男女共同参画会議(第21回)議事録

(開催要領)

  1. 開催日時:平成17年12月26日(月)15:10~15:30
  2. 場所:総理大臣官邸4階大会議室
  3. 出席議員:
     
    小泉 純一郎 内閣総理大臣
    議長
    安倍 晋三 内閣官房長官
    議員
    猪口 邦子 少子化・男女共同参画担当大臣
    竹中 平蔵 総務大臣(代理:山崎総務副大臣)
    杉浦 正健 法務大臣
    麻生 太郎 外務大臣(代理:塩崎外務副大臣)
    谷垣 禎一 財務大臣
    小坂 憲次 文部科学大臣
    川崎 二郎 厚生労働大臣(代理:中野厚生労働副大臣)
    中川 昭一 農林水産大臣(代理:三浦農林水産副大臣)
    二階 俊博 経済産業大臣(代理:松経済産業副大臣)
    沓掛 哲男 国家公安委員会委員長
    大橋 光博 西京銀行頭取
    鹿島 敬 実践女子大学教授
    住田 裕子 弁護士、獨協大学特任教授
    袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授
    橘木 俊詔 京都大学教授
    原  ひろ子 城西国際大学大学院客員教授、お茶の水女子大学名誉教授
    八代 尚宏 国際基督教大学客員教授
    山口 みつ子 財団法人市川房枝記念会常務理事
    出席者
    額賀 福志郎 防衛庁長官(代理:木村防衛庁副長官)

(議事次第)

  1. 開会
  2. 議題
    • (1)女性の再チャレンジ支援プランについて
    • (2)男女共同参画基本計画の変更について
    • (3)男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況の監視及び影響調査に関する今後の活動方針について
    • (4)国の審議会等における女性委員の参画状況について
  3. 閉会
    資料1-1
    女性の再チャレンジ支援プラン(概要)[PDF形式:54KB]別ウインドウで開きます
    資料1-2
    女性の再チャレンジ支援プラン [PDF形式:56KB]別ウインドウで開きます
    資料2
    男女共同参画基本計画の変更について(諮問) [PDF形式:12KB]別ウインドウで開きます
    (別添)
    男女共同参画基本計画(案)[PDF形式:713KB]別ウインドウで開きます
    資料3-1
    男女共同参画基本計画(第2次)案のポイント [PDF形式:48KB] 別ウインドウで開きます
    資料3-2
    男女共同参画基本計画(案)(概要)[PDF形式:160KB]別ウインドウで開きます
    資料4
    男女共同参画基本計画の変更について(答申)[PDF形式:13KB] 別ウインドウで開きます
    資料5
    男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況の監視及び影響調査に関する今後の活動方針について(案)[PDF形式:12KB]別ウインドウで開きます
    資料6
    国の審議会等における女性委員の参画状況について [PDF形式:27KB]別ウインドウで開きます
    資料7
    第20回男女共同参画会議議事録(案) [PDF形式:68KB]別ウインドウで開きます

議事内容

内閣官房長官
ただいまから、第21回男女共同参画会議を開催いたします。本日は、お忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。初めに、議員の指定の変更について御報告をいたします。先般、総理により、男女共同参画を担当する内閣府特命担当大臣が、防衛庁長官に代わり、議員に指定されました。なお、防衛庁につきましても、男女共同参画の推進に密接にかかわっていることから、引き続き、長官の御出席をお願いしたいと思います。また、長官が御出席いただけない場合は、副長官の御出席をお願いいたします。それでは、以下の議事進行は、猪口内閣府特命担当大臣にお願いをいたします。
男女共同参画担当大臣
議長より御指示がありましたので、議事進行を進めさせていただきます。まず、本日の「女性の再チャレンジ支援策検討会議」におきまして、子育て等で一旦就業を中断した女性の再就職・起業等を支援するため、「女性の再チャレンジ支援プラン」が策定されましたので御報告いたします。本プランは、資料1-1のとおり、再就職・起業支援をはじめ、様々な施策を盛り込んでいます。女性が社会にカムバックしてくださいということであります。それでは、「女性の再チャレンジ支援策検討会議」の主宰者であります安倍官房長官より、一言お願いいたします。
内閣官房長官
今後、関係府省におかれましては、緊密な連携・協力の下、「女性の再チャレンジ支援プラン」を着実に実施するとともに、更なる課題の検討を進めるよう、よろしくお願いいたします。
男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。続きまして、男女共同参画基本計画の変更についての審議に移ります。まず、総理からの諮問について、議長から御発言をお願いいたします。
内閣官房長官
本日、小泉総理より、資料2の別添として配布しております「男女共同参画基本計画(案)」について、本会議の意見を求められております。御審議のほど、よろしくお願いをいたします。
男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。それでは、「男女共同参画基本計画(案)」について、御説明いたします。まず、男女共同参画基本計画につきましては、7月の男女共同参画会議答申を踏まえ、内閣府と各省庁が連携して改定案の検討を進めてまいりました。検討に当たっては、答申で示された基本的方向に従い、各府省において講じる具体的施策をより充実させるよう努力いたしました。また、与党の意見も踏まえ、わかりやすく、誤解を招かない表現となるよう工夫いたしました。お示ししている案は、3部構成となっており、このうち第2部において、12の重点分野を示しています。資料3-1をご覧いただきたいと思います。特に重点的に取り組む事項及び新たに盛り込む事項として10点を示しております。1は、2020年までに、社会のあらゆる分野において指導的地位に占める女性の割合が少なくとも30%程度になるよう期待し、各分野の取組を推進することであります。2以下は、「女性のチャレンジ支援」、「男女雇用機会均等の推進」等、ご覧のとおりの内容でございます。その他、今回特に論点となった事項を中心に御説明いたします。資料3-2の3ページでございます。第2分野におきまして、「社会的性別」(ジェンダー)について、今回初めて明確な定義を注として加え、誤解の解消を図り、正確なジェンダーの定義の理解を促進することといたしました。注においては、社会によって作り上げられた男性、女性の別を「社会的性別」(ジェンダー)ということ、それ自体に良い、悪いの価値を含むものではなく、国際的にも使われていること、また、「社会的性別の視点」でとらえられる対象には、性差別、性別による固定的役割分担及び偏見等、男女共同参画社会の形成を阻害すると考えられるものがある一方で、対象の中には、男女共同参画社会の形成を阻害しないと考えられるものもあり、このようなものまで見直しを行おうとするものではないということも記述しています。さらに、「ジェンダー・フリー」という用語を使用して、性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の伝統文化を否定することは、国民が求める男女共同参画社会とは異なることを記述しています。「ジェンダー」は、男女共同参画を進めるために必要な概念でありますから、今後も正しい普及啓発を私が先頭に立って進めていく決意でございます。また、12ページ、(1)のオをご覧いただきたいと思います。「男女共同参画社会の形成に資する調査・研究等の充実」の記述も論点となりましたが、「男女共同参画社会の形成に資する調査・研究」は、女性学を含む幅広い分野の調査研究を対象としており、案のような記述といたしております。その他、計画案全般におきまして、7月の答申を踏まえ、各府省横断的に必要かつ具体的な施策を最大限盛り込んだところでございます。以上が第2次男女共同参画基本計画案でございます。御審議のほどよろしくお願いいたしたいと思います。それでは、各議員の先生から御発言をお願いいたしたいと思います。では、袖井議員より、よろしくお願いいたします。
袖井議員
お示しいただいた案は、概ね男女共同参画会議の7月の答申に沿ったものであって、妥当ではないかと思います。特に数値目標を明確にしている点は評価してよいかと思います。特に私が2点ほど評価したいと思いますのは、1つは、新たに取り組むべき分野として、科学技術における女性を取り上げたということでございます。日本の研究者に占める女性の比率は約1割で、欧米の3分の1か、4分の1ということで、大変に遅れているということで、今後、科学技術における女性人材の育成・養成、能力活用をぜひ推進していただきたいと思います。それから、今、猪口大臣からお話がありましたように、「ジェンダー」という概念を明確にしたということも評価してよいかと思います。ジェンダーにつきましては、いろいろ誤解や混乱もございましたが、「社会的性別」という形で整理することによって、今後の誤解を解くということ、そして、生物学的な性差までは否定するものではないということを明確にしたという点で評価してよいのではないかというふうに考えます。
男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。それでは、橘木議員よろしくお願いいたします。
橘木議員
本日のお示しいただいた案の中には、7月の答申から変更された部分があったり、「具体的施策に努める」、あるいは「検討する」といった表現も多く見られるなど、不十分なところもあるように思いますが、政府案をここまでおまとめいただいたことには敬意を表したいと思います。男女共同参画社会を実現するには、施策を一つ一つ着実に実施していくことが重要であろうと思います。新たな基本計画を策定した上は、各閣僚が責任をもって早急に検討段階から実行に移していただきたいと思います。男女共同参画社会の実現を目指した改革を進めていただきたいと思います。以上でございます。
男女共同参画担当大臣
どうもありがとうございました。それでは、鹿嶋議員よろしくお願いいたします。
鹿嶋議員
新しい計画を実効性あるものにして、総合的に推進をしていくためには、男女共同参画会議において、計画に掲げられた施策の実施状況をしっかりと監視していく必要があります。各閣僚の皆さんには、男女共同参画会議及び監視・影響調査専門調査会による監視のための活動にぜひ御協力をいただきたいと思っております。また、それぞれの府省においても、自主的に実施状況を把握して、一層の取組を進めていただきたいと思っております。
男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。それでは、資料4として配布いたしました答申案をご覧ください。「男女共同参画基本計画(案)」について、「本年7月25日に答申した『男女共同参画基本計画の改定に当たっての基本的な考え方』の趣旨に概ね沿うものであり、妥当である」と答申することに御異議ございませんか。

(「異議なし」と声あり)

男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。御異議がないようですので、本議題につきましては、原案どおり決定されました。それでは、議長から総理に答申を行っていただきます。

(プレス入室)

男女共同参画担当大臣
それでは、議長から答申をお願いいたします。
内閣官房長官
男女共同参画会議は、本日、総理から諮問されました男女共同参画基本計画の変更について、原案が、本年7月25日に答申した「基本計画の改定に当たっての基本的な考え方」の趣旨に概ね沿うものであり、妥当である旨、答申いたします。
男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。それでは、小泉内閣総理大臣からごあいさつをお願いいたします。
内閣総理大臣
答申を受けましたので、早急にこの基本計画は閣議決定をしていきたいと思っています。皆さんの御協力で精力的に議論していただいたおかげだと思っています。男女共同参画、今回の選挙でも、自民党も未だかつてなく女性の議員も増えました。今日、記者の姿を見ても、かなり女性の姿が見られますよね、最近は。これから少子高齢化といいますけれども、男女共同参画社会をどうやって実現していくか。これはみんなの関心事でありますし、男も女も、夢も希望も持っていると思います。その個性とか、持てる能力をいかに十分に、男も女もそれぞれが発揮できる社会、これが必要だと思いますので、今後この基本計画に沿って実現していきたいと思いますので、よろしく御協力をお願いします。ありがとうございました。
男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。続いて、安倍官房長官からも一言お願いできますでしょうか。
内閣官房長官
今後、政府は、男女共同参画会議を中心に、新たに策定される基本計画に基づき、男女共同参画社会の形成をさらに進めてまいります。議長として、改めて議員各位の御協力をお願いいたします。

(プレス退室)

男女共同参画担当大臣
どうもありがとうございました。なお、「男女共同参画基本計画に関する専門調査会」という調査会がございます。これは、設置に係る調査を終えましたので、男女共同参画会議令に基づき、廃止されます。続いて、本会議の監視及び影響調査に関する今後の活動方針について、監視・影響調査専門調査会会長の鹿嶋議員に説明をお願いいたします。
鹿嶋議員
監視・影響調査専門調査会の会長をしております鹿嶋でございます。資料5について説明をさせていただきます。基本法第22条に、参画会議の所掌事務が書いてあるわけですけれども、参画会議は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況を監視し、政府の施策が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響を調査することとされております。監視・影響調査専門調査会としては、今後、監視・影響調査の対象とする施策について、2つの提案をさせていただきたいと思っております。第一は、能力開発、生涯学習に関する施策を監視・影響調査の対象とすることであります。第二は、地方公共団体の審議会等の委員についての国の法令に基づく職務指定を監視の対象とすることであります。資料5を見ていただきたいのでございますが、まず第一の1です。能力開発、生涯学習に関する施策の基本計画の該当部分は、1に書いてありますように、いわゆる「雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」、「農山漁村における男女共同参画の確立」のうちの能力開発にかかわる部分、さらには、「男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実」等々がございます。これらの施策は、男女共同参画社会の形成を促進する上で基礎となる大変重要な施策でありまして、また、現在実施されております女性のチャレンジ支援策の推進にも資するものだというふうに考えております。第二の地方公共団体の審議会委員の職務指定の基本計画該当部分は、資料5-2のとおりでございます。参画会議において、国の法令に基づく職務指定委員制度が地方公共団体の審議会への女性の参画を妨げているという指摘を受けたこと、多くの地方公共団体から国の法令に基づく職務指定の見直しの要望が提出されていることなどを踏まえることといたしました。私からの報告と提案は以上でございます。
男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。本案につきまして御異議ございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

男女共同参画担当大臣
ありがとうございます。御異議がないようですので、本議題につきまして原案どおり決定されました。では、議長から一言お願いいたします。
内閣官房長官
今後、監視・影響調査専門調査会には、ただいまの決定に基づき、監視及び影響調査を行っていただきますので、各府省におかれては、御協力をよろしくお願いをいたします。
男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。最後に国の審議会等における女性委員の参画状況につきまして、資料6のとおり御報告いたします。女性委員の割合が政府全体で30.9%となり、目標を達成いたしました。議長から一言お願いいたします。
内閣官房長官
本日お示ししました基本計画の改定案においても、政策・方針決定過程への女性の参画の拡大は重点事項の一つと位置づけられています。特に国の審議会等における女性委員の割合については、引き続き他の分野に先駆けて取組を進めていく必要がありますので、議員の皆様におかれましては、次期基本計画に基づく新たな目標設定の検討に当たって御協力をいただきますよう、よろしくお願いをいたします。
男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。では、以上でございます。既に皆様に御確認いただいております前回の会議議事録と、本日の会議資料は、従前どおり公開し、本日の議事要旨も後日公表いたします。なお、本日の会議につきまして、この後、私からブリーフィングを行うこととしております。議長、以上でございます。
内閣官房長官
それでは、これをもちまして第21回男女共同参画会議を終了いたします。どうも本日はありがとうございました。

(以上)