第1節 生涯を通じた男女の健康

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第1節 生涯を通じた男女の健康

(平均寿命と健康寿命の推移)

平成26年の平均寿命は,女性は86.83年,男性は80.50年であり,前年に比べて女性が0.22年,男性が0.29年延び,男女とも過去最高を更新している。

健康寿命について見ると,平成25年は,女性は74.21年,男性は71.19年であり,22年と比べて,3年間で女性は0.59年,男性は0.77年延びている(I-4-1図)。

I-4-1図 平均寿命と健康寿命の推移(男女別)別ウインドウで開きます
I-4-1図 平均寿命と健康寿命の推移(男女別)

I-4-1図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(健康増進に必要な適切な自己管理)

健康増進や生活習慣病予防のためには,自ら健康管理を行うことが重要である。厚生労働省「国民健康・栄養調査」(平成26年)によると,肥満者の割合は,男性は50歳代が34.4%と,他の年齢階級に比べて最も高くなっている。女性は,年齢とともに肥満者の割合が高くなる傾向にあり,50歳代以上では20%以上であるが,低体重(やせ)の者の割合は,20歳代が17.4%で最も高くなっている。

また,同調査によれば,運動習慣のある者の割合は,20歳以上全体では女性で25.1%,男性で31.2%と,平成25年と比べてやや低下している。年代別に見ると,65歳以上では女性で35.7%,男性で42.4%と,いずれも3割以上となっているのに比べ,20~64歳では,女性で17.5%,男性で20.9%と低くなっている。

(女性特有のがん)

女性特有のがんとして子宮がん,乳がん等があり,これらの女性の総患者数を厚生労働省「患者調査」(平成26年)で見ると,子宮がんは6.2万人,乳がんは20.6万人と,いずれも23年より増加した。

がんは早期発見が重要であるが,我が国における女性のがん検診の受診率(過去2年間)は,徐々に増加しているもののなお低く,平成25年には,子宮がん(子宮頸がん)検診(20~69歳)が42.1%,乳がん検診(40~69歳)が43.4%にとどまる(I-4-2図)。

I-4-2図 子宮がん(子宮頸がん)及び乳がん検診の受診率の推移別ウインドウで開きます
I-4-2図 子宮がん(子宮頸がん)及び乳がん検診の受診率の推移

I-4-2図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(人工妊娠中絶の動向)

人工妊娠中絶件数及び人工妊娠中絶実施率(15歳以上50歳未満女子人口千対)の長期的な推移を見ると,昭和30年から平成7年にかけて件数,実施率とも大きく減少し,その後も緩やかな減少傾向にある。年齢階級別に人工妊娠中絶実施率を見ると,昭和30年代には20歳代及び30歳代で特に高く,20歳未満は低かったが,現在は年齢階級間の差は縮小している。

平成26年度の人工妊娠中絶実施率(年齢計)は6.9であり,年齢階級別では20歳未満が6.1,20歳代が12.2,30歳代が8.8と,20歳代が高くなっている(I-4-3図)。

I-4-3図 年齢階級別人工妊娠中絶件数及び実施率の推移別ウインドウで開きます
I-4-3図 年齢階級別人工妊娠中絶件数及び実施率の推移

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(喫煙率及び飲酒率の動向)

平成15年から26年にかけての喫煙率の推移を男女別に見ると,男性は46.8%から32.2%まで低下したが,依然として3割を超えているのに対し,女性は11.3%から8.5%まで低下し,22年以降は1割を下回っている。同期間における飲酒率の推移については,男性は42.9%から34.6%まで8%ポイント以上低下しているが,女性はほぼ横ばいとなっている。

平成17年から25年にかけての妊娠中の女性の喫煙率及び飲酒率の推移を見ると,喫煙率は7.8%から3.8%へと低下し,飲酒率は16.1%から4.3%へと顕著に低下している(I-4-4図)。

I-4-4図 喫煙率及び飲酒率の推移(男女別,妊娠中の女性)別ウインドウで開きます
I-4-4図 喫煙率及び飲酒率の推移(男女別,妊娠中の女性)

I-4-4図 [CSV形式:1KB]CSVファイル