第4節 非正規雇用労働者の処遇改善,正社員への転換の支援

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第4節 非正規雇用労働者の処遇改善,正社員への転換の支援

厚生労働省では,男女雇用機会均等法及び有期契約労働者の育児休業取得要件の緩和等を内容とした改正育児・介護休業法の円滑な施行に向けて,改正法の周知や雇用管理上の措置を講ずるに当たっての取組支援を行うとともに,事業主に対しあらゆるハラスメントに一元的に対応する体制の整備について,事業主が措置を講ずることを促すことを検討する。

また,非正規雇用労働者の雇用の安定や処遇の改善を図るため,正規雇用への転換,人材育成,処遇改善等の総合的な対策を推進していく。

さらに,平成27年6月に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」を受けて,職務等に着目した「多様な正社員」モデルの普及・拡大を図るため,多様な正社員の取組事例を収集し,ホームページへの掲載や全国主要地域でのシンポジウム等の開催による雇用管理上の留意事項及び好事例の周知・啓発を行うとともに,「多様な正社員」の導入を検討している企業に対するコンサルティングや助成制度等,支援措置を講じる。

加えて,所定労働時間が短いながら正社員として適正な評価と公正な待遇が図られた働き方である短時間正社員制度の導入・定着を促進するため,制度を導入した事業主に対して助成金を支給するほか,制度導入支援マニュアルの配布,「短時間正社員制度導入支援ナビ」の運営,人事労務担当者を対象にしたセミナーの実施等により,短時間正社員制度の概要や取組事例等についての情報提供等を行うとともに,周知・啓発を引き続き実施する。

さらに,非正規雇用労働者の労働条件の確保や改善対策の推進のため,労働基準法(昭和22年法律第49号)等に基づく指導を徹底するとともに,無期転換ルールの導入等の有期労働契約に関する規定を含む労働契約法(平成19年法律第128号)他関係法令に関する周知・啓発を引き続き実施する。

パートタイム労働者がその能力を一層有効に発揮することができる雇用環境を整備するため,短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)に基づく是正指導等により同法の着実な履行確保を図る。また,パートタイム労働者の均等・均衡待遇の確保に向けた事業主の取組を支援するために,「パートタイム労働者活躍推進企業表彰」を実施し受賞企業の取組を広く発信するとともに,事業主に対する職務分析・職務評価の導入支援・普及促進等を行う。

さらに,被用者保険の適用拡大を円滑に進める観点から,短時間労働者の賃金引上げや,本人の希望を踏まえて労働時間の延長を行う事業主に対する支援を実施する。

また,短時間労働者等の産前産後期間の経済的負担を軽減するため,国民年金の保険料負担免除に向けた制度の見直しを行う。

派遣労働者については,平成27年9月30日に施行された労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律(平成27年法律第73号)について,引き続き改正内容の周知徹底を図るなど,円滑な施行に取り組む。

行政機関で働く非常勤職員について,育児休業や介護休暇等の制度の周知・普及を図るとともに,非常勤職員の制度の趣旨,勤務の内容に応じた処遇が確保されるよう,引き続き配慮や助言を行う。

人事院では,国の行政機関で働く非常勤職員について,リーフレット等の配布を通じ,育児休業や介護休暇等の制度の周知・普及を図る。

総務省では,地方公共団体の非常勤職員について,「臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等について」(平成26年7月総務省自治行政局公務員部長通知)等により,育児休業や介護休業等の制度の周知・普及を図る。