第2節 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保対策の推進

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第2節 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保対策の推進

1 男女雇用機会均等の更なる推進

厚生労働省では,企業における男女均等取扱い等を確保するため,男女雇用機会均等法令について,引き続き,労使を始め関係機関に対して周知・啓発を実施しており,都道府県労働局雇用環境・均等部(室)において,労働者及び企業等からの相談に応じている。

また,企業の雇用管理の実態を把握するとともに,性別による差別的な取扱いや妊娠,出産等を理由とする不利益取扱い等,男女雇用機会均等法に違反する雇用管理が把握された企業に対して,是正指導を行っている。

特に,妊娠,出産等を理由とする不利益取扱いについては,女性労働者の尊厳を傷つけ,継続就業を妨げるものであることから,法違反の事実が認められる企業に対しては,迅速かつ適正な指導を行っている。

さらに,「コース等で区分した雇用管理を行うに当たって事業主が留意すべき事項に関する指針」(平成25年厚生労働省告示第384号)に基づき,コース等で区分した雇用管理制度を導入している企業に対して,実質的な男女別雇用管理とならないよう,同指針の周知徹底を図るとともに,男女雇用機会均等法に違反する企業に対しては是正指導を行っている。

また,女子学生等が的確な職業選択が行えるよう,意識啓発を図っている。

文部科学省では,大学等卒業予定者の就職・採用活動について,男女雇用機会均等法の趣旨に沿った採用活動を行うよう,企業側に求めている。

また,新規中学校・高等学校卒業者の就職についても,文部科学省と厚生労働省の連名の通知により,経済団体等の関係者に対して男女雇用機会均等法の趣旨に沿った採用活動が行われるよう,引き続き配慮を依頼した。

2 男女間の賃金格差の解消

厚生労働省では,男女労働者間の格差について企業内での実態把握や取組の必要性の「気づき」を促す「男女間賃金格差解消に向けた労使の取組支援のためのガイドライン」(平成22年8月厚生労働省公表)の普及・啓発により,企業の自主的な取組を支援している。

3 女性に対する各種ハラスメントの防止

厚生労働省では,事業主のセクシュアルハラスメントに関する雇用管理上の措置義務を徹底するため,男女雇用機会均等法及び「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上配慮すべき措置についての指針」(平成18年厚生労働省告示第615号。以下「セクハラ指針」という。)の内容について周知・啓発を図るとともに,措置を講じていない企業に対しては是正指導を行っている。また,専門知識を持った雇用均等指導員を都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に配置し,労働者及び企業等からの相談に適切に対応している。

妊娠,出産等に関するハラスメントの防止措置が,適切に講じられるよう,都道府県労働局において説明会及びハラスメント対応特別相談窓口を開設し,事業主への説明及び労働者等からの相談対応を行った。

加えて,性別による差別的取扱い,妊娠・出産,育児休業・介護休業の申出・取得等を理由とする不利益取扱い,セクシュアルハラスメント,母性健康管理措置等に関する労働者と事業主との間の紛争について,都道府県労働局長による紛争解決の援助及び機会均等調停会議による調停により,紛争の円滑かつ迅速な解決を図っている。

また,これらの措置が十分活用されるよう,紛争解決援助制度について,労働者等に積極的に周知している。