男女共同参画白書(概要版) 平成30年版

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第8章 女性に対するあらゆる暴力の根絶

  • 内閣府では,女性に対する暴力の予防と根絶に向けて広報の実施等により,社会の問題意識を高めるとともに,多様な暴力の実態が的確に把握できるデータ等の在り方について検討する。
  • 厚生労働省では,配偶者からの暴力被害者等に対して,婦人相談所等で行う相談,保護,自立支援等の取組を強化するため,婦人相談員手当について,一定の研修を修了した者について引き上げを図る。また,同伴児童対応指導員の配置を拡充するとともに,個別対応できる職員を配置できることとし,支援体制の強化を図る。
  • ストーカー対策に関する関係省庁では,引き続き「ストーカー総合対策」に基づく取組の確実な実施を図る。
  • 警察では,ストーカー行為等の規制等に関する法律等を積極的に適用する。また,ストーカー加害者に対する精神医学的・心理学的手法に関する調査研究を踏まえ,地域精神科医療との連携を図るとともに,多機関連携によるストーカー加害者更生に関する調査研究等を実施する。
  • 内閣府では,性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターについて,全都道府県でのセンターの設置及び安定的運営が可能となるよう,平成29年度に創設した性犯罪・性暴力被害者支援交付金によりセンターの整備等に取り組む都道府県を支援し,性犯罪・性暴力被害者支援の更なる拡充を図る。
  • 平成29年5月に策定した「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する今後の対策」に基づき,引き続き,問題の根絶に向けて取組を推進する。内閣府では,若年層における女性に対する暴力の予防啓発の充実に向けた啓発媒体の開発・制作や,相談支援の質の向上を図るための対応マニュアルを作成し,被害者支援の拡充の促進を図る。
  • 警察では,アダルトビデオのスカウト行為に対する街頭での指導・警告及び悪質な事犯の検挙,いわゆる「JKビジネス」営業が多く見られる大規模繁華街における児童等の一斉補導,高校・大学等における被害防止教育や街頭キャンペーン,警察署,交番等の相談窓口においては24時間相談を受け付けていることを周知する活動等の対策を実施する。
  • 法務省では,平成29年6月に成立し,同年7月に施行された,強姦罪の構成要件及び法定刑の見直し等並びに強姦罪等の非親告罪化を内容とする刑法の一部を改正する法律の趣旨及び内容等を周知するなどして被害者の心情に配慮することを含め,適正な運用がなされるよう努める。
  • 政府では,平成29年4月に犯罪対策閣僚会議で決定された「子供の性被害防止プラン」(児童の性的搾取等に係る対策の基本計画)に基づき,児童ポルノの製造や児童買春を始めとする子供の性被害の撲滅に向け,国民意識の向上のみならず,児童,児童の保護者,加害者,犯行に用いられるツールや場所等のそれぞれに着目した多角的かつ包括的な対策を総合的に推進する。