女子差別撤廃条約実施状況第4回報告(仮訳)

3. 就業

1997年の女性の労働力人口(就業者+完全失業者)は2,760万人で、増加傾向にあり、労働力人口総数に占める女性の割合は、40.7%であった。1997年の女性労働力人口のうち就業者は2,665万人、完全失業者は95万人、完全失業率は3.4%(男性も3.4%)であった。

また、女性の労働力率は50.4%と3年ぶりに上昇し、男性の労働力率は77.7% で前年と同率であった。女性の労働力率を年齢階級別にみると、20~24歳層(73.4%)と45~49歳層(72.2%) を左右のピークとして、30~34歳層(56.2%)をボトムとするM字型の曲線を描いている。

これを10年前(1987年)と比べると、進学率の上昇の影響で20~24歳層で低下しているほかは、いずれの年齢層においても労働力率は高まり、M字型曲線は全体的に上方にシフトしている。特に、25~29歳層では大幅に上昇しているほか、50~54歳層及び55~59歳層の中高年層での上昇が大きくなっている。

配偶関係別に女性の労働力率を見ると、未婚では61.2%、有配偶では51.3%、死別・離別では31.7%となっている。

従業上の地位別に女性就業者数の割合をみると、雇用者が2,127万人(女性の就業者総数に占める割合79.8%)、家族従業者が308万人(同11.6%)、自営業主が223万人(同8.4%)であった。自営業主及び家族従業者は減少傾向が続く一方で、雇用者は増加を続けており、就業者に占める雇用者の割合は年々高まってきている。

雇用者数全体に占める女性雇用者の割合も年々増加しており、1997年には39.5%となっている。

1997年の女性雇用者数を業種別にみると、サービス業が737万人(女性の雇用者総数に占める割合34.6%)で最も多く、次いで卸売・小売業、飲食店が586万人(同27.6%)、製造業が451万人(同21.2%)となっており、これら3業種で女性雇用者の83.4%を占めている。元々女性比率の高いサービス業での増加傾向が顕著であり、卸売・小売業、飲食店でも増加している。これに対し、製造業では5年連続で減少しており、金融・保険業でも2年連続で減少した。

1997年の女性雇用者数を職業別に見ると、事務従業者725万人(女性の雇用者総数に占める割合34.1%)、技能工、製造・建設作業者371万人(同17.4%)で過半数を占めている。また、専門的・技術的職業従事者326万人(同15.3%)も増加してきている。

職業別の女性比率を見ると、事務従業者が59.7%、保安職業・サービス職業従事者が53.9%と半数を超え、次いで専門的・技術的職業従事者が45.2%、労務作業者が43.1%となっており、女性比率を10年前(1987年)と比較すると事務従業者の上昇幅が最も大きい。また、管理職従事者の女性比率は、1992年の7.9%から1997年の9.5%へと、水準は低いものの上昇している。

また、1997年の女性の平均勤続年数は8.4年で、男性の13.3年に比較すると短いものの、1992年の7.4年に比べて1.0年伸びている。女性雇用者の中高年齢化も進んでおり、35歳以上の者の割合は1997年で60.1%となった。女性雇用者に占める既婚者の割合も増加しており、1997年には67.0%に達した。

賃金については1997年6月のパートタイム労働者を除く雇用者の賃金で見た場合には、女性の所定内給与額は男性を100とすると63.1となっている。このような男女間の賃金の差は、勤続年数、学歴、就業分野、職階、労働時間等の諸要因によってもたらされている。そこで、勤続年数、年齢、学歴について条件を同一にした標準労働者(学校卒業後直ちに企業に就職して同一企業に継続勤務している労働者)所定内給与額を見ると、1997年において、大卒の場合、20~24歳では男性を100とした場合、女性は95.1であり、もっとも差の大きい45~49歳においては男性を100とした場合、女性は81.8である。

労働時間について見ると、1997年の女性常用労働者1人平均月間総実労働時間は事業所規模30人以上で142.9時間となっており、うち所定内労働時間は137.0時間、所定外労働時間は5.9時間であった。一方、男性の総実労働時間(事業所規模30人以上)は166.8時間で、うち所定内労働時間は150.7時間、所定外労働時間は16.1時間であった。

女性の労働組合員数については、1997年には346万人で1992年(352万人)よりやや減少している。一方、組合員総数中に占める女性の割合は28.4%であり、1992年(28.2%)よりわずかながら上昇している。

パートタイム労働者は近年著しく増加し、1997年には週間就業時間が35時間未満の雇用者数(非農林業従業者)は1,114万人となっている。このうち女性の占める割合は67.0%であり、女性雇用者総数に占めるパートタイム労働者の割合は35.9%である。また、パートタイム労働者の就業実態を見ると、職種、職務内容や就業意識の面において多様化が進んでいる。

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