第2節 ストーカー行為,性犯罪,子供に対する性的暴力,売買春,人身取引の実態

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第2節 ストーカー行為,性犯罪,子供に対する性的暴力,売買春,人身取引の実態

(ストーカー事案の相談等の状況)

平成30(2018)年のストーカー事案の相談等件数は2万1,556件で,前年に比べ1,523件(6.6%)減少した。ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号。以下「ストーカー規制法」という。)の施行(平成12(2000)年11月)後からおおむね1万5,000件以下で推移していたが, 平成24(2012)年に19,920件と急増し,以後高水準で推移している(I-6-7図)。また,警察庁「平成30年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について」によると,被害者の87.9%が女性で,加害者の82.1%が男性となっている。

I-6-7図 ストーカー事案の相談等件数の推移別ウインドウで開きます
I-6-7図 ストーカー事案の相談等件数の推移

I-6-7図[CSV形式:1KB]CSVファイル

内閣府「男女間における暴力に関する調査」(平成29年)において,これまでにある特定の相手から執拗なつきまといや待ち伏せ,面会・交際の要求,無言電話や連続した電話・メール等の被害経験を聞いたところ,1人以上の者から被害を受けたことがある者の割合が,女性10.9%,男性4.5%となっている(I-6-8図)。

I-6-8図 特定の相手からの執拗なつきまとい等の被害経験(男女別)別ウインドウで開きます
I-6-8図 特定の相手からの執拗なつきまとい等の被害経験(男女別)

I-6-8図[CSV形式:1KB]CSVファイル

また,被害の相談先として,女性は「友人・知人に相談した」が56.3%で最も多いが,男性は「どこ(だれ)にも相談しなかった」が38.6%で最も多い(I-6-9図)。

I-6-9図 特定の相手からの執拗なつきまとい等の被害の相談先(複数回答)別ウインドウで開きます
I-6-9図 特定の相手からの執拗なつきまとい等の被害の相談先(複数回答)

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(ストーカー事案に対する対応状況)

警察庁「平成30年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について」によると,ストーカー規制法違反の検挙は,平成24(2012)年以降増加していたが,平成30(2018)年は870件と前年に比べて56件(6.0%)減少した。一方,ストーカー事案に関連する刑法犯・特別法犯の検挙は,平成24(2012)年以降高水準で推移していたが,平成29(2017)年から減少し,平成30(2018)年も1,594件(前年比105件(6.2%)減)と減少している。また,ストーカー規制法に基づく警告は平成24(2012)年以降増加していたが,平成29(2017)年から減少し,平成30(2018)年も2,451件と前年に比べ814件(24.9%)減少している。禁止命令等は,緩やかな増加傾向にあったが,平成29(2017)年から急増し,平成30(2018)年も引き続き大幅に増加して1,157件となり,ストーカー規制法施行後最多となっている。

ストーカー規制法に基づき,警察本部長等が援助を求められた件数は,平成24(2012)年以降増加していたが,平成30(2018)年は7,647件と前年に比べて減少した。援助の内容(複数計上)としては,被害を自ら防止するための措置の教示が1,978件(前年比436件減少),防犯ブザー等の被害防止品の教示又は貸出しが647件(同131件減少)となっている。

(強制性交等・強制わいせつの認知件数)

強制性交等及び強制わいせつの認知件数は,いずれも平成16(2004)年以降減少傾向にあり,平成30(2018)年は強制性交等1,307件(前年比198件増加),強制わいせつ5,340件(同469件減少)となっている(I-6-10図)。

I-6-10図 強制性交等・強制わいせつ認知件数の推移別ウインドウで開きます
I-6-10図 強制性交等・強制わいせつ認知件数の推移

I-6-10図[CSV形式:2KB]CSVファイル

(無理やりに性交された経験)

内閣府「男女間における暴力に関する調査」(平成29年)において,これまでに無理やりに性交等された経験を聞いたところ,1回以上の被害経験がある女性は7.8%,男性は1.5%となっている。

同調査によると,被害経験がある者のうち,被害について「どこ(だれ)にも相談しなかった」者は,女性は58.9%,男性は39.1%となっている(I-6-11図)。

I-6-11図 無理やりに性交等された被害の相談先(複数回答)別ウインドウで開きます
I-6-11図 無理やりに性交等された被害の相談先(複数回答)

I-6-11図[CSV形式:1KB]CSVファイル

(子供に対する性的暴力の検挙件数)

平成30(2018)年の児童買春事件の検挙件数は827件,児童ポルノ事件の検挙件数は3,097件であり,児童ポルノ事件は過去最多となった(I-6-12図)。また,児童虐待のうち性的虐待の検挙件数は226件(前年比57件増加)となっている。

I-6-12図 児童買春及び児童ポルノ事件の検挙件数の推移別ウインドウで開きます
I-6-12図 児童買春及び児童ポルノ事件の検挙件数の推移

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(売春関係事犯検挙件数)

平成30(2018)年の売春関係事犯検挙件数は530件となり,前年と比べ減少した。また,要保護女子総数は212人で前年に比べ減少し,そのうち未成年者が占める割合は36.8%であり,前年に比べ12.5%ポイント減少している(I-6-13図)。

I-6-13図 売春関係事犯検挙件数,要保護女子総数及び未成年者の割合の推移別ウインドウで開きます
I-6-13図 売春関係事犯検挙件数,要保護女子総数及び未成年者の割合の推移

I-6-13図[CSV形式:2KB]CSVファイル

(人身取引事犯検挙件数等)

平成30(2018)年の警察における人身取引事犯の検挙件数は36件,検挙人員は40人(うち,ブローカーは1人)であり,被害者総数は,25人と前年から大幅に減少した(I-6-14図)。被害者の国籍は,日本が18人で最も多く,次いでフィリピンが4人となっている。

I-6-14図 人身取引事犯の検挙状況等の推移別ウインドウで開きます
I-6-14図 人身取引事犯の検挙状況等の推移

I-6-14図[CSV形式:1KB]CSVファイル