3ページ、更に突っ込んで書いてあるのは15~17ページです。男性が男女共同参画を自分のものとしてとらえることができるよう積極的にアプローチをする必要がある。子どものころから男女共同参画の理解を図ることも指摘しました。これが3ページであります。
 地域生活にとっても意思決定のシステムの中に女性が参画することは大変大事です。PTA、自治会、消防団など、地域における多様な政策方針決定過程への女性の参画の拡大を図る。これは55~58ページに書いてあります。
 最後ですが、国際的な概念の考え方の重視です。「ジェンダー」につきましては、第1次基本計画の定義に戻しました。第2次基本計画では、「ジェンダー」の日本語訳は「社会的性別」にしましたが、議論の過程で、わかりにくいという意見もありましたので、「社会的・文化的に形成された性別」に戻しました。これが3ページに書いてあります。
 リプロダクティブ・ヘルス/ライツですが、これも第1次基本計画と同様、今後の目標にリプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点からの男女、特に女性の生涯を通じた健康を支援するためのという文章にしました。これは42ページに書いてあります。女子差別撤廃委員会からの最終見解につきましては、指摘事項を点検して、国際的な規範・基準の遵守をする必要があるということであります。
 今、申し上げました事柄を、実効性あるもの、先ほど総理も実効性があるものが必要なんだとおっしゃっておりましたが、それについては具体的な数値目標とスケジュール等を決め、監視・影響調査専門調査会の機能を拡充しまして、徹底を図りたいと思っております。
 この中間整理は明日以降、パブリック・コメントや全国6か所における公聴会の場などでの議論を通じて、幅広く国民の意見を伺います。寄せられた意見をどう反映するかにつきましては、専門調査会で議論をし、併せて政務三役とも相談をしながら、6月ごろに男女共同参画会議から総理に対して答申を行えるように進めていきたいと思っております。是非強力な政治のリーダーシップの下、この男女共同参画を進めていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
ありがとうございました。なお、男女共同参画担当大臣として、私の考え方を「中間整理に寄せて」というメッセージにまとめております。
 それでは、議員の皆様から中間整理に関し意見がありましたら、お願いをいたします。
帯野議員
私の方からは地域における男女共同参画の推進について、一言発言をさせていただきます。第2次基本計画では防災、地域起こし、まちづくり、観光、環境といわゆる暮らしと経済について、その促進をうたっておりましたが、まだまだ不十分ということで、先ほど説明がありましたようにPTA、自治会、消防団といった政策方針決定への女性の参画を図ることを目標にし、特に防災の面では防災の取組みに男女のニーズの違いを把握すること、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制を拡充するといったことを目標にして、その視点が反映されるよう働きかけること、消防、警察、自衛官といった防災の現場に女性を十分配置できるよう採用登用段階から留意していただくことをうたっております。
 もう一点、観光まちづくり。これが私の専門分野でございますが、観光まちづくりについては男女共同参画の視点からのみではなく、地域経済の活性化という点からも、是非積極的に取り組んでいただきたいと考えます。御存じのとおり、多くの地域は疲弊しております。新しい産業創出に期待できる可能性はうすく、観光、集客のみが地域再生の可能性がある分野というところがたくさんあります。観光は今、名所、旧跡、社寺、仏閣ではなくて、その周りにあるスモールビジネス、探して行きたいお店とかリピートしても泊まりたい宿とか、こういうスモールビジネスが中心です。そして、それこそが女性の得意とする分野でありますので、是非、女性が地域のスモールビジネスに取り組めるような環境づくりを促進していただきたいと思います。
 例えば文科省におきましては、女性のキャリア教育の充実であるとか、生涯学習のより充実であるとか、経産省において金融等々の施策であるとか、特に観光庁においては人材育成という点でも観光に取り組んでいただきたい。そんなふうにして地域における男女共同参画を進めて、観光まちづくりの視点から、地域経済も活性化していただきたいというお願いでございます。
福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
ありがとうございます。では、岡本議員、お願いします。
岡本議員
私からは2点簡単に発言させていただきます。まず1点目は、昨年もこの会議で「女子差別撤廃委員会最終見解への対応について」という文書を出させていただきましたが、その際も述べさせていただきましたけれども、民法改正について是非、現内閣で閣議決定をして、法改正の議論を進めていただきたいということを改めてお願いを申し上げます。
 法政審が最終答申を出してからもう14年も経ってしまいました。この間、女子差別撤廃委員会に対して、政府が言い訳として言ってきた世論の動向という部分についても、昨年末の各種調査においては、例えば夫婦選択別姓についても既に賛成の方が反対を上回っているという状況があります。60代以降の方はまだ反対という方も多いわけですけれども、私たちは現内閣になり、民法改正が進むということを、政権交代のときに本当に実感しました。大変期待をしております。是非、1日も早い国会での議論をお願いしたいと思います。
 もう一点は、同一価値労働・同一賃金についてです。先ほど鹿嶋先生の方からお話がありましたが、均等待遇の取組の推進をより深めていくことを、今回の中間報告でも具体的に記述をしております。働き方の多様化が進んでいる中で、均等待遇のための施策は、現在起こっているさまざまな雇用の問題を解く鍵にもなると思っております。現在行われている政府の雇用対策の中でも、この同一価値労働・、同一賃金について、是非深い議論をされて対策をしていただくことを改めてお願いいたします。以上です。
福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
ありがとうございます。では、家本議員、お願いします。
家本議員
家本でございます。私の方からは男性にとっての男女共同参画というテーマについて一言申し上げたいと思います。私も今日まさに朝、子どもを幼稚園に送ってから出社をしてまいりました。先ほど総理の話もありましたけれども、相変わらず男性の育児の参加とか地域社会の参加というものは、世代が変化しても我が国の状況は遅れている。男性にとっての男女共同参画は十分に進んでいないと思っております。
 働き手、稼ぎ手が男性であり、女性は家庭を守るという固定的性別役割分担意識が根強いという課題は、相変わらず私のような二十代の世代にも多いわけでありまして、これは若年層でも余り変わらないと思っております。親を見て子は育つと言いますので、どこかのタイミングでこの意識を大きく変化させないと、ただ啓蒙を進めても効果はなかなか表れないのではないかと思っております。
 例えば企業において今は比較的、20~30代の男性が育児休暇を取ることへの関心は少し強くなっているのではないかと思っておりますけれども、その上司の世代が子育てで男が休むことがあるかという姿勢を残念ながら残してしまっていると、なかなか変わらない。特定の世代だけ意識を変えて済む問題ではないことは、こういうところに表われていると思っております。
 この問題の解決には、企業の長時間労働を抑制することや、そもそも仕事を休むことが悪とかサボるということではなくて、家庭やその地域と関わる時間を持つことであるという認識に変えていくことが必要であると思っておりまして、ここは社会だけではなくて企業自体の認識変化にも迫るべきなのではないかと思っております。
 ただ、施策として踏み込むのであれば、大企業だけにこの意識変化を要求するのではなくて、中小企業とか我々のようなベンチャーの企業にも広く関わるような、そういう形で意識を広めないと実効性が伴わないと思っておりまして、啓蒙で終わるのではなくて、踏み込んだ動きになるように期待をしております。以上です。
福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
ありがとうございました。何か御意見はありますか。よろしいですか。
 では、どうも御議論をありがとうございました。今後は本日いただいた御意見も踏まえ、国民からの意見募集や全国各地での7回にわたる公聴会を行い、6月の答申のとりまとめに向けて、更に検討を進めてまいります。私も担当大臣として直接国民の皆様からの御意見を聞くなど、幅広い意見に耳を傾け、だれもが男女共同参画は自分に関わるものだと実感できるようにしたいと思っております。
 また是非、雇用問題、さまざまな困難を抱える人々への支援など、これまで踏み込みが十分ではなかった分野にもしっかりと踏み込み、男女共同参画を大きく前進させるような計画にしていきたいと思っております。議員の皆様たちには大変御苦労をおかけしましたし、とりわけ専門調査会や起草委員の皆様たちはここまでまとめていただきまして、本当にありがとうございます。
 本日の議題は以上です。なお、今回の会議以降、議事要旨及び議事録については御出席いただいた皆様の御確認をいただき次第、速やかに公表させていただきます。議長、お願いします。
平野内閣官房長官
改めて、ありがとうございました。今日新たな共同参画の基本計画について、専門調査会からの報告を頂戴いたしました。今日の御報告、御意見を踏まえながら、6月の答申に向けてしっかりと国民の皆さんの意見を聞きながら、力強いものにしていかなければならないと考えているところでございます。
 総理の冒頭の発言があったように、まとめたら終わりということではなく、いかに実行していくかということでございますので、政府としても実効性のあるものに仕上げてまいりたい。このことだけ、議長の立場で、最後のごあいさつを含めて決意を申し上げたいと思っております。本当にありがとうございました。

(以上)