第1章 使命の声明

1.

この「行動綱領」は,女性のエンパワーメント(力をつけること)に関するアジェンダ(予定表)である。これは,「婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略」(注1)の実施と経済的,社会的,文化的及び政治的意思決定の完全かつ平等な分担を通じて,公的及び私的生活のすべての分野への女性の積極的な参加に対するあらゆる障害の除去を促進することを目的とする。これはまた,家庭,職場及び広くは国家社会及び国際社会における女性と男性の権力及び責任の分担の原則を打ち立てることである。女性と男性の平等は,人権の問題であり,社会正義への条件であり,また,平等,開発及び平和への必要かつ基本的な前提条件である。女性と男性の平等に基づく変容したパートナーシップが,人間中心の持続可能な発展の条件である。21世紀の挑戦に対処するべく,女性と男性が自らのため,その子どもたちのため及び社会のために共に働くことができるようにするためには,継続的かつ長期的なコミットメント(関与)が必須である。

2.

行動綱領は,「世界人権会議」で採択された「ウィーン宣言及び行動計画」(注2)に述べられている,女性及び女児の人権は普遍的人権の不可侵,不可欠かつ不可分な部分である,という基本原則を再確認する。行動へのアジェンダとして,行動綱領は,あらゆる女性の,そのすべてのライフサイクル(生涯)を通じての,あらゆる人権と基本的自由の完全な享受を促進し,保護することを追求する。

3.

行動綱領は,世界中の男女(ジェンダー)の平等という共通の目標に向けて男性と共に連携して働くことによってのみ取り組むことができる共通の関心事を女性は分かち持っていることを強調する。行動綱領は女性の状況及び条件の多様性を全面的に尊重し評価するとともに,そのエンパワーメントを阻む特別の障害に直面している女性たちもいることを認識する。

4.

行動綱領は,あらゆる年齢及びあらゆる職業の,あらゆる人々の平等の原則を含む,人権と基本的自由に基づく,平和で公正で人間的な世界の創造のために,すべての人々による早急の,かつ一致した行動を必要としており,また,この目的に向けて,社会開発及び社会正義の維持のために,持続可能な開発の枠組みの中での,基盤の広いかつ持続的な経済成長が必要であることを認識する。

5.

行動綱領の成功には,政府,国際機関及びあらゆるレベルの機関の強力なコミットメントが必要となろう。また,国内及び国際レベルにおける資源並びに女性の地位向上のための多国間,二国間及び民間の財源を含む利用可能なあらゆる資金提供機構からの開発途上国に対する新規かつ追加的資源の十分な動員,国内,小地域,地域及び国際機関の能力を強化するための財政的資源,さらに,平等な権利,平等な責任及び平等な機会への,また,あらゆる国内,地域及び国際機関並びに政策決定過程への女性及び男性の平等な参加へのコミットメント及び世界の女性に対する責任のための,あらゆるレベルにおける仕組みの創設若しくは強化を必要とするであろう。

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