APECにおける女性の統合のためのフレームワーク(仮訳)

背景

1998年、APEC女性問題担当大臣会合において、21世紀を間近に控え、女性及びAPECのエコノミーが直面している課題の範囲及び複雑さが認識され、長期的な見通し、コミットメントの継続、よりよい調整、資源への公平なアクセス及び結果に対する説明責任の必要性について特に言及がなされた。さらに、女性の進出に関する進歩及びAPEC地域の急速な発展に鑑み、「すべてのAPECの意志決定レベルが、それぞれのAPECのフォーラムの女性の関心及び将来の見通しを考慮することを確保すること」が切望されている。

戦略

APECレベルにおいて

  • APECにおける女性の参画に関する障壁及び機会について分析し、取組を行うことを目的としたAPECのプロジェクト及び活動に対する支援

    支援のあり方は委員会間、WG間及びその他のAPECの組織間で異なるものであろう。性別に分類されたデータを収集し、分析することに努力が払われることもある。そのような努力の例としては、APECのすべての会合及び活動について、体系的に参加者リスト及び性別の一覧を準備すること、APECにおけるジェンダーイニシアティブの事務局による定期的な現状調査、及び人材養成WGの労働市場情報データベース(LMI)のようなプロジェクトの継続などがある。

  • APECにおける女性の関与を促進するために活動している様々な(APEC内外の)グループとネットワークを形成し、緊密に調整を行う

    ジェンダーの問題及び女性の関心事項に取り組む努力には、エコノミーレベルのもの、地域的なもの、国際的なものなど様々なものがある。APECが特に関心を有しているのは、APECにおける女性の関与の改善について専門的な助言とサービスを提供することのできる組織、協議会、団体などである。その代表的なものは、女性指導者ネットワーク(WLN)である。加えて、ビジネスに関する女性協議会(business women's councils)(及びその同盟関係にある団体)、女性学会(national women's studies associations)、女性の労働団体もしくは貿易団体、NGO、保護、訓練、調査及びその他の女性の地位向上と男女の平等と公平を目的とした活動を行う研究センターなどもある。

    APECでは、様々なWG、委員会及びその他の組織がジェンダー関連のイニシアティブ(例えば、“APEC Secretariat's Gender-Related Development in APEC, 1995-1999"を参照) に取り組むか、また、それを支援している。これらの努力を調整し、また、APECの組織中に広める必要がある。

  • APECのフォーラム、プロジェクト及び活動へのさらなる女性の組み込み

    APECにおける女性の関与をより大きくさせる直接的なアプローチは、APECの組織やフォーラム、活動(会合を含む)及びプロジェクトにおける女性の存在感及び参加を高めるものである。これはまた、APECビジネス諮問委員会(ABAC)のようなAPEC関連のフォーラムにおける女性の関与を増大させることも意味している。

    APECがメンバー・エコノミーに対し、意志決定を行うポストに女性を指名すること、及び会合やその他のフォーラムへの代表団に女性を加えることを促すことも可能である。さらに言えば、APECがエコノミーに対し、伝統的に排他的な男性の領域であったAPECへの代表団にさらに女性を任命するよう強く促すことも考えられる。

エコノミーレベルにおいて

  • APECのコンタクトポイントもしくはフォーカルポイント及び代表への女性の任命

    APECのフォーラム、プロジェクト及び活動における女性の関与は、女性がそれぞれのエコノミーによりAPECのポストやAPEC会合の代表に任命されるかどうかということに大きく制約を受ける。APECの意志決定における女性の関与を高めるためには、APECがエコノミーに対し、女性がもっとAPECにおいてリーダーシップが発揮できる地位を引き受けることができるよう、強く促すことも考えられる。

  • エコノミー内での女性の適任者名簿の作成

    意志決定を行う役割を含め、APECのフォーラムに参加させるのに適格である女性の候補者についてのリストを簡単に利用できるようにするため、エコノミーが女性の適任者名簿について検討し、作成することも考えられる。特に、APECビジネス諮問委員会(ABAC)の委員として指名する者、専門家、参加者及び発表者としてWGで仕事をする者の候補者をこのリストから拾うことも考えられる。リストには、女性のビジネス及び労働組合のリーダーのみならず、ジェンダー専門家、女性学学者を含めることがありうる。

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