第2節 男女共同参画に関する分野における国際的なリーダーシップの発揮

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第2節 男女共同参画に関する分野における国際的なリーダーシップの発揮

我が国は,2015(平成27)年2月に閣議決定した開発協力大綱に基づき,開発協力に女性の参画を促進し,また,女性が公正に開発の恩恵を受けられるよう,新たに策定するジェンダー分野の新政策に基づき,男女共同参画の推進及び女性のエンパワーメントに積極的に寄与する。

また,ジェンダー主流化の観点から,あらゆる分野や課題の支援に当たって,社会における男女双方の多様な役割や責任の違いを把握し,男女で異なる課題・ニーズを把握して取り組むなど,ジェンダーの視点に立った事業実施を推進する。また,ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(以下「UN Women」という。)や,紛争下の性的暴力国連事務総長特別代表を始め,国連を中心として展開する世界の女性のエンパワーメントのための諸活動に対する積極的な協力に努める。さらに,平和構築の観点から,女性を被害者の側面で捉えるだけでなく,紛争の予防・管理・解決を含む政策・方針決定過程への女性の積極的な参画を促進する。そのために,国内においても,平成27年に策定した女性・平和・安全保障に係る「行動計画」の履行,モニタリング,見直し等のプロセスを着実に実施していく。

保健分野においては,2015(平成27)年9月に,ミレニアム開発目標(MDGs)の後継となる「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が国連サミットで採択され,MDGsから引き続き,乳幼児,妊産婦死亡率の削減や三大感染症対策,性と生殖の健康サービスの普及の改善等が目標となっている。「平和と健康のための基本方針」の下,引き続き取組の必要な母子の課題,また女性の健康の課題に,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進を通じて取り組んでいく。

教育分野では,2015(平成27)年9月に発表した,我が国の新しい教育協力政策である「平和と成長のための学びの戦略」に基づき,女性・女児のエンパワーメントとジェンダー平等に配慮した教育協力を実施していく。

国際社会における我が国の存在感及び評価を高めるために,様々な機会を利用して我が国の男女共同参画に関する取組を国際社会に効果的に発信する。具体的には,国際分野における政策・方針決定過程への女性の参画を促進するとともに,日本の特徴を生かしたテーマ(防災や環境分野における男女共同参画の視点等)の対外発信に努める。加えて,国際会議への政府代表団への女性メンバーの参加を積極的に進めるとともに,国際機関への就職支援を強化する。また,男女共同参画の視点に立った国際交流・協力の推進のため,NGO等との効果的な交流・連携・協力を強化する。このほか,国際的に活躍する女性リーダー育成に関する調査を行う。

2016(平成28)年6月にはペルーにおいてアジア太平洋経済協力(以下「APEC」という。)女性と経済フォーラムが,同年秋には国連総会第三委員会,シンガポールにおいて第8回女性に関するASEAN+3委員会,2017(平成29)年3月頃にはCSWが開催されるところ,これらの国際会議に,更に積極的に貢献していく。また,国連,UN Women,APEC等国際機関等や諸外国の国内本部機構等との連携・協力に努める。

また,2014(平成26)年,2015(平成27)年に引き続き,世界のトップリーダーの参加を得て国際女性会議WAW!(World Assembly for Women)を東京で開催する。