第2節 ストーカー行為,性犯罪,子供に対する性的暴力,売買春,人身取引の実態

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第2節 ストーカー行為,性犯罪,子供に対する性的暴力,売買春,人身取引の実態

(ストーカー事案の相談等の状況)

平成27年のストーカー事案の相談等件数は2万1,968件で,前年に比べ855件(3.7%)減少したものの,ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号。以下「ストーカー規制法」という。)の施行後から23年までに比べ,24年以降は高水準で推移している(I-5-6図)。また,警察庁「平成27年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の対応状況について」によると,被害者の89.3%が女性で,加害者の85.7%が男性となっている。

I-5-6図 スト-カ-事案の相談等件数の推移別ウインドウで開きます
I-5-6図 スト-カ-事案の相談等件数の推移

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内閣府の「男女間における暴力に関する調査」(平成26年)において,これまでにある特定の異性から執拗なつきまといや待ち伏せ,面会・交際の要求,無言電話や連続した電話・メール等の被害経験を聞いたところ,1人以上の者から被害を受けたことがある者の割合が,女性10.5%,男性4.0%となっている(I-5-7図)。

同調査によると,被害の相談先として,女性は「友人・知人に相談した」が54.2%で最も多いが,男性は「どこ(だれ)にも相談しなかった」が57.1%で最も多い。

I-5-7図 特定の異性からの執拗なつきまとい等の被害経験(男女別)別ウインドウで開きます
I-5-7図 特定の異性からの執拗なつきまとい等の被害経験(男女別)

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(ストーカー事案に対する対応状況)

警察庁「平成27年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の対応状況について」によると,平成27年のストーカー事案における検挙件数は2,415件で,そのうち刑法等の適用による検挙が1,872件,ストーカー規制法違反による検挙が677件である。また,ストーカー規制法に基づく警告は3,375件で,前年に比べ204件(6.4%)増加している。警告に従わない者に対する禁止命令等は145件発令されている。

また,平成27年に,ストーカー規制法に基づき,警察本部長等が援助を求められた件数は8,139件で,前年に比べ490件(6.4%)増加している。援助の内容(複数計上)としては,被害を自ら防止するための措置の教示が2,013件(前年比21件減少),防犯ブザー等の被害防止品の教示又は貸出しが606件(同163件減少)となっている。

(強姦・強制わいせつの認知件数)

強姦及び強制わいせつの認知件数は,いずれも平成16年以降減少傾向にあり,27年は強姦1,167件(前年比83件減少),強制わいせつ6,755件(同645件減少)となっている(I-5-8図)。

I-5-8図 強姦・強制わいせつ認知件数の推移別ウインドウで開きます
I-5-8図 強姦・強制わいせつ認知件数の推移

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(異性から無理やりに性交された経験)

内閣府「男女間における暴力に関する調査」(平成26年)において,女性に,これまでに異性から無理やりに性交された経験を聞いたところ,1回以上の被害経験がある女性は6.5%となっている。

被害にあった時期について平成20年から26年までの変化を見ると,「中学卒業から19歳まで」及び「20歳代」が増加し,その他の年代は減少している。26年は,被害にあった時期が「20歳代」とする者が49.6%と,ほぼ半数を占める(I-5-9図)。

同調査によると,被害経験がある女性のうち,被害について「どこ(だれ)にも相談しなかった」者は67.5%となっている。

I-5-9図 異性から無理やりに性交された被害にあった時期の推移(女性)別ウインドウで開きます
I-5-9図 異性から無理やりに性交された被害にあった時期の推移(女性)

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(子供に対する性的暴力の検挙件数)

平成27年の児童買春事件の検挙件数は728件,児童ポルノ事件の検挙件数は1,938件であり,過去10年間の推移を見ると,児童買春事件は減少傾向にある一方で,児童ポルノ事件は増加傾向にある(I-5-10図)。また,児童虐待のうち性的虐待の検挙件数は117件(前年比33件減少)となっている。

I-5-10図 児童買春及び児童ポルノ事件の検挙件数の推移別ウインドウで開きます
I-5-10図 児童買春及び児童ポルノ事件の検挙件数の推移

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(売春関係事犯検挙件数)

平成27年の売春関係事犯検挙件数は986件となり,前年と比べ減少した。また,要保護女子総数は602人で前年に比べ減少し,そのうち未成年者が占める割合も32.6%で,前年に比べ5.0%ポイント低下している(I-5-11図)。

I-5-11図 売春関係事犯検挙件数,要保護女子総数及び未成年者の割合の推移別ウインドウで開きます
I-5-11図 売春関係事犯検挙件数,要保護女子総数及び未成年者の割合の推移

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(人身取引事犯検挙件数等)

平成27年における人身取引事犯の検挙件数は44件,検挙人員は42人であり,検挙人員のうちブローカーが7人となっている。また,警察において確認した被害者総数は,17年(117人)をピークに減少傾向にあったが,27年は49人と,前年に引き続き増加している(I-5-12図)。被害者の国籍は,フィリピンが28人で最も多く,次いで日本が13人となっている。

I-5-12図 人身取引事犯の検挙状況等の推移別ウインドウで開きます
I-5-12図 人身取引事犯の検挙状況等の推移

I-5-12図 [CSV形式:1KB]CSVファイル