NEWSLETTER(第2号)

3 第54回国連総会第三委員会

国連総会は、通常毎年9月~12月半ばまで開かれますが、総会において討議を求められる議題は非常に多数に上るため、大半の議題を7つの主要委員会(第1~6委員会及び特別政治委員会)に付託します。このうち、第3委員会では、社会、人道、文化問題を扱い、この中に女性問題も含まれます。第54回国連総会では、平成11年10月から第3委員会が開催され、女性問題に関する議題についての一般討議は、10月11日~14日にかけて行われました。ここでは、第3委員において採択された女性問題に関する議題(全てコンセンサス採択)をご報告します。総会の決定は加盟国政府に対して法的拘束力を持つものではありませんが、重要な国際問題に関する世界世論の動向を反映するとともに、世界共同体の倫理的権威の重みも備えており、総会は国際世論形成の場となっています。なお、日本からは政府代表代理として、西立野園子東京外国語大学教授が同委員会に出席されており、日本政府を代表してステートメントの発表等を行っていただいています。


○議題109「女性の地位向上」

  1. 農村地域における女性の状況の改善
    国連機関や市民社会と協力し、各種世界会議のフォローアップの一環として、農村地域における女性の状況向上のためのプログラムを推進することを奨励する等。
  2. UNIFEM(国連婦人開発基金)
    北京行動綱領の実現及びその他女性のエンパワーメントやジェンダーの主流化のために果たすUNIFEMの役割の重要性を強調し、また女性に対する暴力撤廃のための信託基金の規模及び影響力を拡大するためにUNIFEMが果たした役割を認識する等。
  3. INSTRAW(婦人の向上のための国際訓練研修所)
    INSTRAWの再活性化を目指し、新しく立ち上げる予定のGAINS(Gender Awareness Information Networking System)の実現に向け、フィージビリティー・スタディー(実行可能性調査)の実行を要請する等。
  4. 女性移住労働者に対する暴力
    女性移住労働者の送り出し国及び受け入れ国の双方に対し、女性移住労働者の権利の保護及び促進のための努力を強化することを要請する等。
  5. 女性と女児の健康に影響を与える伝統的・習慣的慣行
    北京宣言及び行動綱領、ウィーン宣言及び行動計画他に示されている女性と女児の健康に影響を与える伝統的・習慣的慣行分野に関連する国際約束を実施することを要請する等。
  6. 女子差別撤廃条約
    2000年までに同条約の普遍的批准が達成されるよう未批准の国に可能な限り速やかに批准することを要請し、同条約選択議定書の採択を評価しつつ留意する等。
  7. 事務局における女性の地位向上
    2000年までに国連組織における全ての分野の職員、特に管理職相当以上の職員のジェンダー平等を達成するとの目標が実現されないことを遺憾に思い、事務総長に対し2000年末までに本目標に向け大幅な進展を達成することを要請する等。
  8. 女性に対する暴力撤廃の国際日
    毎年11月25日を女性に対する暴力撤廃の国際日とする。
  9. 女子差別撤廃条約選択議定書
    女子差別撤廃条約選択議定書を採択し、署名・批准に開放するとともに締結の早期批准を求める等。(本議題については第3委員会に付託せず、総会の本会議において採択された)

○議題110「第4回世界女性会議フォローアップ」

  1. 第4回世界女性会議フォローアップ
    北京行動綱領の実施状況に関する質問状に対する回答を歓迎し、未提出の政府に対しては提出を要請する。経済移行期の国にとっては、行動綱領の実現には更なる国内努力と国際的支援が必要であることを再確認する等。
  2. 特別総会「女性2000年会議」の準備
    (1) 来年6月の特別総会「女性2000年会議」(以下特別総会)が、本会合と全体アド・ホック(特別)会合からなることを決定
    (2) 特別総会の仮議題が北京行動綱領の12の重大問題領域の実施についてのレビューと評価、及び実施に向けて生じた障害を克服するための更なる行動とイニシアティヴが含まれるべきであると決定
    (3) 特別総会への参加者が政治的にハイレベルであることを確保するよう要請
    (4) 経済社会理事会の協議資格を有するNGO及び第4回世界女性会議に参加したNGOが特別総会に参加可能であることを、今後の特別総会の前例としないことを確認した上で、決定
    (5) NGOの参加形態については、次回準備委員会で検討することを決定
    (6) 特別総会の準備委員会である婦人の地位委員会に対し、オープン・エンド(国連全加盟国に開放された)非公式協議を開催することを、必要に応じ、検討するよう奨励する等。
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