第3節 外国人が安心して暮らせる環境の整備

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第3節 外国人が安心して暮らせる環境の整備

法務省の人権擁護機関では,外国人に対する偏見や差別の解消を目指して,「外国人の人権を尊重しよう」を啓発活動の年間強調事項の一つとして掲げ,講演会等の開催,ポスターの掲出やリーフレットの配布等の啓発活動を行う。

文化庁においては,我が国に居住する外国人が,日本語能力が十分でないことなどから安心・安全に生活できないという問題を解決し,外国人が日本社会の一員として円滑に生活を送ることができるよう,日本語教育の推進を図ることを目的とする「『生活者としての外国人』のための日本語教育事業」を実施し,地域における日本語教育に関する優れた取組の支援,日本語教育の充実に資する研修及び調査研究を行う。

文部科学省では,平成27年度より,不就学となっている外国人の子供を対象に,公立学校や外国人学校等への就学に必要な支援を学校外において実施する地方公共団体への補助を行う。

また,平成26年4月1日から「特別の教育課程」による日本語指導を導入しており,外国人児童生徒等の多様性や地域の実態に応じた,全国的な日本語指導・支援体制を構築するための取組を引き続き実施する。

さらに,学習指導要領に基づき,子供たちが広い視野を持って異文化を理解し,共に生きていこうとする姿勢を育てるため,国際理解教育を推進する。

厚生労働省においては,配偶者からの暴力被害者である在留外国人への適切な支援を確保するため,専門的な知識を持った通訳者の養成を行うための専門通訳者養成研修事業を推進する。

人身取引対策に関する関係省庁では,「人身取引対策行動計画2014」(平成26年12月犯罪対策閣僚会議決定)に基づき,人身取引対策の取組を進める。

法務省入国管理局では,人身取引が重大な人権侵害・犯罪であるとの認識の下,被害者である外国人に対しては,関係機関と連携して適切な保護措置を講ずるとともに,被害者の立場に十分配慮しながら,本人の希望等を踏まえ,被害者が在留資格を有している場合には,在留期間の更新や在留資格の変更を許可し,被害者が不法残留等の入管法違反の状態にある場合には,在留特別許可を付与するなど,被害者の法的地位の安定を図る。

日本司法支援センター(以下「法テラス」という。)では,人身取引被害者に対し,民事法律扶助制度,被害者参加人のための国選弁護制度,被害者参加旅費等支給制度等について,関係各所にリーフレットを配布して周知を行う。