平成17年度男女共同参画グローバル政策対話


テーマ: 男女共同参画推進のための更なる行動とイニシアティブ
  −グローバル政策対話から導き出される今後の戦略−



東京会議

1 日 時  平成17年11月17日(木)13:00〜17:00
2 場 所  女性と仕事の未来館4階ホール(港区芝)
3 参加者数 約220名
4 概 要
  冒頭、主催者代表として、猪口内閣府特命担当大臣(少子化・男女共同参画)から、男女共同参画社会の実現は我が国の最重要課題であり、その実現のため国民一人一人の協力・支援が必要である旨の挨拶が行われた。


【基調講演】
  始めに、カンボジア王国パビ女性省大臣より、カンボジアのジェンダー平等・女性の地位向上に向けた取組と成果・課題についての基調講演がなされた。パビ大臣は、ジェンダー平等政策推進のために、政府ハイレベルのサポートとこれを可能にする環境、信頼できる性別データ・分析、ジェンダーに特化した政策・戦略、ジェンダー予算、施策の監視・モニタリングが必須要件であるとし、カンボジア政府においてこれら要件を実現するための取組(首相のサポート、国家開発戦略等におけるジェンダー平等の位置付け、ドナー支援による性別データ・分析の整備、「ニアリ・ラッタナー」:女性省の5ヵ年計画、国連女子差別撤廃条約に基づく国連への報告と審査等)について報告を行った。また、2000年に国連で採択され、2005年にその進捗状況の評価が行われた「ミレニアム開発目標」をカンボジアがどの程度達成したかについて、各種指標に基づき検証を行った。さらに、経済成長や家庭の経済的安定において女性が果たす役割の重要性に鑑み、今後(2006−2010年)推進する女性の経済的エンパワーメントのための施策(ドナー支援による調査、各種訓練実施、女性の職業訓練・起業支援のための女性センター設置等)について説明した。最後に、女性の経済的地位の向上と経済への貢献が確保されることが、カンボジアの貧困緩和と「ミレニアム開発目標」の達成には不可欠であり、妊娠と出産という女性が既に担う負担を増大させないよう適切な支援を提供しつつ、これを確保する必要がある旨指摘した。

 続いて、マヤンジャ国連事務総長ジェンダー問題特別顧問より、1995年の第4回世界女性会議(北京会議)以降の国連を中心とした取組の進展と課題に係る基調講演が行われた。マヤンジャ特別顧問は、第49回国連婦人の地位委員会(通称「北京+10」、2005年2-3月)において行われた北京行動綱領(北京会議成果文書)・女性2000年会議成果文書の各国政府における実施状況の見直しについて、内閣府男女共同参画会議・男女共同参画局の設置等国内本部機構の強化、DV法の制定・強化、国の審議会における女性委員割合の目標設定と順調な推移等、日本における取組の進展を例示しつつ概観した。さらに同顧問は、2005年9月の世界サミットで採択された成果文書におけるジェンダー平等・女性の地位向上に関連するパラグラフに言及しつつ、同成果文書で謳われている事項は何ら新しいものではなく、これまで国際的に同意された事項の再確認(reaffirm)である、世界の女性たちは実質的(de facto)なジェンダー平等実現を求めており、真剣な取組が必要である旨強調した。そして、各国政府には、@説明責任(accountability)、Aパートナーシップ強化、B十分な財政的・人的・技術的資源、C「北京+10」で採択された「宣言」に言及されたように、「北京行動綱領を加速・集中して実施するために」新たな政治的プロセスを踏むことが求められている、とした。同顧問は最後に、今後の10年をジェンダー平等に向けた行動の10年とするべきである、と結論付け、講演を締めくくった。


【パネリストからの報告】
 内外のパネリスト(アベル・デンマーク王国ジェンダー平等局長トーンウタイ・アジア太平洋女性監視機構共同代表横田中央大学法科大学院教授)による報告が行われた。アベル氏からは、デンマークと日本の女性の状況を各種データで比較しつつ、経営・管理部門への女性の積極的な登用は企業利益にとってもプラスとなるなど、企業戦略におけるジェンダー主流化の意義や、その効果的なアプローチ等についての報告がなされた。トーンウタイ氏からは、北京会議以降のジェンダー平等・女性の地位向上に向けた取組の成果と課題、2000年の「ミレニアム開発目標」に係るNGOの立場での考察について報告がなされた。横田氏は、日本の女性を取り巻く現状について国際比較を交えながら概観し、更なる改善のための提言を行った。

【パネディスカッション】
 パネル・ディスカッションでは、目黒上智大学教授のコーディネートにより、パネリストの報告内容と関連付けた質疑・議論が行われた。具体的には、国の政策レベル(中央省庁等)におけるジェンダー主流化の具体策と進捗状況について(日本とデンマークの事例)、経済政策とジェンダー平等に関連し、ジェンダー平等推進はコストではなく収益の増加につながることを具体的事例により説明し理解を働きかけることの重要性について、等の質疑・議論がなされた。引き続き、会場からの質問・コメントを受付けた後、パネリスト及び基調講演者からコメントを行った。
  最後に目黒コーディネータより、ジェンダー平等推進の必要性を経済政策との関連で強調する等、現実的なアプローチを取ること、いわゆる「Win-Win」(どちらにとっても有利な)のメッセージを打ち出すこと、政府とNGOの有効な連携の重要性等を指摘し、議論の締めくくりとした。

福井会議

1 日 時  平成17年11月19日(木)13:30〜17:00
2 場 所  福井県生涯学習館(ユーアイ・ふくい)多目的ホール(福井市)
3 参加者数  約220名
4 概 要
  冒頭、主催者を代表して、原田内閣府大臣官房審議官と飯島福井県副知事により開会の挨拶が行われた。
 
【基調講演】
 カンボジア王国パビ女性省大臣及びマヤンジャ国連事務総長ジェンダー問題特別顧問より基調講演が行われた(内容は東京会議と同様)。

【パネリストからの報告】
 内外のパネリスト(アベル・デンマーク王国ジェンダー平等局長トーンウタイ・アジア太平洋女性監視機構共同代表ジャーナリストの藤原房子氏政野福井県生活学習館館長)による報告が行われた(海外パネリスト2名と両氏の発表内容は東京会議と同様)。
 藤原氏からは、日本において諸制度・法律、国内本部機構等の整備は進んだが、女性の地位はGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)43位と他の先進諸国に比較しまだまだ低い、経済的な豊かさの影で、意思決定の場に進出する女性の比率の低さ等の女性問題が隠れて見えにくくなっている旨の指摘があった。藤原氏は、このような時期にこそ、政府、NGO、民間が戦略をもって男女共同参画を推進する必要があるが、これらの取組に対するマスメディアの報道姿勢については改善すべき点がある旨、自身の反省も込めて発言した。
 政野館長からは、福井県の女性を取り巻く現状(共働き率は日本1ないし2位、しかし固定的な性別役割分担意識は依然根強く残る、等)と県における女性の政策決定に関わる社会参画(県議会における女性議員はゼロ、地方議会全体の女性議員割合は4.5%と全国レベルで見て低い、等)等について報告がなされた。政野館長は、このような状況で男女共同参画を推進するには女性のエンパワーメントが最も重要である、との意見を述べつつ、県における具体的取組の成果(福井県生活学習館が育成した男女共同参画推進のための地域リーダーによる「出不足料」の改善事例)を報告した。

【パネディスカッション】
 パネル・ディスカッションでは、有馬横浜市女性協会顧問のコーディネートにより、パネリストの報告内容と関連付けた質疑・議論が行われた。具体的には、女性の社会への参画を推進するための具体的な取組について(日本とデンマークの事例)、メディアが果たすべき役割について、等の質疑・議論が行われた。
  引き続き、会場からの質問・コメントを受付けた後、パネリスト及び基調講演者からコメントを行った。
  最後に有馬コーディネータより、海外の取組を参考としつつ、「Think globally, act locally」(地球規模で考え地域レベルで実践すること)の重要性を指摘し、議論の締めくくりとした。

 注)報告要旨は全て、内閣府男女共同参画局が取り纏めたものである。>

東京会議 パネルディスカッション
 福井会議 パネルディスカッション

東京会議 主催者挨拶
  猪口内閣府特命担当大臣(少子化・男女共同参画)

東京会議、福井会議 基調講演
カンボジア王国パビ女性省大臣
 
東京会議、福井会議 基調講演
マヤンジャ国連事務総長ジェンダー問題特別顧問